【全文無料】【YCSJ2023 TOKYO 上位入賞】半年ぶりの遊戯王を一日集中リハビリで乗り越えたピュアリィデッキ
挨拶
こんにちは。まずはご覧いただきありがとうございます!
kokiと申します。
普段はポケモンカードのコレクションをしながら、
公式認定ジャッジ&イベントオーガナイザーとしても活動しています。
実は遊戯王もプレイしており、昨年までインストラクターの活動をしていたほどには楽しんでいましたし精通していたつもりです。
ただこの半年ほどは仕事が忙しい&ポケモンカードにハマっていたこともあり、遊戯王をほとんど遊べておりませんでした。
(ぶっちゃけ言い訳です)
そんななか、5月28日に年に1〜2回しか開催されない大型大会であるYCSJへの参加が決まりました。(ポケカでいうJCSみたいなものです)
半年も遊戯王を触っておらず、環境デッキも新規カードも全くアップデートがされていない浦島太郎状態の中、さらに前週5月21日にはシティリーグがありそこまでポケモンカードに集中していた私でしたが、YCSJという4000名規模の大型大会に挑むために、わずか1週間でデッキを考え当日挑むまでのプロセスを記録しました。
完全に僕自身がこれ以上遊戯王というものを忘れないように記録を遺しただけにすぎない記事ですが、一応上位賞を獲得できるまでにはなんとか形になりましたので、少しでも参考になれば幸いでございます。
YCSJとは
そもそもYCSJとはどういった大会なのか、普段ポケカの記事を書いている僕ですので、馴染みのない方向けに簡単に説明いたします。(ご存知の方は読み飛ばしてください笑)
YCSJとはYu-Gi-Oh! CHAMPIONSHIP SERIES JAPANの略称で、1つの地に大勢の決闘者が集結し、頂点を決める大会です。
大会形式としては予選が1デュエル制ダブルイリミネーションにて行われ、上位64名が決勝トーナメントに進出、予選からトナメまで1Dayにて1位を決めます。
今回は幕張メッセにて4000名が参加し、予選は8ラウンド開催でした。
そのため予選結果8勝0敗の方と、合計64名の残り人数にて7勝1敗の方のなかでオポネントで上位の方が決勝トーナメントに進出できました。
ちなみに1試合25分、制限時間超えは両者敗北の、休憩なしでの連戦です。
(これがまじでしんどい……)
上位賞
今回のYCSJは予選7ラウンドに進出した人が、上位賞であるスリーブを手に入れることができました。
というのも、これまでは予選を勝ち上がり決勝トーナメントに進出ができなければ、正直7-1で予選敗退をしても、0-2で予選敗退をしても手に入る賞品に変わりはありませんでした。むしろ早めに敗退をしたほうが会場限定の物販コーナーに早く並ぶことができ、そちらのほうが嬉しいまであったのです。
そのため、早々に1敗してしまうと予選完走してもオポネントで敗退してしまう可能性が高く、3回戦以降で自主ドロップをしてしまう人が大量発生し、一方で不戦勝になる(=オポネントが下がってしまう)方も発生してしまうというのが、以前から問題視されていました。
今回のスリーブ配布については、それを防止する策だと思います。
CLでいう「ヒスイバクフーンV」みたいなものですね。
さて全参加者4000名のうち、7ラウンドに進出しこのスリーブを獲得した方は386名でした。
そしてかくいう私自身も、予選7ラウンド目に5-1の戦績で進出を果たし、本景品を獲得することができました!
