「轟雷機龍-サンダー・ドラゴン」のカルテ(クソカード医学会用資料40)
まえがき
「轟雷機龍-サンダー・ドラゴン」は『LINK VRAINS PACK 2』にて登場したリンク4のサンダー・ドラゴンモンスターです。今までも軽症患者はいくらか扱ってきましたが、中でも群を抜いて軽症で、クソカード呼ばわりもかなり失礼な部類のカードであることは予め断っておきます。
ではなぜこのカードをチョイスしたのか?
それは……彼が所属するテーマ【サンダー・ドラゴン】があまりにも優秀で……優秀過ぎたからです。
使えば使えるのに使われない悲劇の患者、轟雷機龍。彼が輝くために、私も一肌脱ぎましょう。
轟雷機龍-サンダー・ドラゴンについて
患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)
パッと見たところ健康そうです。
①の効果はサンダー・ドラゴンモンスター共通で持つ、手札から捨てた際に発動する効果をコピーするというもの。蘇生・帰還効果を持つ「雷鳥龍サンダー・ドラゴン」や打点上昇の「雷源龍ーサンダー・ドラゴン」をコピーすればなかなか器用に立ち回れます。
②の雷族を戦闘・効果破壊問わず守れる効果もなかなか強力で、墓地を肥やす必要はあるものの、サンダー・ドラゴン以外でも雷族ならなんでも守れるため優秀です。
サンダー・ドラゴン軸の雷族デッキの潤滑油として、大いに活躍が見込めそうな性能をしています。効果は。
じゃあ何が問題かというと、まずは素材の重さでしょう。
リンク2モンスターであればそれなりに優秀であっただろうに、なんと轟雷機龍はリンク4モンスター。また、素材の縛りも雷族モンスター2体以上とかなり面倒です。
リンク1と揶揄される「超雷龍ーサンダー・ドラゴン」のほうが圧倒的に出しやすく制圧に向いてるのはもちろん、リンク4の汎用リンクモンスターにはより縛りがゆるくて強力なモンスターが数多く居ます。
それらを差し置いて補助的な効果しか持たない轟雷機龍を出すのは、手間の割に合わないというのが正直なところです。
次に、所属テーマである【サンダー・ドラゴン】デッキの優秀かつ柔軟さが問題になります。
轟雷機龍の①の効果は見ての通り【サンダー・ドラゴン】系統のデッキでないと使いようがないのですが、一方で【サンダー・ドラゴン】デッキは除外をメリットにできる闇・光属性主体のテーマなので【カオス】や【ビーステッド】と合わせやすく、そこに【烙印】も足しやすい非常に優良なテーマなのです。
素材縛りのため雷族主体の【サンダー・ドラゴン】デッキにしか採用できない轟雷機龍は、雷族以外と組んだほうが強い【サンダー・ドラゴン】の中で明らかに浮いている存在なのです。
問題点をまとめると、
①使うには【サンダー・ドラゴン】系統の雷族デッキでしか使えない
②肝心の【サンダー・ドラゴン】デッキは雷族以外と組みやすい
③重い
となります。
弱くはない。使いようはある。しかしテーマが優秀過ぎて落ちこぼれになっている……なんと不遇な……。
まず②を打破する策として、デッキを雷族統一にすることにメリットを生み出す必要があります。
簡単かつ強力なので「群雄割拠」でメタビ軸にしていきましょう。
雷族にはメタビ性能の高い下級モンスターが以外と多いです。
サーチ封じの「ライオウ」、セット封じの「電光ー雪花」、メイン1の魔法発動を封じる「避雷神」、特殊召喚封じの「放電ムスタンガン」。
これらは全員光属性レベル4なので、「電光ー雪花」以外は「同胞の絆」で呼び出せます。
これらを轟雷機龍の破壊耐性効果で守りつつ、雷源龍の打点アップを絡め、「端末世界」や竹光カードでさらなる封じをかける【雷族メタビ】なら轟雷機龍は大きな存在感を発揮できます。
めでたしめでたし。
……と、言いたいところですが。
轟雷機龍の使い道としては実際これがベストな気はします……しかし、治療デッキとしてはなんか地味なのは認めざるを得ません。「なんか地味なため、ラーは俺のしもべとなる!!!」
ここは、他の治療プランも用意すべきでしょう。
【烙印深淵サンダー・ドラゴン】に対するアドバンテージとするため「群雄割拠」は残すとして、サンダー・ドラゴンと組み合わせやすく、轟雷機龍の破壊耐性などと相性のいいテーマ……? あるのか……?
