「ヘルフレイムエンペラー」のカルテFile2 (クソカード医学会用資料20)
まえがき
前回は半ば治療を諦めてお茶を濁した形の「ヘルフレイムエンペラー」。
あれから私も研鑽を重ね、見識を広め、クソカード医として大きく成長したつもりです。
今なら「ヘルフレイムエンペラー」を救えるのではないか。デッキの主役として輝かせることができるのではないか。そう考えての治療再チャレンジです。
ヘルフレイムエンペラーについて
患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)
問題点は以前まとめた通りで、
①サポートの乏しいレベル・種族な上、ステータスも微妙
②リリース確保と墓地リソース消費が炎属性デッキの多くと相性が悪い
③効果のメリットが少ない
大きく分けてこの3点。
③の問題点は前回はバック除去効果ではなく除外に注目して「紅蓮魔獣 ダ・イーザ」「トポロジック・ゼロヴォロス」につなげようと画策したのですが、今回はそれも視野に入れつつバック除去を有効活用したいと思います。
バック除去効果の最大の難点は、破壊にチェーン発動される点です。
発動条件のある攻撃反応型の罠などはもうずいぶんと減って、基本的に伏せられるカードは主に「禁じられた~」のようなフリーチェーンか「神の~」のようなカウンター罠、あとは「スキルドレイン」「サモンリミッター」のようなメタ系永続罠です。
なので「ヘルフレイムエンペラー」の破壊効果にチェーンされて最低限の仕事をされたり、そもそも破壊効果を無効にされてしまったりする可能性が大いにあります。
しかし、どんな伏せカードであっても発動を許さず除去する手段が1つだけあります。
答えは単純、伏せたターンに除去すればいいんです。
「連撃の帝王」を使えば、相手メインフェイズに「ヘルフレイムエンペラー」をアドバンス召喚でき、相手が伏せたカードをエンドサイクの要領で破壊できます。(厳密にはメイン2サイクになりますが)
帝王カードは「汎神の帝王」を「おろかな副葬」で墓地に送れば簡単にサーチできる点も心強いです。なお地味に「ヘルフレイムエンペラー」の効果は「~時、」効果なのでタイミングを逃す点には注意。
「おろかな副葬」を3枚積み込み、すでに「連撃の帝王」を引けている場合は「ブレイズ・キャノン・マガジン」を墓地に送れば「ヴォルカニック・バックショット」と併せて相手ターンにモンスターを全滅させつつ墓地に炎属性モンスターを3枚送り込むことも可能です。
モンスターと魔法罠を破壊尽くす「ヘルフレイムエンペラー」構築。
あとは相手ターンのアドバンス召喚を行うためのリリース確保、相手盤面を破壊したあとの打点が課題になります。
それらをまとめて解決する、しかも炎属性多めのテーマがなんとあるんです。
王と皇帝
私は上記ギミックを【ジェネレイド】に投入してみました。
もともと【ジェネレイド】には「王の舞台」で生成するトークンを「連撃の帝王」で利用したアドバンス召喚軸構築があるので、それを流用した形です。
また【ジェネレイド】には「王の舞台」をサーチする「光の王 マルデル」が初動の要で、そのリクルートのために「ローンファイア・ブロッサム」と「王の影 ロプトル」を採用することが多いです。この「ローンファイア・ブロッサム」と「王の影ロプトル」は炎属性。つまり、【ジェネレイド】は通常の展開を行うだけで墓地に炎属性が貯まるテーマなんです。さらに炎属性テーマというわけでもないので、「真炎の爆発」といった墓地利用手段も使わない……よって気にせず「ヘルフレイムエンペラー」のコストに利用可能です。
それだけではありません。【ジェネレイド】はレベル9モンスターを主軸にしたテーマ。奇遇にも「ヘルフレイムエンペラー」はレベル9。よってランク9を容易に立てられます。相手の盤面を破壊した後に「No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon」を立てれば次のターン以降の相手の盤面も除外し続けられますし、「剣の王 フローディ」などで破壊すれば、除外したカードの枚数分強化されたハートアースが復活します。
【ジェネレイド】盤面を整えつつ墓地の炎属性を増やし、相手ターンに「ヴォルカニック・バックショット」の効果と「ヘルフレイムエンペラー」のアドバンス召喚で盤面を破壊。自分ターンでハートアースにつなげて制圧かワンショットを決める…………。