先述のとおり、私は私情により半年ほど遊戯王を触ることができていませんでした。環境デッキの動きも新規カードの効果も全然アップデートできておらず、本当に浦島太郎状態でした。
ポケモンカードとは異なり、遊戯王は相手のターンにもカードをタイミングをみて投げたりするゲームのため、相手のデッキの動きやカードの効果を事前に把握できているかどうかは非常に大切になります。
そんな遊戯王において、半年間の知識がごっそり抜けているというのは、初心者とレベル感は全く一緒といっても過言ではない状態でした。
ちなみに5月14日に参加をした日本選手権の店舗予選では、1回戦で0-2というボロ負けをしており、いかに自分のレベルが下がっていたのかを嫌というほど痛感していました。
正直試合にすらなっていなかったです。本当にひどかった。
その悔しさもあり、YCSJではせめてまともな試合を行って、勝ち越し(3勝)は最低でもしたいと思い、シティリーグ後の一週間という非常に短い期間ですが、なんとかしようとしました。
環境の変化
前回私がまともに遊戯王をやっていたのは、昨年11月12日に開催されたYCSJ OSAKAでした。
上の画像は有名な自主大会であるネクストプレイ杯の、YCSJ大阪直後である11月26日開催時のデッキ分布です。
YCSJ大阪開催時の環境分布も概ね同じで、『ティアラメンツ』が圧倒的な環境トップ、次点で『クシャトリラ』という状況でした。
私自身の戦績はこのときも今回と同じで5-2(うち1敗は時間切れ両者敗北)でした。使用したデッキは環境トップの『ティアラメンツ』です。
余談ですが、そのさらに1つ前の2022年3月末に開催されたYCSJ横浜では、予選7ラウンドを6勝1敗で終わり、オポネントで決勝トーナメントに上がれず、といった戦績でした。
このような形で、直近2開催のYCSJではそこそこの成績をおさめており、そこそこ遊戯王に精通していたこともご認識いただけるかと思います。
しかし、5月21日のシティリーグを終えた後、環境を把握するために、直近の環境分布を確認した私は愕然とします。
ライトさん(@rai_10y)という方が毎週発表をしてくださっている、CS等での結果を受けてのいわゆるTier表です。
S:『神碑』、『ピュアリィ』
A:『超重アダマシア』、『斬機』
B:『クシャトリラ』、『春化精アダマシア』、『R-ACE』
C:『烙印』『ティアラメンツ』、『VS』
これをみた率直な感想は、「『ピュアリィ』以外全部わからない……」でした。そもそも半分ほどのデッキが、私が遊戯王から離れている半年間で新登場したテーマですし、ほとんどのデッキがこの半年で大きく構築を変えています。
『ピュアリィ』のみが、私自身も握っていた経験があり、かつデッキの軸に大きな変化がなかったデッキになります。
例えば私がYCSJ大阪で握った『ティアラメンツ』も、現在では構築の姿が大きく変わっています。
メインデッキ、エクストラデッキともに各種カードの採用が大きくかわっており、特に目を引くのが展開の軸がシンクロになっているということです。
さらに5月24日と、YCSJの直前に開催をされたネクストプレイ杯での環境分布がこちらです。
「なにこの群雄割拠状態……」
もうこの時点で、非常に多くのデッキタイプが環境で戦える強さを持っていることがわかっており、かつほとんどのデッキタイプの動きが全くわからない状態になってしまっていることに、さらなる絶望を味わってしまいました。
そのため、私が当日までにすることを以下に決定しました。
・環境デッキであり自分が経験しているデッキ『ピュアリィ』を使う
・ひたすら『ピュアリィ』をまわせるようにする
・『ピュアリィ』で環境トップ(TierS,A,B)である『ピュアリィ』『斬機』『R-ACE』を倒せるようにする
ちなみに環境トップテーマである『神碑』については、ある程度割り切りをしました。
というのも『神碑』は永続罠カードで相手の動きを制限しまくり、LOを狙うデッキタイプです。
そのため、時間切れ=両者敗北というYCSJにおいては使用者が減るだろうという予想と、永続罠カードさえ割ることができればそこそこ戦えるだろうと結論づけました。
『クシャトリラ』については「拮抗勝負」に注意することと、先攻での展開を許さないことを意識すればいいということは覚えていたので、練習時間を他のデッキタイプに割くことにします。
『アダマシア』系統については、『超重アダマシア』や『春化精アダマシア』のギミックは全くわかっていませんでしたが、「アダマシア」自体の動きは普段友人がメインに使用していたこともあり理解しておりました。
相手盤面にとにかく岩石族を残さない=すぐに処理することを意識するようにし、同じく練習時間を他のデッキタイプに割くこととしました。
使用デッキの構築を決める
『ピュアリィ』の動きはなんとなく覚えていたので、とりあえずTwitterから適当にデッキを拾ってみました。
サンプルリストとして採用したのは『暗黒界ピュアリィ』と呼ばれる型です。
『ピュアリィ』の基本エンジンである各種「メモリー」カードの手札コストを「暗黒界」カードにすることによって、アドバンテージにつなげるという、純構築に安定性を加えた型になります。
他にも貫通性能を高めた『勇者ピュアリィ』などもあるみたいでしたが、前回の記事にも記載をしたとおりダブルイリミネーション形式のような大型大会で予選を勝ち抜くには安定性が最重要視されるため、今回は『暗黒界ピュアリィ』を採用しました。
※詳しく知りたい方はこちらの記事をぜひご覧ください!
