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「サンライズ・ガードナー」のカルテ(クソカード医学会用資料56)


まえがき

 皆さん、あけましておめでとうございます
 エッ!? もう3月も半ばダッテ!?
 ……そうなんスよ。気づけばこんな一瞬で時が過ぎ去っていました。年始に風邪引いたり、年度末に近づくに連れ仕事がべらぼうに忙しくなったり、アークナイツ始めたりでなかなか時間がとれないとぼやいていたらいつの間にか3月……。
 忙しい中でもクソカード治療も進めてはいたんですが、あんまり出来に納得がいかないものも多く、記事にようやくまとめられたと言ったところです。

 さて、そんな今年最初の患者は前回も紹介した「サンライズ・ガードナー」です。第5期パック『TACTICAL EVOLUTION』出身のやはりデュアル一期生。その効果は医学会界隈で"重症患者の金脈"と言われるデュアルモンスターの中でも飛び抜けて弱く、おかげで逆に認知度があるモンスターとなっています。
 今回はそんな日の出を守るどころか明日の朝日も拝めなさそうな重症患者を治療していきます。

サンライズ・ガードナーについて

 患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)

見た目と名前は結構カッコいいんですよ

 再度召喚すると元々の守備力が2300になります
 攻撃力が上がるだけの「巨人ゴーグル」ですらあの重症っぷりなのに、守備力かよ! しかもたったの2300! 帝にすら戦闘破壊されます……。
 いやあこれはひどいですね。壁が欲しいなら戦闘破壊耐性のある「マシュマロン」とかで十分なのは言うまでもなく、わざわざ再度召喚してまで守備力2300ぽっちのモンスターを出す意味はありません。
 高守備を利用する【アステカ】などのデッキでは、より守備力の高いデメリットブロッカーが使われますし、そもそも悠長に再度召喚していては地雷の役目もこなせない……。

 不遇なのはそれだけではありません。
 「巨人ゴーグル」が"デュアルの中で唯一の岩石族"という点で差別化を行えたのに対し、この「サンライズ・ガードナー」はデュアルで最も多い光属性戦士族に属しています。
 デュアルの光属性戦士族といえば、あの「E・HERO アナザー・ネオス」も属しており、光属性戦士族が必要なら必ずこちらが優先されます。
 というか、【光デュアル】デッキ等でアナザー・ネオスのサブ、4枚目以降の光属性戦士族デュアルを仮に採用するとなっても、シンプルな除去効果が使いやすい「未来サムライ」や、「スーペルヴィス」を回収できる「騎士デイ・グレファー」が立ちはだかります。(というか【光デュアル】は基本、再度召喚しないのでやはり攻撃力でまさるこの2体のどちらかが選ばれる……)
 低ステータス、効果もパッとしない「サンライズ・ガードナー」の立場は、苦しいどころではありません。

 また、重大な欠点として「サンライズ・ガードナー」はレベルが3です。
 デュアルの優秀なサポートカード「デュアルスパーク」はレベル4にしか対応しておらず、【化合獣】と合わせやすいスプライトはご存知レベル2軸、シンクロ系デュアルデッキも「チューンド・マジシャン」や「ギガプラント」をメインに据える都合上、偶数シンクロになりやすい。
 デュアル界隈で絶妙に需要がないレベル3……。

 まるで世界を拒絶しているかのような圧倒的使えなさ。
 そんなことで本当に日の出を守れるのだろうか……。サンライズ瀬戸すら守れなさそうですが……。

 問題点をまとめると、
①効果が守備力を上げるだけ
②同属性同種族に競合がいっぱい
③デュアルデッキで使いづらいレベル3
 となります。

 さて、結論から言ってこのカードをメインアタッカーに据えたり、コンボのキーカードに据えるのは不可能でしょう。
 となると素材利用になるわけですが、アナザー・ネオスを意識せずに素材として使うとなると、レベル3光属性戦士族デュアルというニッチ過ぎる唯一の個性を活かし、シンクロかエクシーズ素材とするしかない……。
 ランク3や戦士族をメインにするデッキは多いんですが、無理なくデュアルを混ぜられるテーマとなるとかなり少ないので、個性であるデュアル要素が当然邪魔になってきます……。
 デュアルを採用できてレベル3も活かせるテーマ……。いや、ないだろそんな都合の良いテーマ……流石にないって……。

