
「天よりの宝札」のカルテFile2 (クソカード医学会用資料36)
まえがき
前回は不知火を主軸とした除外アンデットで治療した「天よりの宝札」。
面白い動きが可能でお気に入りでしたが、今回はまた違うテーマと組ませて治療したいと思います。
ズバリ、先日マスターデュエルで先行実装された【ゴーティス】です。
除外から相手ターンの連続シンクロにつなげるこのテーマなら、一括除外を行える「天よりの宝札」との相性もいいはず。
まだ研究の進んでいないテーマですし、これは試しがいがありそう。
というわけで、再治療に挑みました。
天よりの宝札について
改めて、患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)

ポイントを再確認すると、
・普通に使うにはコストが重すぎる
・コストは表側除外なので、除外時に発動する効果とは合う
・コストでの除外なので無効化されない
となります。
さて、一方で【ゴーティス】がどういう効果をしているかというと、


2種類のチューナーが、除外された次のターンでの特殊召喚を行います。
【ゴーティス】はまずどうにかこれらを除外もしくは展開して「ゴーティスの大蛇アリオンポス」につなげるのが初動となります。
が、これらのチューナーが手札に固まりすぎて動けないという状況も当然ありえます。そこを解消するのが「天よりの宝札」。まとめて除外して次の相手ターンに一気にシンクロが可能です。
もちろんチューナーだけではシンクロできないので、同じく除外から特殊召喚可能な「ジャイアント・レックス」「アルグールマゼラ」も加えます。


「アルグールマゼラ」は多いと手札事故に繋がりますが、チューナー1枚とで一気に「最果てのゴーティス」へとつながるので、相手の動きを大きく牽制可能です。
「ジャイアント・レックス」等、星4モンスターも、チューナー2種を除外できていれば最果てまで繋げられます。
手札事故を「天よりの宝札」1枚から大量展開⇒連続シンクロに塗り替えられるわけですね。
また、上記モンスターに加え、エースモンスターである「最果てのゴーティス」は場の除外から次のターンの特殊召喚が可能。不知火軸と違い、展開を終えた後から「天よりの宝札」を使っても次のターンには帰ってくるのでほぼほぼノーリスクでドローソースとして使えます。

天よりのゴーティス
さて、デッキの大まかな動きが決まったので、相性のいいカードを詰めていきます。
まず、「天よりの宝札」が引けず手札に除外したいモンスターが固まる状況をどうにかする必要があります。
「左腕の代償」は同じく手札をすべて除外できるので、「天よりの宝札」とほぼ同じ動きが可能です。

サーチ先は「封印の黄金櫃」「抹殺の指名者」「天よりの宝札」等、色々選べますし、こちらもコストでの除外なので仮にうららで止められても最低限の仕事はしてくれます。
また「烙印融合」をサーチできれば墓地に「妖精伝説ーシラユキ」を落として「烙印竜アルビオン」⇒「氷剣竜ミラジェイド」を構えられます。「烙印融合」の融合モンスター縛りも、相手ターンのシンクロを行う【ゴーティス】なら気になりません。
ミラジェイドの1除外、ミラジェイドを素材に「最果てのゴーティス」、墓地からのシラユキ特殊召喚で裏守備、と妨害の数を増やせる強い動きです。



逆に、手札にペイシス、シフがなくて除外できない場合の手段も必要ですね。
「孤高除獣」は手札の魚族を適当に除外すれば、デッキからシフかペイシスを除外できます。また、手札にシフかペイシスがある場合も、もう片方をデッキから除外し、次のターンには自身と合わせて最果てまで繋げられます。