そしてこちらのサンプルレシピについては、全てのカードの使い道が当時の私でもまだ認識できており、使いこなせそうな気もしていたので、こちらのサンプルリストをベースに調整していくことにしました。
(どこのどなたの構築か覚えていませんが、ありがとうございます……!!!)
前日調整
大会前日に同じくYCSJに参加をする友人3名にお付き合いをいただき、デッキ調整会を行いました。調整会という名目でしたが僕にとっては実質リハビリ百本ノックのようなものでした。
3名にそれぞれ『ピュアリィ』ミラー、『斬機』、『R-ACE』でお相手いただき、ひたすら動きの観察とこちらの展開、妨害の考察をすることにしました。以下1日集中調整会を経て気づいた点です。
対『ピュアリィ』
・「ピュアリィ・リリィ」の起動効果(X召喚効果)には、発動時に対象に取った墓地の「メモリー」カードに対して「D.D.クロウ」をぶつけることが非常に強力
・とにかくX召喚による展開や妨害が怖いデッキのため、「グラファ」や「ノアール」などで盤面から下級モンスターを除去することで、X召喚の機会を奪い続けることが効果的である。
・『ピュアリィ』の妨害札である「エクスピュアリィ・ノアール」は、対象耐性を付与することで乗り越えることができるため、こちらのフィールドに「ストレイ・ピュアリィ・ストリート」があるかないかで貫通力に大きな差が生まれる
・下級ピュアリィモンスターには「エピュアリィ・ビューティ」といった1ターン効果無効を当ててあげると、1枚でサーチもX召喚効果も潰すことができコスパが良い
対『斬機』
・展開能力が非常に高いため、簡単には止めることができない
(特に「灰流うらら」はほぼ無力に等しい)
・「サーキュラー」にて「シグマ」が墓地に落とされた直後に「D.D.クロウ」を使い「シグマ」を墓地から除外することで展開が止まる
・「トランス・コード・トーカー」③効果発動時に、「幽鬼うさぎ」や「グラファ」で「トランス・コード・トーカー」を割ることで、高リンクへの展開が止める
・「トランスコード・トーカー」③効果発動時に、「D.D.クロウ」で蘇生対象(大体は「スプラッシュ・メイジ」)を墓地から除外することで、高リンクへの展開が止まる
・「アクセスコード・トーカー」の①効果処理後が最後のチャンス。ここで「ノアール」や「グラファ」などで「アクセスコード・トーカー」を落とさないとワンキルされる。
対『R-ACE』
・「ハイドラント」や「タービュランス」といったメインエンジンのカードは起動効果のため、着地時に「ノアール」や「グラファ」で盤面から除去することで展開を止めることができる。
・「タービュランス」は墓地の「R-ACE」カードを2枚除外することで特殊召喚できるため、相手墓地の「R-ACE」カードを「ノアール」や「D.D.クロウ」で外すことによって、特殊召喚を阻害することができる(優先度低め)
環境に対して有効なカード
短い時間ですが上記3テーマとひたすら戦うことで、相手の展開を妨害するツボがなんとなくわかりました。
特に採用カードの中でも、下記が有力と判断をしました。
・「D.D.クロウ」
今では当たり前となった手札誘発の走りカードです。
今環境の手札誘発のなかで、いつでも強い「増殖するG」「ドロール&ロックバード」の2枚を除けば、最も強力なカードだと感じました。
特に上記環境デッキにおいては、「D.D.クロウ」は全てのデッキに対して有効であり、かつツボを抑えることができると思います。
モンスターカードのみではなく、魔法・罠カードも相手効果に重ねて外すことができるのが、かなり評価が高いです。
サンプルデッキでは2枚の採用でしたが、このカードの撃ちどころと活躍の場は多いと判断し、3枚採用まで広げることにしました。
・「幽鬼うさぎ」
いわゆる誘発娘の走りのカードです。
「灰流うらら」や「屋敷わらし」等と異なる点は、相手が発動したその効果は無効にできないという点がデメリットではありますが、一方でそのカードを破壊することができるのは今環境と相性が良いと感じました。
枠さえあれば3枚採用してもいいけど、「D.D.クロウ」と違って名称ターン1制限をもらっているため2枚採用。
・「ストレイ・ピュアリィ・ストリート」