レッドサンライズ

 あったわ。そう、【真紅眼】です。

やっぱレッドアイズはカッコいいっすわ

 【真紅眼】はなぜかデュアルモンスターを数体擁しており、「デュアル・アブレーション」などのデュアルサポートを共有できます。
 加えて、「真紅眼融合」で「真紅眼の黒刃竜」を出せば、「サンライズ・ガードナー」を容易に墓地に送ることができ、「真紅眼の鎧旋」で蘇生も可能です。

デッキ融合はこれくらいの縛りがなくちゃなあ
聞いてんのかアルバス! お前のことやぞ!
レベルが7のままなの偉い
レッドアイズモンスターがいないと蘇生できないものの、
「デュアル・アブレーション」でリクルートが容易なため無問題

 「サンライズ・ガードナー」を出してどうすんの???
 というもっともな問いに関しては、レッドアイズモンスターは闇属性レベル7、「サンライズ・ガードナー」は」光属性レベル3なので、闇光素材のカオスアンヘルを出すという解答でいかがでしょう。
 それも「デュアル・アブレーション」と「真紅眼の鎧旋」を使えば素材を使いまわし1ターンに2~3体出すことも可能。
 「デュアル・アブレーション」のコストに「伝説の黒石」を使えば、墓地効果でデッキにレッドアイズを戻せるので、再度またアブレーションでリクルート可能。永久機関の完成だなあ!

アンヘル最強!
レッドアイズでもサンライズ・ガードナーでもどちらでも呼べる
デュアル本体の50倍は強いカード
自身の効果はどちらかしか使えないので、基本コストにして墓地回収を使う

 ちなみにこの構築、アナザー・ネオス等光属性レベル4組と、レベル6闇属性レッドアイズである「真紅眼の凶星竜-メテオ・ドラゴン」「真紅眼の凶雷皇-エビル・デーモン」でも似た動きが成立します。
 ただし、黒刃竜の素材や「真紅眼の黒星竜」のコストには本家「真紅眼の黒竜」が必要になってくる他、「覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン-オーバーロード」等のランク7の強力なモンスターを用意できる点で本家レッドアイズ軸、ひいては「サンライズ・ガードナー」の採用のほうが優秀です。

 ……さて突然ですが、ここでクイズを。

①:"通常モンスター扱いのデュアルモンスター"を素材に使用した融合・シンクロ・エクシーズモンスターは、「切り裂かれし闇」の打点上昇効果を得られるでしょうか?

今回の主役ならぬ主薬
名前的にも「サンライズ・ガードナー」と合う

 正解は、ちゃんと得られます
 では、第二問。

②:"デュアルモンスターをデッキから素材にして融合したモンスター"は「切り裂かれし闇」の効果を得られるでしょうか?

 正解は、得られません。デッキでは効果モンスター扱いなので。
 ではでは第三問。

③:デュアルモンスター同士を素材に出したカオスアンヘルやエクシーズモンスターは「切り裂かれし闇」の効果を得られるでしょうか?

 正解は、素材にしたどちらかが通常モンスター扱いであれば得られます
 …………私が何を言いたいのか、わかってきたでしょうか?

④:超マイナーなデュアルモンスター関連の裁定をいちいち把握しているデュエリストは全体の何割くらいいるでしょうか?

⑤:素材にされたデュアルモンスターが通常モンスター扱いだったか効果モンスター扱いだったかを、対戦中にいちいち把握しているデュエリストは全体の何割くらいいるでしょうか?

⑥:素材2体ともデュアルモンスターを使用してシンクロ召喚されたカオスアンヘルが相手の場に3体居たとして、それぞれの素材が再度召喚しているか把握できるデュエリストは全体の何割くらいいるのでしょうか?

 ……そう、デュアルモンスターを素材にして「切り裂かれし闇」を使用すると、相手からするとくっそややこしくなるのです。
 デュアルモンスターが環境にいないからこそ、わからない。
 つまり、かのウォークライと同じく、情報アドバンテージによる"わからん殺し"を決めやすくなります。
 そして、仮に相手が「切り裂かれし闇」を適用できないモンスターを特定できたり、ダメージ覚悟で「切り裂かれし闇」を1度使わせようとしてきた場合、強力なカウンターをお見舞いできます。

守備が高いだけ? 結構なことじゃないか

 レッドアイズモンスターもカオスアンヘルも、オッドアイズ・リベリオンも、そして「サンライズ・ガードナー」も微妙に守備が高いです。
 まさに微妙というレベルで、敵のアタッカーを防げるほど高いわけではないので大抵無駄なのですが、それを攻撃力にできるのなら話は別です。
 「サンライズ・ガードナー」は打点3800のモンスターに、「真紅眼の黒竜」は4400、カオスアンヘルは6300。そこに「切り裂かれし闇」や「二量合成」の上昇も加われば……。
 圧倒的パワー、それが答えです。

