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「スペシャル・デュアル・サモン」のカルテ(クソカード医学会用資料71)
まえがき
突然ですが、皆さんは「二重召喚(デュアルサモン)」というカードをご存知でしょうか。
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召喚権を増やすというシンプルな効果で、このカード1枚では何もできずディスアドとなりますが、召喚時効果で消費を賄える【ガジェット】などで使用されたこともあるカードです。
強力なカードとは言えませんが、召喚権の追加はご存知の通り、あれば何かしら役立つものでもあるので、【トレパンエクゾ】などでは今でも稀に採用が見られます。
そんな「二重召喚(デュアルサモン)」のスペシャル版がなんと存在します。
それが今回の患者「スペシャル・デュアル・サモン」です。
E-HERO(イービルヒーロー)の登場した第5期パック『GLADIATOR'S ASSAULT』出身のカードで、あの他を隔絶した強力無比たる表示形式変更効果と黒さを誇る「インフィニティ・ダーク」が、さらなる力を得ている様子がイラストからは伺えます。
患者とは言え、召喚権を増やす「二重召喚(デュアルサモン)」のスペシャル版ですよ。おそらく召喚権を3回まで増やすとか、永続的に召喚権が2回になるとか、相手ターンに召喚するとか非常に強力な効果を持つことが予想されます。
それがクソカードと呼ばれているということは、デメリットや大きなコストがあって使いづらいのでしょう。
今回はそんな「スペシャル・デュアル・サモン」の活用法を探してみます。
スペシャル・デュアル・サモンについて
患者の性能は以下の通り。
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「二重召喚(デュアルサモン)」要素なくね。
なんならスペシャルでもなくね。
デュアルサモンでもスペシャルでもないなら、どこが「スペシャル・デュアル・サモン」なんだよ。ここまで納得いかないカード名はそうそうないよ。
はい。それが「スペシャル・デュアル・サモン」です。
一応明記しておきますが、特に召喚権が増えたりはしません。完全にデュアルモンスターのサポート専任です。
この時点ですでに「二重召喚(デュアルサモン)」とは汎用性で遥かに劣っており、「ジェネリック・デュアル・サモン」とでも名乗ったほうが良さそうな気がします。
気は進みませんが、改めて効果をよく見ていきましょう。
自分フィールドのモンスター1体を対象に、そのモンスターを再度召喚扱いに出来ます。
「フォース・リリース」のときの説明と被りますが、この効果は何かしらのアドを稼いでゼロをプラスにするわけではなく、デュアルモンスターというマイナスのものをようやくゼロに引き上げるだけの効果です。
これだけでもかなりやばいのですが、この効果には「スーペルヴィス」というかなり分の悪い競合先が存在します。
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装備魔法の「スーペルヴィス」と違い速攻魔法な点を活かしたいところですが、やはり「フォース・リリース」の治療の際に述べた通り、デュアルモンスターに相手ターンの妨害や強力な戦闘効果を持つものがおらず、バトルフェイズや相手ターンに再度召喚する行為に何の意味も見いだせません。
そしてその(実用性はともかく)複数のデュアルモンスターを一斉に再度召喚扱いにできる「フォース・リリース」に対し、「スペシャル・デュアル・サモン」は対象に取った1体だけを再度召喚扱いにする……とかなり厳しいです。対象を取るのでゲート・ガーディアンとかにも無効にされます。こんなのに無効打ってくれるなら、むしろありがたいけど。
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「二重召喚」「スーペルヴィス」「フォース・リリース」と比較対象全てに惨敗という「ポンコツの意地」もびっくりな容態の「スペシャル・デュアル・サモン」ですが、最後の問題点として、このカードにはデメリットがあります。なんで???
このカードで再度召喚扱いにしたデュアルモンスターはエンドフェイズに手札に戻ります。
手札に……。
「フォース・リリース」のデメリットも裏側守備表示にするという大概なものでしたが、まだ壁としての使用が可能でした。運よく相手ターンを生き残れば、次のターンに再度召喚も可能でした。
しかし「スペシャル・デュアル・サモン」手札に戻します。当然壁にはなりませんし、次のターンにはまた召喚しなくてはなりません。
なんで一番使えないカードに一番重いデメリットがついてるんだよ……。
まとめると、
①デュアルモンスターを再度召喚状態にするだけの効果
②その上、競合相手にほぼほぼ負けてる
③おまけに相性の良いデュアルモンスターがいない
④挙句の果てに手札に戻るデメリットまである
となります。これはやばいですね。
どうしよう。
どうしようも何も、デュアルモンスターサポートなのでデュアルデッキで使うのは確定。さらに類似効果のカードが多すぎるので「フォース・リリース」でやったようにデメリットをメリットに転換するしかありません。
……ですが、「邪悪なるワーム・ビースト」の治療でも述べた通り、手札に戻るという行為にメリットを見出すのは非常に困難です。同治療で利用した「エレメントの泉」は回復とデュアルに特にシナジーがなく、獣族デュアルは「化合獣オキシン・オックス」のみなため【メルフィー】を使うのも難しいでしょう。
……となりますと、治療の鍵は"手札に戻る"ではなく、"手札にデュアルモンスターがいる"という状況です。
弱い弱いと蔑まれている実際弱いデュアルモンスターですが、「化合獣カーボン・クラブ」と「デュアル・アブレーション」のおかげで何でも自由にサーチ、墓地送り、リクルートが可能です。
そしてデュアルモンスターの種族や属性は適度にバラけています。
これは言い方を変えますと、デュアルは特定の種族・属性のモンスターを手札、墓地、フィールドに用意しやすいとも言えます。
素材に種族や属性を指定するシンクロ召喚を行ったり、対応する種族をピンポイントに墓地に送ってセリオンズを特殊召喚したり。
そして、手札に特定の属性を引き込んだり……。
サーチに加え、「スペシャル・デュアル・サモン」のデメリットで手札に戻る点を利用すれば、特定の属性を手札に維持しやすくなりますね。
となれば特効薬はもう決まりです。
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【VS(ヴァンキッシュ・ソウル)】です。
VSデュアル
【VS(ヴァンキッシュ・ソウル)】は手札のモンスターを見せることで効果を発動するテーマで、発動には地・炎・闇属性のモンスターが必要になります。
ところで、比較的扱いやすい、デュアルデッキの主軸となるデュアルモンスターたちの属性をご存知ですか?