賛否あるカードだと思います。1枚採用ないしは不採用の構築が多いイメージでした。
ただ、今回はミラーに対する対象耐性付与を評価したのに加え、序盤の再現性を重視した結果2枚採用にしました。
「ピュアリィ・リリィ」の効果をマイフレンドに割くことによって、このカードの素引きに対する価値を高め、「ピュアリィ・スリーピィ・メモリー」を補充することによって、ドローを2枚増やして手札誘発へのアクセスを行うのが、結果的には強力です。
当日のデッキレシピ
サンプルリストとの変更点
メインデッキ:
「暗黒界の術師 スノウ」の3枚目、「三戦の才」を外して、「D.D.クロウ」の3枚目、「ストレイ・ピュアリィ・ストリート」の2枚目を追加
EXデッキ:
「召命の神弓-アポロウーサ」を外して、「森羅の姫芽宮」を追加
「ピュアリィ」 3
「ピュアリィ・リリィ」 2
メインエンジンとなるモンスター。
この子たちがいないとX召喚ができない。
各メモリー魔法でリクルートできるため、なるべく手札に来てほしくないので理想は2枚ずつの採用。
ただ、復帰戦ということもあってリソース管理に自身がなかったため3-2での採用。リリィの方が名称ターン1指定があるため2枚に。
「暗黒界の術師 スノウ」 2
「暗黒界の狩人 ブラウ」 2
「暗黒界の龍神 グラファ」 1
本デッキのサブギミックとなるモンスターたち。
メインエンジンとなるメモリー魔法の共通効果のコストとして支払う手札1枚を暗黒界カードにすることによって、上からサーチ、ドロー、破壊の恩恵を受けることができる。
ブラウの役割は手札補充、グラファの役割は盤面破壊(特に永続魔法・罠)
スノウはそのどちらにもアクセスができる中継という感覚。
よく見る暗黒ピュアリィの構築では3-2-1での採用が多いが、スノウはあくまで中継という感覚であり、スノウでのサーチ先のブラウorグラファの効果を使うには2枚目のメモリーが必要になる。
そのため発動タイミングが1テンポ遅くなってしまうことから2枚に減数。
グラファを発動するタイミングを逆算して、スノウを捨てるためのメモリーを発動するかどうかが練度の分かれ目。
「ドロール&ロックバード」 3
今環境ほぼ全てのデッキに対して有効。
特にピュアリィと超重武者、斬機とティアラメンツあたりに有力な印象。
あくまでこのカードを発動するためのトリガーとなる最初の効果は通してしまっている点と、ボード上のカード枚数ではビハインドをとってしまうことには留意。
「増殖するG」と一緒に手札に来てしまったときに、それぞれを投げるタイミングの見極めが難しい。ここが上手な人は強い。
「D.Dクロウ」 3
先述の通り、今環境においては相手に痛恨の一撃を与えることの多いカード。
特に環境トップの『斬機』相手には強力だが、『神碑』と『クシャトリラ』相手にはあまり輝かない。この2テーマ相手はある程度割り切っていたこともあり、かつ撃ちどころがゼロではないため、結果的には3枚採用してよかったと思っている。
「増殖するG」 3
説明不要の最強誘発カード。
『神碑』『ピュアリィ』対面では乗り越えられがちですが、その他のテーマ相手に対しては圧倒的な抑止力をかけることができます。
実は今回『ピュアリィ』を握った理由には「増殖するG」がそこまで痛くないというのもありました。
少し前までは、スタンバイフェイズに投げることが多かったですが、最近ではまた『ピュアリィ』意識で、特殊召喚効果に重ねて投げることが定石に戻りつつあります。
「幽鬼うさぎ」 2
先述の通り盤面を割ることができるのが強力です。
ただし「センサー万別」のような永続効果のみのカードや、「六世壊=パライゾス」のような発動時に効果処理を行うフィールド魔法、永続魔法・罠には発動ができないので要注意。
「ピュアリィ・マイフレンド」 3
このカードがないと正直始まりません。
サーチ効果もさることながら、Xモンスターが落とされたときにメモリーカードをサルベージして返しにつなげる動きが全てを解決してくれます。
このデッキのコンセプトは、「ノワール」や「グラファ」でボードアドバンテージをとりつつ、返しのターンでワンキルを行うことなので、こちらのリソース不足が致命的のため、その解決の一助を担ってくれるこのカードの価値は非常に大きいです。