 このデッキの主役は「サンライズ・ガードナー」ではありません。あくまでレッドアイズを全力補助する外部パーツです。
 しかしそれでいいのです。レッドアイズのその真紅眼を日の出に見立て、全力で守護する「サンライズ・ガードナー」の姿がそこにあるのですから。
 これぞ闇を切り裂くレッドアイズ式デュアルデッキ、【レッドサンライズ】です。

相性のいいカード

 ローズドラゴンでシンクロ軸にしたり、勇者ギミックや烙印を追加したりもしたけど、結局シンプルなのが一番という結論に達した。

・「SRベイゴマックス」
・「SRタケトンボーグ」
・「MXーセイバー インヴォーカー」
 ご存知ランク3セット。普通はイゾルデを出すけど、インヴォーカーでゴルドナイトを持ってきて再度召喚⇒アブレーション等をサーチ後、アナコンダにする。
 ゴルドナイトは再度召喚すると機械族になってしまうので、イゾルデに繋がらない(重症だな……)ものの、「スーペルヴィス」などとともにイゾルデを採用する場合は再度召喚しないのもありかも。
 また、タケトンボーグのサーチに無効を打たれても、「サンライズ・ガードナー」がレベル3なので通常召喚して無理やりつなげたりできる。

・「No.11 ビッグ・アイ」
 攻撃できなくなる縛りを「二量合成」で擬似的に踏み倒せる。

・「化合電界」
 これされあれば通常召喚だけで「サンライズ・ガードナー」と「真紅眼の黒炎竜」が並び、アンヘルを出せる他、除去効果がこのデッキでは重要。

デッキ構築

 ベイゴマックス初動なら黒刃竜+アブレーション、「黒鋼竜」初動なら黒刃竜+鎧旋までは確定。都合よく回れば後攻ワンキルも狙えるものの、メインギミックに妨害が乏しいのが難点。

 使用感は、良きファンデッキというか、特別強くはないものの、ソロモードならやれるといったところ。
 レッドアイズもデュアルも妨害の少ないデッキなので、ランクマだと散々でした。環境もインフレしてるし……。
 でもカッコいいレッドアイズでバカみたいな火力を叩き出せるのはとても面白い。重症度は3.0。

あとがき

 レッドアイズサポートが増えればもっと輝けるような気がするんですが、逆に「サンライズ・ガードナー」が不要になる可能性もありますね。ていうかデュアルサポートが来い。まず。
 素材利用ではなく、守備上昇をどうにか使えないかとも考えたんですが、その分野だとどうしても競合が多く、現状は無理という結論になりました。
 それでも「コンセントレイト」は数少ないアンサーだと思うので、その辺と組み合わせて何か出来ないかも今後考えようと思います。

 次回は「八つ手サソリ」ですかね。いつになるかわからないですけど。
 「CNo.92 偽骸虚龍 Heart-eartH Chaos Dragon」はホルスとかが来れば完璧になりそうなので延期。

おまけ

 年始から最近にかけて作ったデッキ、

【魚水デュアル】:「龍影魚レイ・ブロント」を治療しようと思い、【光デュアル】ベースにゴーティスとアシッド、アブソリュート・ゼロなどの水属性HEROを混ぜた。デュアル要らねえってなった。ボツネタ治療デッキ。

【HEROゴーティス】:で、↑からデュアルを抜いたのがこちらになります。「孤高除獣」に泡影を打たれても「マスク・チェンジ・セカンド」でダークロウにして回避したりと、面白いことがいろいろ出来る。結構好き。

【ブラック・ダイヤモンド】:「ブラックマジシャンズ・ナイト」を使おうと思い、【ブラックマジシャン】ベースにダイヤモンドガイを投入。ブラマジはデッキトップ操作が得意なのでめちゃくちゃ噛み合うし、ナイトも除去を行いつつランク7素材になったりブラマジの蘇生⇒魔法陣の除外に繋がったりと、普通に強かったため健康と判断。ボツネタ治療デッキ。

【ストームサンダー】:「ダークストームドラゴン」と「サンダーエンド・ドラゴン」の全体除去コンボデッキ。案外簡単に成立する。クソカードかというと強すぎる効果な一方、使いやすくはないなんとも評価に困るデッキ。