なんとあります。
轟雷エレキ龍
最近、新規追加の発表があった【エレキ】です。
【エレキ】は直接攻撃を個性に持つ雷族テーマで、以外と強力な効果と低いステータスが特徴です。
その低いステータスを轟雷機龍の破壊耐性効果と、雷源龍による打点上昇でカバーできるというのが相性の良い点その1。
さらに相性の良い点として、「エレキリム」の存在があります。
「エレキリム」は言わば、生きた「封印の黄金櫃」というべき効果を持ちます。ダイレクトアタックに成功すれば、自分のデッキからカードを1枚除外可能…………まさしく【サンダー・ドラゴン】と相性バッチリの効果です。
本来、サンダー・ドラゴンモンスターは手札効果とフィールド・除外効果のどちらかしか使えないのですが、「エレキリム」と轟雷機龍を組み合わせれば、
……と、1ターンに両方の効果を自由に使えるようになります。
しかもデッキから何でも除外できるので、"雷源龍の打点上昇と同名カードサーチ"、"雷獣龍のリクルートと回収"、"雷鳥龍の蘇生/帰還と手札交換"……これらの使いたい効果を状況に応じて使い分けることができます。
エレキとサンダー・ドラゴンの相性はわかっていただけたと思うので、後はこれらの展開手段になります。
轟雷機龍自体は「太陽電池メン」と、「雷鳥龍ーサンダー・ドラゴン」等の2枚から超雷龍のおまけ付きで出せます。
「エレキリム」のほうは、「エレキカンシャ」で次のターンに出すことが多いですが、「エレキカンシャ」がなくともチューナーさえ確保できれば「光の精霊 ディアーナ」でシンクロを補助できます。
さらに「ジェムナイト・セラフィ」を出して召喚権を増やしてリンク・シンクロを補助したり、好きな雷族を落としつつ「ジェムナイト・プリズムオーラ」から「雷神龍ーサンダー・ドラゴン」を出して盤面補強したりと、「ブリリアント・フュージョン」も好相性です。
これが【エレキ】と【サンダー・ドラゴン】が轟雷機龍を中心に手を取り合い、なおかつ面白みもあるクロスオーバー雷族デッキ、【轟雷エレキ龍】です。
相性のいいカード
遊びに裂ける部分は少なめ。
・「復烙印」
また復烙印。ビーステッドを入れると安定するけど「群雄割拠」あると腐る。とはいえ「群雄割拠」は制限カードだし気にしなくて良い気もするけど、一応。
・「一曲集中」
ネタ枠というか轟雷機龍を目立たせる。リンクモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時、リンク先のモンスターのレベルまたはランク×400ポイント攻撃力が上がる。レベル4一体で1600、超雷龍がいれば3200、雷神龍がいれば4000、超雷龍と雷神龍がいれば7200も攻撃力があがる。上昇率は高いものの「オネスト」のほうが使い勝手はいい。
・「常夏のカミナリサマー」
雷族縛りのリンク2。轟雷機龍の中継点に使える他、フリーチェーンの蘇生効果も相手のビーステッドをスカしたり案外使える。
・「PSYフレームロード・Ω」
雷族ではないが、余った「ジェムナイト・セラフィ」や特殊召喚した雷電龍+エレキチューナーで出せる。「復烙印」とハンデスが噛み合うし、除外カードの回収も便利。
デッキ構築
「エレキカンシャ」のサーチ効率を良くするためにエレキモンスターの種類は多めに入れてます。医学会用でなければ汎用誘発やビーステッドにしたほうがいいですね。
ランクマだとやはり展開力のないスローペースなデュエルにならざるを得ないのが辛い……。エレキはほぼおまけになってしまい、勝った勝負もサンダー・ドラゴンの地の強さ頼りに……。重症度3です。
あとがき
現状では【烙印深淵サンドラ】に勝るところは発揮できませんでしたね。轟雷機龍の個性の活かし方は確立できたと思うので、エレキの新規が来ればまただいぶ違うかと。
先のメタビ軸のデッキはまだランクマでもやれそうですが、必要なカードのレアリティがめちゃ高いので組むかは未定。メタビ、あんまり好きじゃないし……。
余談ですが、第11回クソカード医学会には「ガーディアン・エルマ」デッキで本ルームに入室できました…………が、よりにもよって対戦中に仕事の緊急電話がかかってきて、泣く泣く降参⇒退室。(ザ・キャリブレーターの方、すみませんでした……)
12回でリベンジですかねぇ。
次回は未定。面白そうな患者を探してきます。