アブレーションのサーチを行う「重起士道ーゴルドナイト」と無限蘇生で有名な「ギガプラント」は地属性。
デュアル界のサーキュラー「化合獣カーボン・クラブ」とデュアル万能蘇生効果の「エヴォルテクター エヴェック」は炎属性。
汎用除去とサーチのしやすさを併せ持つ「進化合獣ダイオーキシン」は闇属性。
奇遇にも、【VS】で使われる属性と被ってますね。
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カーボン・クラブに「スペシャル・デュアル・サモン」を使い、足りない属性のデュアルをサーチし、エンドフェイズにカーボン・クラブが手札に戻れば炎含む2属性が手札に揃います。
そのカーボン・クラブとダイオーキシンは「二量合成」からサーチできるので、炎と闇はかなり揃えやすくなります。
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「化合電解」がないとカーボン・クラブに召喚権を使ってしまうので、自己特殊召喚が可能な地属性「VS パンテラ」を増やせば、VS展開を安定させつつ地属性の比率も上げられます。
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デュアルと【VS】のシナジーはそれだけにとどまりません。
【VS】というテーマは、サーチ効果を持つ「VS ラゼン」に強く依存しています。ラゼンさえ止めれば止まると知れ渡っているくらいに。
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そしてこのラゼンくんは炎属性戦士族。デュアル使いならピンと来たことでしょう。
そう、ラゼンは「エヴォルテクター エヴェック」と「デュアル・アブレーション」のサポート対象なのです。
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これらにより、
・アブレーションでデュアルモンスターをリリースしてデッキから突然ラゼン(+選んで破壊)
・手札のラゼンをアブレーションで捨ててエヴェック出して墓地からまさかのラゼン(+ランク4やリンク2)
・エヴェックからのランク4で「BK キング・デンプシー」を出してラゼンをサーチし、普通にラゼン
などなど、地味ながらもラゼンへのアクセスを増やすことができます。
これがデュアルの特性により手札に必要な属性を揃えつつ、キーカードであるラゼンもサポートする、未だ嘗てない圧倒的な親和性を誇るデュアルデッキ……【VSデュアル】です。
相性のいいカード
ゴルドナイトやパンテラを間接的にリクルートできるベイゴマセットも試してみたけど、属性が合わないのが微妙だった。
・「化合電界」
普通にデュアルサポートと展開サポートができる他、除去効果を使って場のデュアルを除外しパンテラの特殊召喚を可能にしたり、「VS 裏螺旋流雪風」の巻き添えを避けたりできる。
・「厄災の星ティ・フォン」
・「天霆號アーゼウス」
・「S:Pリトルナイト」
VSデュアルは破壊以外の除去に乏しいので、EXはバウンスや除外効果持ちなどを入れておきたい。リンク軸かランク4軸かは手持ちと相談。
デッキ構築
デュアルが多すぎても事故るので、各枚数は要相談。
これは医学会用に組んだものなので、ランクマでやるならさらに切り詰めて手札誘発いれます。
使用感としては、デュアルをちゃんと使ったデュアルデッキの中では一番強かった印象。
たぶん食い合わせの良さは【セリオンズデュアル】も越えてると思われます。ここぞというところでデュアル経由でラゼンにアクセスでき、逆転というのが多かった。
【VS】も優秀なんですが除去の多くが破壊なので、【ユベル】や【炎王】の多い現環境があんまり相性良くない。良いテーマだと思うんですがね。
重症度は4.0。患者抜きでより実戦的にして4.3ってとこでしょうか。
実績1。ランクマでの実地研修1戦目で華々しく結果を残しました。
ようやく組めた【VSデュアル】、初陣にて罪宝スネークアイの首級を上げる。「スペシャル・デュアル・サモン」も活躍。 #マスターデュエル pic.twitter.com/XTjb3yfGoX
— 幸記アキミ@good_sky (@koki_akimi) August 8, 2024
実績2。初手はこれマスカレーナ使わせるために拮抗フェイント(実際握ってたけど)してます。
【VSデュアル】手札のラゼンをアブレーションで捨てて、リクルートしたエヴェックで釣り上げる動き、召喚権使わずにラゼン出せて強いわ。いや強いわ。 #マスターデュエル pic.twitter.com/Xj7X8VUBoe
— 幸記アキミ@good_sky (@koki_akimi) August 23, 2024
あとがき
最近はソリティアで盤面作るデュアル治療が多かったので、今回は初心に帰ってシンプルに相性の良いテーマと合わせてみました。想像以上にいい出来で満足してますが、【VS】めちゃくちゃお高いので組むのに結構時間と資産かかりましたね。
肝心の「スペシャル・デュアル・サモン」ですが、デュアルモンスターは手札だと普通に効果モンスターなので、手札誘発のデュアルモンスターが登場すれば用途も実用性も上がると思います。妖怪少女はみんなチューナーなんだからデュアルの誘発がいてもええやろ……。
デュアル新規とVS新規の到来を願いたい。
次回はほしかった新規が来るそうなので「クリスタル・ドラゴン」でしょうかね。