【ミュートリアゴーティス】:「テーマクロニクル」で使用。この頃ゴーティスばっかだな……。以前から興味あった構築で、ちょうどミュートリアがソロモードテーマなのもあり、組んでみた。安いし。
 モンスター除外から無効を立てられ、しかも相手ターンには「最果てのゴーティス」までつながるいい塩梅。ただ、どちらも1枚からでは動けないテーマなので事故りやすい。

【御巫ジェネシス】:「ヴァンパイアジェネシス」をどうにか使おうと考えに考えた結果、【ヴァンパイア】メインデッキ最高の攻撃力である点を【御巫】の的にするという考えにたどり着いた。「ヴァンパイア・レッドバロン」で容易に送り付けられるし、【ヴァンパイア】と【御巫】も相性がいい。ただ壊獣でよくね???となりボツに。ボツネタ治療デッキ。

【ジェネシス帝】:お互いのEXデッキを封じれば「ヴァンパイア・フロイライン」の打点上昇も併せてジェネシスがブイブイ言わせられるのでは?
 ……と考え「真帝王領域」のある【帝王】と合わせてみた。【ヴァンパイア】もアドバンス召喚を多用するし、「ヴァンパイア・レッドバロン」が奇しくも帝ステータス、墓地から回収できる「冥帝エレボス」はジェネシスの効果コストに最適とシナジーが多い……と思ったけど【ヴァンパイア】はヴァンパイアカードがないと動けず、【帝王】も帝王カードが動けないため手札事故ばかり起きるなにかになった。ボツネタ治療デッキ。

【芝刈りジェネシス帝】:手札事故が起きるなら墓地で動けばいいじゃん。【ヴァンパイア】も【帝王】も墓地発動多いし。
 ……ということで「三戦の号」からの「隣の芝刈り」で無理やり動く形にした。動きはだいぶマシになったけど、そもそもEXデッキを封じる肝心の「真帝王領域」に"アドバン召喚したモンスターの打点を800上げる"効果があったの思い出し、レッドバロンやドラゴンがジェネシスの攻撃力超えるじゃんと気づいた。治すの無理じゃねこいつ。ボツネタ治療デッキ。

【クシャボル帝】:以前ボツネタにした「超電磁稼動ボルテック・ドラゴン」+帝のメタビデッキに、帝ステータスの「クシャトリラ・オーガ」等を足して安定感を得たデッキ。まあまあな出来なものの、やはりメタビは好きじゃないので記事にしなかった。ボツネタ治療デッキ。

【B・F軸昆虫族】:「レジェンド アンソロジー:アクセラレーション」で使用。今回アクセラレーションとのことなので5D'sメインかなと思い5D's出身テーマを探したんですが、あんまり好みのが見つからなかったので、ARC-Vテーマだけどシンクロ次元だしいいかと【B・F】をチョイス。そこに昆虫族グッドスタッフを詰め込みました。
 ビッグバリスタを切り札に、ディアボランティスやビートルーパーでそれを補助する形。デッキとしては悪くないんですが、増Gを始めとした妨害手段が規制されているため先行でやれることが少ないのと、3000くらいの打点で蹂躙するのがメインなので【時械神】や打点で負ける【青眼】がキツかったですね。

【S-Force】:「シンクロ×リンク フェスティバル」で使用。ほぼほぼ純構築。小夜丸ちゃんアクセスのために「天帝従騎イデア」を足したくらい。【ゴーティス】や【メルフィー】もレギュレーション的に使えなくはなかったものの、普段使わないデッキでやりたいなと思い、使用。
 グラビティーノの除外や、エッジ・レイザーのリンク妨害が地味に強く、弱めの展開メタ性能を見込んでのチョイス。地力は低いものの、セレーネアクセスや闇光アンヘルも狙いやすいので、いうほど弱くはない……けどやはり地力の差はありましたね……。ジャスティファイ司令? EXデッキで寝てたよ。

【デッキ破壊】:「タイムトラベル2004」で使用。【神牌】とか【ヘルテンネクロ】ではない、元祖デッキ破壊。リバースモンスターが遅くなった現代では使えないしなと思って組んでみたものの、同じ考えの人多くて若干失敗した気もする。別に被っても悪くないけど。
 他には【ネフロード】とか【アルティメット王虎】とか組みたかったものの、絶妙にキーカードが足りなかったので次の機会ですかね。

 デュエリストカップはテンション上がんないので、バーンと雪花ゴーティスでミッション消化だけしてます。

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