「ユベル-Das Extremer Traurig Drachen」のカルテ (クソカード医学会用資料4)
まえがき
「ユベル」はアニメ「遊戯王デュエルモンスターズGX」の異世界編のラスボスキャラで、鬱展開に両性にヤンデレと色々ヤバさを詰め込んだ同作屈指の名物キャラとして有名です。最終的に主人公・十代と超融合するし。
一風変わった効果や、次々進化形態を呼び出す様は当時としては非常に珍しく、高攻撃力で一気に圧倒するのではなくジワジワと嬲るように攻める様がユベル自身の性格をよく表しているように見えます。
一方で、じゃあ強いかというと微妙。
搦手に特化した性能が、高速化した現代のデュエルでは通用してない部分が大きいです。クソカードと呼ぶかは使い手次第ですが、弱いというより"扱いづらいが上手くハマれば強い部類"だと個人的には感じます。
ユベルについて
ユベルは3つの形態が存在していて、もっとも重症なのは1番出しづらい第3形態ということになります。一応。
まず第1形態の「ユベル」の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)
攻守0なので「クリッター」「キラー・トマト」「ダメージ・コンデンサー」などでのサーチ/リクルートがしやすく、悪魔族なので「魔サイの戦士」や「ヘルウェイ・パトロール」などにも対応してます。
ダメージ効果はつまり「魔法の筒」が内蔵されてると思っていいです。上記の通り出しやすいカードなので、継続してリリースを確保する手段があるならこの形態に特化した構築も可能。蘇生も楽だし。
耐性はないですが「神縛りの塚」があれば耐性をつけられる上、リリースを踏み倒すことも可能になります。
次は第2形態である「ユベル-Das Abscheulich Ritter(ダス・アプシェリッヒ・リッター)」。
こっちは「魔法の筒」に加え、自分エンドフェイズに「ブラック・ホール」が発動します。「神縛りの塚」で耐性が付く点も同様。割とある効果なものの、やはり大規模な破壊が可能な効果は単純に強く、魔法・罠カードを一掃する「ネフティスの鳳凰神」と組ませた【ネフユベル】などのデッキもありました。
第3形態の特殊召喚も、破壊だけでなく除外や墓地送りにも対応しており、進化するたびに強力になっているのがわかります。
最後に第3形態にして患者である「ユベル-Das Extremer Traurig Drachen(ダス・エクストレーム・トラウリヒ・ドラッヘ)」。
……ぱっと見、そこまで悪くない効果……というか「ブラック・ホール」効果はなくなったものの、こちらからの攻撃でもダメージを与えられ、ついでに破壊までできるようになったので結構強いです。
3形態とも効果耐性こそ持たないものの、戦闘耐性はあるし、安易に除去すれば後続が出てくる。確かに今どきはこれ以上に厄介なカードなんてザラなものの、まだ扱いようがある……ように見えます。
じゃあ何が問題なのかというとまず、ユベル第1、第2形態の持つ進化形態を特殊召喚する効果はタイミングを逃すという問題点が1番大きいです。
つまりどういうことかというと、「サンダーボルト」などで単純に破壊される場合は進化形態を特殊召喚できるものの、モンスター破壊後に別の処理が挟まったり、チェーン2以上で破壊されたり、リンク素材として墓地に送ったりした場合はタイミングを逃して特殊召喚が出来なくなります。これのせいでとにかく出しづらいんです。第2形態以降は。
次に第1形態と第2形態と違い、第3形態は破壊されるとそこで終わり、後続は出てきません。しかし戦闘耐性しか持たない。せっかく出しても破壊されては意味がない。
また、3つの形態どれも最上級モンスターなので普通に手札事故が起きる。事故を減らすために投入枚数を抑えると、今度はどれかが除外されてしまった時に後続がただの紙になる。
以上の問題点をまとめると
①タイミングを逃すので後続が出ない
②第3形態時が破壊されても後続が出ない
③手札事故
ということになります。
第1形態「ユベル」メインで組みやすいのは③の問題だけ考えればよいからというのもある。
さて、そんな現代で第3形態「ユベル-Das Extremer Traurig Drachen」を活かすにはどうすればよいのか。
①タイミングを逃さず、②場に維持して、③手札事故を緩和する手段……。正直、ユベルを使う以上③はある程度どうしようもない気がしますが……。
魔族召喚士軸ユベル~デスフェニを添えて~
①の問題にはデスフェニを使います。
デスフェニこと「D-HERO デストロイフェニックスガイ」といえば、説明不要の環境で暴れまわってる問題児ですね。みなさんも、うんざりするくらい見てきたはずです。召喚エフェクト込みで。
これを読んでる方の中には「んだよ、環境出張セット積み込めばそりゃどんなクソカードのデッキでもマシになるわ」と思っている方もいるかもしれませんが、そうではないです。そういう面も確かにありますが。
デスフェニの破壊効果はフリーチェーンなのでいつでも発動でき、普通に破壊するだけの効果なので、デスフェニでユベルを破壊すれば相手の妨害をしつつ後続が出せます。
