#72 小さな牧場
週末に息子の家族が帰ってきた。その夕方、私は息子の家族と、かわいいポニーが7頭いる小さな牧場に行った。
草刈りをしていたおじさんが「馬にかまれないように、気を付けてや」と言ってくれた。私たちは、柵から少し離れてポニーを見ていた。
えさばにいるポニーは、草や野菜を黙々と食べていた。大きな水桶の水を飲んでいるポニーもいた。小さなポニーはしっぽをふってゆっくり歩いていた。
5歳のはやたも3歳のりつも、牧場でポニーを見るのははじめてだった。はやたは、牧場の独特のにおいに「ここのポニーのトイレはどこ?」と小さな声で私に聞いてきた。
しばらくすると、「これ食べさせてあげて~。ここの馬はよろこぶで~」と言って、おじさんが大きなニンジンを2本持ってきてくれた。はやたとお父さん、りつとお母さんの2組に分かれ、ポニーにニンジンを差し出した。ポニーはニンジンが大好きなのか、大きなニンジンを取り合いしながらバリバリと音をたてて食べていた。遠くでいたポニーもニンジンを食べに走ってきた。
その後、私たちは牧場の近くの草むらに行った、はやたは、ダンゴムシやバッタを探していた。りつとお母さんは、白と赤のクローバーを摘んでいた。
夕ご飯の準備ができたとの妻からの電話があった。りつはポニーに「バイバ~イ」と手を振りながら車に戻った。「お馬さんを、また見に行こうな」と私に言った。帰りの車の中からも「お馬さんバイバ~~イ」と手を振った。しばらくして、「お馬さん何も言ってくれへんだな~」とりつはつぶやいた。