【Vol.9】クラウドファンディングでドキュメンタリームービー『Voice』が完成するまで
【Vol.8】からの続きです
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確かその日の東京は小雨が降っていた気がします。
7月中旬、僕はmo.kaさんと初めてお会いしました。
・・・僕はサンドウィッチの写真は撮り損ねました 笑
どうやら多汗症の人と会うのは僕が初めてみたいで、今まで一人で心の奥に留めていた気持ちを話してくれて、そうして少しずつ表情も柔らかくなっていった気がします。
よく今まで誰にも言わずに音楽活動ができていたなと、今までにきっとしんどいこともあったろうに、個人的には尊敬しちゃいます。
昨日インタビュー撮影していたことを伝えると、興味深く聞いてくれました。念のため、カメラ持参で良かったです。
そしてmo.kaさんは、「まだデモ音源ですが」という前置きをつけて、”Voice”を聴かせてくれました。
メインタイトルも『Voice』にすることもここで決めました。
さらに、ナレーションも引き受けて頂けることになりました。
で、ここまで決めたところで沸き起こる監督としての思いは、
「この人に出演してほしい・・・。」
僕が今回のドキュメンタリーで探し求めていた理想像でした。
多汗症と向き合いながら、前向きに音楽活動をしていること、
いつかは多汗症を公にして、同じ病気で悩む人に勇気を与えたいという思いがあること、
何よりmo.kaさん自身の人柄そのものも含めて、こういう人と出会えて撮影ができたらいいなと思っていたまさにその人というか。
撮れ高的なことで恐縮だけど、カミングアウトする「その瞬間」を残せる事は、まさに僕が一番視聴者に伝えたい「その瞬間」なわけで。
それに、彼女を撮っている時の画が見えるんですよ。
具体的な映像のイメージというか、そういうのが見えるんです。
最終的にはmo.kaさん自身に決めてもらうことなので、そんなに強制はできませんが、それでも出演への思いは強くて。
そんな思いもあってか、後にmo.kaさんが自身のブログで”刺された”と表現した、あの言葉が飛び出すわけです。
「もかさん。やればできるのに変わることを恐れていますよ」
(原文ママ)
”Voice”の2番の歌詞です。
この一言で、11月のワンマンライブで多汗症を公表することを決心してくれました。出演を決めてくれたことに感謝でいっぱいです。
嬉しい気持ちと同時に、この作品を絶対に良いものにしないといけない責任感がさらに高まった瞬間でもありました。
【Vol.10】へ続きます
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