また受動的になりやすいユベルデッキにおいて単純に打点としてもある程度信頼できますし、素材にダッシュガイを利用すれば「ユベル」を引いてしまった際の特殊召喚で③の手札事故軽減も多少可能です。(ダッシュガイそのものを素で引いてしまう懸念はありますが)
②の問題には「魔族召喚士」と「化合電界」を使用する魔族召喚士軸ユベルにすることで、ユベルの進化と再召喚を加速可能です。
「魔族召喚士」はデュアルモンスターで、手札・墓地から悪魔族モンスターを特殊召喚できる上級モンスターです。手札に来たり、墓地に落としたユベルを場に出せるわけですね。さらにこの「魔族召喚士」がフィールドを離れた場合、特殊召喚したモンスターも破壊され、ここでもまたタイミングを逃さずユベルを進化できます。
「化合電界」はデュアルをサポートするフィールド魔法で、このカードが場に存在している時、デュアルモンスターはリリースなしで召喚でき、さらにもう一度召喚することが可能です。
そして、もう一度召喚された状態のデュアルモンスターを除外し、相手フィールドのカードを1枚破壊することも可能。
ややこしいので簡単に流れをまとめると
……と、2枚でユベルを第2形態に進化させられます。その「ユベル-Das Abscheulich Ritter」をデスフェニで破壊すれば1ターンで第3形態「ユベル-Das Extremer Traurig Drachen」まで進められます。それも毎ターン。
そう、ユベル第3形態が相手ターンに除去されようと、維持が難しかろうと、毎ターン出せばいいんですよ。(代わりに「神縛りの塚」は使っていません。耐性つくんですが、自分でも破壊できなくなるので第1形態「ユベル」軸のデッキ向きですね)
これが【デスフェニユベル召喚士】デッキです。
残る③は現状思いつかないので、「ダーク・グレファー」のコストで多少ケアするくらいになります。やっぱりどうしようもない。
相性のいいカード
・魔族召喚士
・化合電界
上記の通り。
・思い出のブランコ
・テラ・フォーミング
「魔族召喚士」「化合電界」のサポート。
・終末の騎士
・ダーク・グレファー
・増援
「魔族召喚士」「ユベル」両方を墓地に遅れる戦士族とそのサーチ。
・魔界発現世行きデスガイド
・魔サイの戦士
「ユベル」を墓地に送りつつアナコンダ⇒デスフェニ。
・D-HERO ダッシュガイ
・D-HERO ディバインガイ
・フュージョン・デステニー
ユベル破壊装置ことデスフェニの素材。
・リビングデッドの呼び声
相手ターンに「ユベル」を特殊召喚して壁にしたり、効果使用後に「抹殺の指名者」で狙われたデスフェニを復帰させたり、普通に「魔族召喚士」の蘇生に使う。
デッキ構築
流れとしては最優先にデスフェニ出して牽制、さらに「化合電界」と「魔族召喚士」をどうにか揃えればボード・アドバンテージがかなり稼げてくるので、安定してユベルを出せます。毎ターン。
メインデッキ(40枚)
・増殖するG×2
・灰流うらら×2
・魔界発現世行きデスガイド×3
・魔サイの戦士×1
・終末の騎士×1
・ダーク・グレファー×2
・D-HERO ダッシュガイ×1
・D-HERO ディバインガイ×1
・トークンコレクター×1 ※相剣・勇者メタ。悪魔族なので魔サイなどにも対応
・魔族召喚士×2
・ユベル×2
・ユベル-Das Abscheulich Ritter×1
・ユベル-Das Extremer Traurig Drachen×1
・溶岩魔神ラヴァゴーレム×1 ※破壊以外の除去&ユベルと好相性
・フュージョン・デステニー×2
・増援×1
・金満で謙虚な壺×3
・ハーピィの羽根帚×1
・死者蘇生×1
・思い出のブランコ×1
・化合電界×3
・テラ・フォーミング×1
・抹殺の指名者×2 ※3つ作れてない……
・墓穴の指名者×2
・リビングデッドの呼び声×1
・無限泡影×1
EXデッキ(15枚)
・D-HERO デストロイフェニックスガイ×1
・幻影騎士団ブレイクソード×1
・捕食植物 ヴェルテ・アナコンダ×1
・トロイメア・フェニックス×1
・トロイメア・ユニコーン×
・アクセスコード・トーカー×1
・残りの枠は金謙用
欠点としてはやはり手札事故と、相手の妨害が破壊頼みなので破壊耐性持ちや破壊されて発動する系に弱い。デスフェニが対策されまくってるのも厳しいか。
とはいえそのデスフェニのおかげで、(勇者襲来前の)ランクマでそこそこ実績を上げてます。頑張りました。
あとがき
個人的にはロマンカード、使い手の腕次第な玄人向けカードだと思っていますが、こうやって欠点をまとめるとクソカードと言われても否定できない複雑な感情になってきますね。
たぶん探せばもっと相性のいいカードは色々あると思いますが、個人的に決まった時の流れが楽しいのと「デュアルモンスターをもう一度召喚する」シークレットミッション達成用に愛用しています。
EXデッキにも余裕がありますし、さらなる改良も考えたいですね。
次回は「ギャンブル」になります。