「ストレイ・ピュアリィ・ストリート」 2
先述の通りミラーに対しての評価と、先攻時にスリーピィメモリーを補給して誘発を引きに行く動きが強いと感じて2枚採用。
新規カードが実装されることによって評価を上げるポテンシャルを一番秘めているカードだと思っています。
「ピュアリィ・デリシャスメモリー」 3
「ピュアリィ・プリティメモリー」 3
「ピュアリィ・ハッピーメモリー」 3
「ピュアリィ・スリーピィメモリー」 3
当然各種3枚採用。思い出がないとピュアリィは成長しません。
先攻であればスリーピィ、後攻時は相手モンスターを殴りに行くのであればハッピーとデリシャス、直接ワンパンを狙いならデリシャスにアクセスするプランを練っていきましょう。
「ピュアリィープ!?」 1
下級から「エクスピュアリィ・ノアール」にアクセスするための1枚。
「エピュアリィ・ノアール」の実装により、安定性を大きく向上させてくれました。
後述しますが、ここの枚数をもっと上げて良いと感じる1枚です。
「レッド・リブート」 1
どんな罠でも1ターン絶対に発動をさせなくする最強カードです。
今環境では主に「拮抗勝負」「スキルドレイン」「センサー万別」に対して強力に働きます。
このカードがメインに採用されている率が高い現状では、「ラビュリンス」つかいの方たちがちょっとかわいそうです。
「エクスピュアリィ・ノワール」 2
本デッキの肝となる妨害札。正直試合中は1体しか立たないことがほとんどですが、「ディアブロシス」などでエクストラデッキから1枚取り除かれてしまった際のことを考慮して2枚採用
「エクスピュアリィ・ハピネス」 1
相手に対して一撃でキルを取りに行くことのできるカード。
「ピュアリィ・デリシャスメモリー」が2枚あれば計7素材で8200、
3枚あれば計5素材で8500ダメージを出すことができます。
意外とこの計算をミスして打点が足りなかったということはよくあるため、落ち着いて計算をしましょう。
「エピュアリィ・ノアール」 1
このカードの登場により、序盤の安定性を大きく上げることができました。
「リリィ+マイフレンド(orストリート)+任意のメモリー」の3枚で、「5素材エクスピュアリィノアール+4ドロー」になる動きはハッキリ言ってバグです。
「エピュアリィ・ハピネス」 1
攻撃表示の相手モンスターをサンドバックにしてワンキルを取りに行きます。計算方法みたいなのものもありますが、正直暗記する必要はないんじゃないかな。一応ハピネス算をメモしておきます。
「エピュアリィ・ビューティ」 1
無限泡影を構えることのできる1枚です。
ハピネスによるワンキルを成立させるために相手フィールドの守備表示モンスターを攻撃表示に変更させる役割も担っています。
打点が1600と地味に高いのも優秀
「エピュアリィ・プランプ」 2
「エクスピュアリィ・ノアール」「エクスピュアリィ・ハピネス」と大型につなげるための1枚。モンスターを盤面から取り除く効果も強く、対象耐性を持っているモンスターを処理できる数少ない札のため、使い道は広い。
そのため2枚採用に。
「天霆號アーゼウス」 1
「ダウナード・マジシャン」 1
「LL-アセンブリー・ナイチンゲール」 1
アーゼウスギミック用の3枚。各種1枚ずつの採用は外せません。
『クシャトリラ』のような盤面のリソースを剥いでくるようなデッキに対して有効です。
実際にアーゼウスのおかげで勝てた試合は多いです。
「森羅の姫芽宮」1
いるかいらないかでいったら正直いらないカードです。
なるべく出したくはない1枚。
しかし展開が止まってしまったときにつなぎにはなるため保険の採用。
一応相手モンスターが守備のみorがら空きの場合は、アーゼウスにつなげることもできるため、その場合はLLよりも1枚分のアドバンテージを稼いでくれます。
「閃刀姫-アザレア」 1
モンスターに限らず魔法・罠を割ることのできる1枚。
盤面のカードを割るのは「エクスピュアリィ・ノアール」も同様の動きをすることができますが、「No.41 泥睡魔獣バグースカ」や「センサー万別」はこのカードでしか割ることができないため間違いなく採用。
