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学校の勉強は何の役に立つのか【数学編】

以前書いた記事(以下)の続きとして、教科別に書いてみようと思います。

今回は数学についてです。

普段何に役立つの?

ぶっちゃけ直接役に立つことはほとんどありません笑。

僕の場合は、力学の問題を解くときに微分積分を使ったり、統計の勉強をするときに確率が出てきたり、交流回路(変圧器やモーター)の計算に複素数を使ったりと、それなりに役に立つことがありましたが、そういった分野の仕事をしていない人にとっては使う機会はなかなかないかと思います。
 ちなみに、僕みたいな理系ですら数列や整数問題は大学受験以来使った記憶がなく、どこで役に立つのかよくわかりません笑。

しかし、直接役に立つだけが数学のメリットではないような気がします。数学を勉強することで目には見えない力が鍛えられるのです。

身に付く能力

どんな力が身に付くかというと、論理的思考力です。

数学といえばロジカルシンキングが大切みたいな話はよく聞くかもしれません。ただこれだけ言われてもぼんやりし過ぎな感じがするのでもう少し分解してみます。具体的に分けてみると次の4つかなと思います。

・因果関係の把握
・分類力
・階層構造思考
・仮説力

それぞれ説明してみます。

■ 因果関係の把握
わかりやすく言うと、「AということはBだと言える」みたいに、理由と結論を結び付けて理解することです。もう少し具体的に書くと、例えば「水が沸騰しているということは温度は100℃だ」みたいに理解したり説明することです。
 数学の問題はどれも論理の積み上げで答えを導き出すので、因果関係を理解できないと解くことはできません。つまり、数学の問題を解くことでこの力が鍛えられるというわけです。

これが普段どんな役に立つの?と思うかもしれませんが、因果関係がわかっていないと何か人に説明するときにうまく伝わりません。また、怪しい話を持ちかけられたときには、説明が正しいかどうか判断することができず騙されてしまうでしょう。つまり、人にわかりやすく説明する力や、怪しい話に騙されないための力になるわけです。

■ 分類力
要素がどのグループに所属しているか、他の要素と共通している部分があるかといった関係性を理解する力です。例えば「太郎くんと花子さんは両方日本人だけど、性別や年齢は違う」といったように関係性を整理する力です。
 数学では集合という概念があるので、この考え方に慣れておくと自然と分類して考えをまとめることができると思います。

これは具体的にどんな役に立つでしょうか?個人的な見解では分析するときに役立つ(必要になる)かと思います。例えば、日本人の年収のデータを分析するときに、身長や学力偏差値、趣味、友達の数など分析項目がたくさんあるとどれに注目して良いかわかりにくくなります。そこで、身長や体重といった項目は見た目の特徴として、IQや出身大学の偏差値などは学力としてデータを分類することで、シンプルにデータを扱うことができるようになります。
 そんな分析普段しないという声が聞こえてきそうですが、分析は案外普段から(脳が勝手に)行なっているものです。人間関係やゲームなんかでも、何か失敗すると原因を分析してないでしょうか?意識的でないにせよ次の機会で成功するように失敗から何か学んでいるはずです。分類がうまくできるようになると、意識的に失敗の原因を特定して次に生かすことができるはずです。

■ 階層構造思考
階層構造思考とは親子関係として理解することです。分類の話に似ていますが、例えば哺乳類というくくりの下に人間、ネコ、イルカなどがぶら下がっていると理解することです。
 数学では場合分けをして問題を解くことが多々あるので、この力が鍛えられるのではないかと思います。場合分けとは例えばある数Aがマイナスの時とプラスの時とで分けて式を解いていくような感じです。

この力は文章を書くときに非常に役立ちます。文章を書くときは、メインのテーマは何なのか、サブテーマはいくつでそれぞれ何を伝えるか、サブテーマの中にはさらに小見出しが必要なのかといったことを考えて書く必要があります。本や広告なんかはどれもこのような構造になっているかと思います。階層構造が理解できていないと、かなり読みにくい文章になってしまうので、普段から階層を意識してものごとを捉えることが重要です。

■ 仮説力
仮説とは、ある程度の理由を基におそらくこうなるだろうと予想することです。例えば、カレーはうどんと混ぜることで美味しいカレーうどんになるということから、「麺とカレーを組み合わせると美味しくなる」と予想することです。

数学では証明問題なんかでよく登場します。背理法ってやつですね。他にも整数問題を解くときなんかに、例えば答えは20以下の整数だろうと予測して答えにたどり着くみたいに使ったりします。(やったことない人には少々わかりにくいかもしれませんね…)

仮説力はかなり万能なスキルかと思います。売上げを伸ばすマーケティング戦略みたいな答えのない問題に取り組むときや、新しく学習するときなど、仮説をうまく使えば効率的で質の高いものにできるかと思います。
 仮説を立てることで次何をしたら良いかが明確になり、具体的なアクションによって仮説が正しかったのかどうかを確かめることができます。正しければ取り組みは成功になりますし、間違いだとしてもそれが間違いだったことが明確になり、次の仮説へのヒントになります。質の高い仮説を立てられた方が仮説の修正にかかる回数が減り、問題解決にかかる時間が少なくて済むため、普段から仮説力をつけておくことが大切というわけです。

まとめ

数学は統計解析や物理の計算など、直接役に立つばかりではなく、日常生活レベルで役に立つ基礎能力が鍛えられるということがわかったかと思います。数学の成績が良い人ほど人生の満足度や年収が高くなるという研究結果もあるので、苦手な人も少し頑張ってみると良いかもしれません。

偉そうに語りましたが、僕自身の論理的思考力は特段高いわけではないので、「この記事自体ロジカルじゃない」とか「論理的思考の分類がちゃんとできてない」とか思っても温かい目で見守ってください笑。

今回解説したこと以外にも、数学を学ぶメリットはあるかと思いますのでご意見もらえるとありがたいです。最後まで読んでくれた方ありがとうございました。

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