他にも手札の「アルグールマゼラ」を除外して特殊召喚しつつデッキの「ネクロフェイス」を除外し、効果でデッキのチューナーの除外を雑に狙うことも可能です。

大雑把な除外から大雑把な展開、大雑把なシンクロ。
魚族に特化せず除外そのものに重点を置く最新の「天よりの宝札」デッキ、【天よりのゴーティス】です。
天とはすなわち宇宙だったのです。
相性のいいカード
手札も場も全除外する「天よりの宝札」、手札全除外後セットができなくなる「左腕の代償」を使用する都合上、手札誘発、永続魔法、フィールド魔法、罠全般と相性が悪い。致命的では?
・「無限泡影」
・「拮抗勝負」
手札から使える貴重な罠。後攻捲り用。
・「増殖するG」
・「ディメンション・アトラクター」
タイミングを選ばず使える手札誘発。後攻捲り用だが、先行でも宝札発動前にとりあえず投げとく。
・「エフェクト・ヴェーラー」
先行に「天よりの宝札」とかと引くとちょっと困るものの、後攻なら使えるしシラユキが墓地に落ちた後なら「烙印融合」の素材にできる。
・「混沌の戦士 カオス・ソルジャー」
バグースカやドラゴスタペリアを立てられたときでも止まらない。相手ターンにシンクロしたら帰還したチューナー2体と高レベルシンクロモンスターがすぐ揃うので耐性持ち状態で割りと出せる……ものの、次の展開には繋がらないのでスノーピオス辺りと併用したい。
デッキ構築
WCS2023予選で実地テストしていたため、医学会ではなくガチ目の構成。
学会用にするならアトラクターとかを抜いて「異次元の偵察機」とかを入れるかも。
(遊戯王デュエルモンスターズデータベースにゴーティスカードがまだないので、デッキ連携はなし)
メインデッキ(40枚)
・エフェクト・ヴェーラー×1
・増殖するG×3
・ゴーティスの灯ペイシス×3
・ゴーティスの妖精シフ×3
・ゴーティスの紅玉ゼップ×2
・ジャイアント・レックス×3
・ネクロフェイス×2
・妖精伝説ーシラユキ×1
・孤高除獣×2
・アルバスの落胤×1
・ディメンション・アトラクター×2
・ゴーティスの陰影スノーピオス×1
・アルグールマゼラ×1
・天よりの宝札×3
・左腕の代償×3
・封印の黄金櫃×1
・烙印融合×1
・コズミック・サイクロン×1
・抹殺の指名者×1
・拮抗勝負×3
・無限泡影×2
EXデッキ(15枚)
・鉄駆竜スプリンド×1 ※ミラジェイドの弾
・烙印竜アルビオン×1
・氷剣竜ミラジェイド×1
・ゴーティスの大蛇アリオンポス×2
・白闘気白鯨×1
・ゴーティスの双角アスカーン×2
・飢鰐竜アーケティス×1 ※壊獣対策
・フルール・ド・バロネス×1
・相剣大公ー承影×1
・最果てのゴーティス×2
・混沌の戦士 カオス・ソルジャー×1
・トポロジック・ゼロヴォロス×1
使用感としては、上振れ下振れが激しく非常にピーキーなものの、「天よりの宝札」は活きてる感じですね。前回の不知火軸では後から引くと腐りがちでしたが、最果てなんかはまとめて除外しちゃってもいいのが強いです。
実績としては、幸運にも恵まれましたがこの構築でWCS2023予選でDLv20まで行けました。【ティアラメンツ】相手にも成績出せたので、医学会式重症度は5……と言いたいとこですが相性の面も多分にあったのでここは4としておきましょうか。
実績。見直して気づいたけど途中で終わってる……。(ちゃんと勝ってます)
天よりの宝札を展開に使う【天よりのゴーティス】実績。 #マスターデュエル pic.twitter.com/7ri7kkjIrR
— 幸記アキミ (@koki_akimi) May 14, 2023
【ティアラメンツ】討伐実績。
相手ティアラメンツ絶好調の盤面でもう終わったと思ったけど、拮抗とシラユキのおかげでなんか勝てたぜ。ここが最果てか。 #マスターデュエル pic.twitter.com/g3usRVo1sb
— 幸記アキミ (@koki_akimi) May 18, 2023
ゴーティスはまず確実にアリオンポス出すのが優先という意見にはあまり賛同できなくて、個人的には手札もデッキも雑に除外してSAN値直葬最果てコース構えるのが一番(狂気)。#マスターデュエル pic.twitter.com/mWDH2hAdi0
— 幸記アキミ (@koki_akimi) May 20, 2023
もっと「天よりの宝札」が活きてるのを撮りたかったんですが、長くやりすぎたせいでリプレイが流れてましたね……。そのうちいいのが撮れたら追加します。
その他構築研究報告
ゴーティスが未開拓のテーマというのもあり、上記のデッキになるまで「天よりの宝札」+【ゴーティス】も様々な構築を試しています。結果的にボツにしましたが、一部抜粋。
スプラッシュ軸
「エクシーズ・ディメンション・スプラッシュ」を入れたタイプ。
水属性レベル8モンスター(主にガメシエル)を2体特殊召喚できる。「アルグールマゼラ」とあわせて「トレード・イン」やランク8に繋げやすくなるし、「最果てのゴーティス」も出しやすくなる……ものの、デッキ・EXデッキともに圧迫されがちだったので却下。
異次元軸
「異次元の偵察機」「異次元の哨戒機」を利用したタイプ。
偵察機は同名ターン1がないので、「孤高除獣」から2体出せたりする。
リンク展開などは狙いやすくなるものの、強制効果なのでチューナーの帰還先を埋めてしまったりと融通が利かないし、1体だけだとそもそも相手ターンのシンクロもできないとイマイチだった。
サンドラ軸
【サンダー・ドラゴン】を混ぜたタイプ。
除外された際に特殊召喚できるのが雷獣龍だけ、しかもエンドフェイズに手札に戻るので相手ターンのシンクロに繋がらない。
まあそうだろうなとも思いつつ、超雷竜目当てに組んだ形。その超雷竜も素材にしたいカードではないためイマイチ。ただ研究のしがいはありそう。
シラユキ軸
「妖精伝説ーシラユキ」をフル活用するため、「隣の芝刈り」やイシズギミックも持ち込んだタイプ。上記の2タイプも複合し「闇の誘惑」やハンドアドを保てる「背護衛」「ネメシス・キースーン」などもとりあえずで入れてる。
もう「天よりの宝札」デッキじゃないなと思い直しやめた。
メタファイズ軸
メタファイズ各種を組み合わせたタイプ。
「メタファイズ・ダイダロス」のモンスター除外は最果てと同じく強力。ただ発動までにタイムラグがある上に、「天よりの宝札」発動時に手札にメタファイズがある程度揃ってないと無理なので却下。メタファイズは光属性なのでアルビオンの素材に困らなかったのはよかった。こちらも研究しがいがありそう。
あとがき
うららがやや少ない環境というのと、ティアラメタをすり抜けやすい【ゴーティス】の強さに依るところも大きいですが、「天よりの宝札」も捨てたもんじゃないというのは証明できたはず。
正直、手札誘発や永続罠抜きでここまで勝てるとは自分でも思ってませんでしたが。遊戯王は奥が深い……。
次回の患者は選定中ですが、「トゥーン・ドラゴン・エッガー」とかどうだろうかと考えてます。