「暗影の闇霊使いダルク」 1
ハッキリ言って余り枠です。アポロウーサを採用していたらまだ使い道がありましたが、今回の構築においては無いに等しいです。
時間がなさすぎて他のカードを探すことができなかったのが本音です。
「サクリファイス・アニマ」1
「センサー万別」の発動下において、「閃刀姫-アザレア」につなげるためのモンスターです。極極稀に相手モンスターを奪うこともあります。
当日のマッチアップ
予選1ラウンド 対『ピュアリィ』
後攻 勝ち
お相手の「ピュアリィ・リリィ」からのX召喚を「D.D.クロウ」で止めることができ、「ピュアリィ」で手札のメモリーを無理矢理使い展開。
4素材「ノアール」で番返し。「スリーピィ」によるドローも0枚に抑える。
「ストリート」を立て、「ノアール」からのピュアリィへの耐性を付与し「プランプ」で「ノアール」を除外。そのまま「ハピネス」につなげてワンキル。ミラーにおける「ストリート」の強さが際立った試合でした。
前日の調整会で「D.D.クロウ」を下級にぶつけるタイミングをみつけることができたのが、大きく勝利に貢献してくれました。
予選2ラウンド 対『斬機』
先攻 勝ち
早々に「ドロール&ロックバード」を撃たれ、「ストリート」+「スリーピィ」2枚の「ちびノアール」で番返し。
ここで「D.D.クロウ」を引き込み、「サーキュラー」後の「シグマ」を除去することによって展開が止まる。返しのターンでワンキル。
前日の調整会で墓地の「シグマ」を除去されることが厳しいことを教えていただいたことによって、「D.D.クロウ」をぶつけるタイミングを掴むことができていたことが輝きました。
予選3ラウンド 対『HERO』
先攻 負け
「HERO」については最近動きを追えていなかったのですが、とにかく展開力が非常に高かったです。「増殖するG」「ドロール&ロックバード」は引き込めず、4素材の「ノアール」で番返し。
2妨害までは構えることができましたが、それでは展開が止まらず。
最終的に「Bloo-D」「デストロイフェニックスガイ」「クロスガイ」「ダークロウ」でワンキルされました。
HEROつかいの方たちのこだわりと練度ってすごいですよね。
全部アジア版の20th・シクで統一されてた。
ここで1敗。崖。
予選4ラウンド 対『クシャトリラ』
先攻 勝ち
先攻1ターン目で6素材「ノアール」「ストリート」「マイフレンド」とかなりの上振れをすることができたのですが、後攻1ターン目でそのまま「拮抗勝負」をもらう。それでも「ノアール」での妨害と2枚目の「マイフレンド」で展開をつなげるも、「ディアブロシス」や「ライズハート」なので徐々にデッキを削られてしまう。
「ピュアリィ」は3枚とも、「ピュアリィ・リリィ」も1枚裏側除外にされてしまい、「ピュアリィープ!?」出戻した「リリィ」1枚でなんとか回し、最終的には6素材「アーゼウス」が耐えてくれてギリギリで勝ち。
残り時間は1分半、残りデッキは2枚、裏側除外カードは30枚を超えていました。
ここで余談ですが、この試合お相手の方が少しでも遅延していたら時間負け両者敗北でした。お相手の方がそんなことはしない良い方だったということが大きいですが、時間切れによる両者敗北を少しでも防ぐために無駄な要素を排除できるよう僕が普段心がけていることをご紹介します。
①お相手への印象を良くしろ
②こちらのプレイはなるべく爆速で
①については、決して試合前に会話をして仲良くなれといいたいわけではないです。もちろんコミュニケーションを取ることも大切ですが、人見知り等で話しかけられることが苦手な方もいらっしゃいます。そんな方に馴れ馴れしく話しかけてしまうと空気の読めないやつになってしまうため、あくまでコミュニケーションは適当な度合いでしましょう。
一方でどんな方がお相手だったとしても、こちらの印象を悪くしないことが大切です。それは試合前の挨拶や、カットをお願いする際の一言、カット後のお礼など。
カードゲームは決して一人で行うゲームではありません。眼の前のお相手の方がいて初めて成り立つゲームであり、お相手も一人の人間ですので好ましい人と嫌いな人では当然振る舞いが変わってきます。
