#76 塩のおむすび
「お父さん、これから夕ご飯炊いてくれる時、お米5合にしてくれる?この塩買ってから、しょうと塩むすびにしてよく食べるようになってきたわ。」と娘が言った。今までは夕方に3合のお米を洗い、炊いていたのだ。
私は家に帰り、妻に話をした。「りこもしょうとも4年生と5年生になったんやで。今成長するときやな。これからよく食べるで。」と妻が言った。「しょうとも野球しているし、体も大きくなってきたで」と私が言うと、「最近合同チームになって試合に勝つようになってからかな~。意欲的になってきたこととも関係あるのと違うかな~」と妻が言った。「そうかもしれへんな。先週の自主練習の時、熱中症アラートが出ていた時に『絶対に行く』と意欲的やったもんな。やっぱり積極的になってきたんやと思うわ。」私たちは、お米をたくさん食べるようになったことと、合同チームになって、野球に意欲的になったこととは関係があるということで話が一致した。「あした、しょうとに、お米をよく食べるようになったわけや、合同チームとの関係も聞いてみるわ。」と私が言った。
次の日「しょうと、この頃よく食べるようになったのは、何かきっかけがあるの?」と私が聞いた。「おじいちゃん、この塩でおにぎりを作るとメチャメチャうまいで。ごはんがすすむわ。」と言った。「それだけ?」というと、しょうとは「それだけやで」と言った。
野球の話が出てこなかったことは残念な気がした。しかし、台所からしょうとの持って来た塩は、甘いだしのきいたおいしい塩だった。