これぞ王(ジェネレイド)と皇帝(エンペラー)が「連撃の帝王」を要に手を取った軌跡のデッキ【王と皇帝】デッキです。
相性のいいカード
基本的には【ジェネレイド】。
・「スモール・ワールド」
前回に引き続き「ヘルフレイムエンペラー」のサーチ手段。このデッキはレベル9モンスターと炎属性モンスターしかいないので、確実にサーチが可能。場合によっては初動となるロプトルやロンファを呼び込むことも可能。あとは本命のサーチを通すためのうららチェッカーにも。
・「テラ・フォーミング」
・「王の襲来」
マルデル以外の「王の舞台」のサーチ手段。ロプトルとロンファが3枚ずつあつので、こっちは1枚ずつあれば足りる気がする。というか先に「王の舞台」が尽きる。
・「炎の王 ナグルファー」
炎属性のジェネレイド。打点が高め。効果は扱いづらいようで、「王の舞台」や「連撃の帝王」も破壊から守れたりする。
・「暗黒界の取引」
手札に最上級モンスターが固まった場合、墓地に送りつつ「王の舞台」の発動条件を満たせる。「九字切りの呪符」のほうがドロー枚数は多いものの、こちらは「汎神の帝王」や「ブレイズ・キャノン・マガジン」が手札に来てしまった場合も処理できる。
・「錬装融合」
「汎神の帝王」と「ブレイズ・キャノン・マガジン」がすでに墓地にある場合に「おろかな副葬」や「暗黒界の取引」で墓地に送り、1ドローに変換可能。これ自体が事故要素にもなるので無理に入れなくてもいいかも。
・「星遺物の胎動」
こちらも手札事故の助けになる他、すでにレベル9モンスターがいる場合はハートアース等に繋げられる。
デッキ構築
手札に来てほしくないカードが多いため、デッキ枚数は気持ち多め。元から最上級モンスター軸のデッキなので手札事故はある程度仕方がないと割り切るしかない。
医学会用に作ったのであえて入れてないものの、「灰流うらら」も炎属性なので普通に相性がいい。
メインデッキ(44枚)
・ヴォルカニック・バックショット×3
・ローンファイア・ブロッサム×3
・王の影 ロプトル×3
・ヘルフレイムエンペラー×2
・光の王 マルデル×1
・剣の王 フローディ×1
・炎の王 ナグルファー×2
・虚の王 ウートガルザ×2
・轟の王 ハール×2
・ハーピィの羽根帚×1
・テラ・フォーミング×1
・暗黒界の取引×2
・汎神の帝王×1
・錬装融合×1
・おろかな副葬×3
・金満で謙虚な壺×1
・スモール・ワールド-×3
・王の舞台×3
・星遺物の胎動×2
・王の襲来×2
・連撃の帝王×3
・ブレイズ・キャノン・マガジン×1
・貪欲な瓶×1
EXデッキ(15枚)
・CNo.107 超銀河眼の時空龍×1
・No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon×1
・幻子力空母エンタープラズニル×1
・無限起動アースシェイカー×1
・九魂猫×1
・永の王 オルムガンド×1
・その他適当な汎用リンク、ランク9など
癖は強いもののジェネレイドやランク9が普通に強いためデッキ自体はちゃんと機能してます。手札事故なければもっと強い。
ソロモードは楽勝、ランクマではうららと墓穴足してもやや劣勢(フィールド魔法に依存してるのもあり、神牌対策がモロに刺さってる環境のせいもある)で、実績はまだ作れてません。一度盤面除去からハートアースまでやってみたいですが。
医学会式重症度で言えば4寄りの3くらいでしょうか。マスターデュエル未実装のジェネレイドが実装されたらもう少し変わるかもしれません。
実績追記。(2023/2/1)
改良版(2023/8/6追記)
ジェネレイドの新規を追加。また、主軸だった「おろかな副葬」が制限、「テラ・フォーミング」が禁止になったので、相手ターンの召喚ギミックを「連撃の帝王」から「魍魎跋扈」に変更。
あとがき
というわけで「ヘルフレイムエンペラー」治療再チャレンジでした。前回よりは確実に良くなってるんじゃないでしょうか。
前回のように隠し味にダ・イーザを混ぜたり、地味に粒ぞろいな炎属性レベル9モンスターで固めたりしても面白いかもしれません。
次回のクソカード医学会にはこのデッキか先日の「悪魔の知恵」デッキで参加したいです。ルーム入れるだろうか。あと仕事……。
次の記事は「ガーディアン・エルマ」の治療になると思います。
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