「この人とは真剣勝負をしたいな」と思っていただければ、終盤に時間が迫っている中で、当然最後まで勝ちにこだわるもののどうしても勝ち筋がない場合は、気持ちよく投了をしてくださるでしょう。(遊戯王はルールにて投了は認められていないため、裸で番を返すような動きになります)
一方で、「何この人?できればこんな人とはまともに戦いたくないよ」とおもわれてしまったら、終盤時間が差し迫っている状況下において、遅延からの道連れをされてしまう可能性は大いにあります。
もちろん遅延行為は褒められた行為ではないですしルール違反ですが、ルールギリギリの遅延行為もあれば、一度敗北が決まってから文句を言っても遅かったりします。
すなわちどんなに「遅延はルール違反だ!」と叫んだところで、お相手に不快な思いをさせることによって損をするのは自分です。
そのため至極当たり前のことではありますが、お相手の方に「真剣勝負をしよう」と思っていただけるよう、最大限の敬意を払ってお互い気持ちのよう試合ができるように心がけましょう。
②について、カードゲームはプレイのラリーです。
どんなに何をいったって、お相手のプレイ時間をこちらのさじ加減でコントロールすることはできません。そのため、まずはこちらのプレイ時間で削れるところはとにかく削ることを意識しましょう。
ただし考える時間を捨てたり焦ったりなどゲームに影響を及ぼすような時間の削り方はNGです。それで負けては本末転倒なので。
あくまで自分の中で時間を早めようとする意識を持たせたり、何度も味わっているような場面では決断の型をつけるなど、短くできる部分を意識や練習で短くしていくことを心がけます。
そうすることで時間が差し迫ってきたときに、お相手のなかで無駄な長考に罪悪感を芽生えさせることができ、結果的に時間切れを防ぐことに繋がります。
決してお相手の方に「はやくしてください」と高圧的に捲し立てるのはNGです。むしろ「ムッ」とさせてしまい逆効果となり、いいことはひとつもありません。
お相手の行動や態度が明らかにおかしい(わざと遅延を狙っている)と感じた場合は即座にジャッジを呼んでください。
話が脱線しましたが、第5ラウンドに戻ります。
予選5ラウンド 対『R-ACE』
先攻 勝利
5素材「ノアール」+4ドローで番返し。
前日の調整会で教わったことを活かし、盤面から「ハイドラント」「タービュランス」を除去して展開に繋げないこととをとにかく意識。
「拮抗勝負」を撃たれてしまいましたが、そのときにはお相手の手札もつきており、場に残った「ノアール」と手札からの展開によって、お相手には充分な展開を許さずに勝利できました。
ここまで調整会で学んだことが効きすぎています。
予選6ラウンド 対『クシャトリラ』
勝てば上位賞という試合。力が入ります。
後攻 勝利
お相手若干の事故気味で「フェンリル」+「センサー万別」で番返し。
センサー万別をグラファで落としつつ、フェンリルはビューティで無効化。
(ビューティを出す前の「ピュアリィ」の山札めくり効果処理後にフェンリルの除外効果を宣言してくれなかったことによって突破)
そのまま先行するも2枚目の「センサー万別」を貼られる。
「サクリファイス・アニマ」から、手札から召喚した「幽鬼うさぎ」とあわせてアザレアにつないで除去。
このまま「ハピネス」につないで倒しきりました。
予選7ラウンド 対『召喚魔術+王』
後攻 敗北
予選7ラウンドは、上位賞のスリーブが確定していたからか、皆さんふわふわしていました笑
私のデッキも力尽きたのか、スタートの5枚が
・ピュアリィ・マイフレンド
・暗黒界の術師 スノウ
・暗黒界の術師 スノウ
・暗黒界の狩人 ブラウ
・ドロール&ロックバード
という大渋滞。
お相手の先攻1ターン目にドロール&ロックバードを投げるも、返しのターンのトップがまさかのドロール&ロックバード。
マイフレンドからのスタート狙うも当然メルカバーで落とされ、そのまま負けました爆
大会を終え
というわけで、5勝2敗で7ラウンドドロップをいたしました。
全参加者約4000名のなかで、7ラウンド進出者が386名でしたので、そこそこの結果を出せたのではないかと思います。
ただ正直今回の結果は私の実力というわけではないと思います。
先述の通り私自身ほとんど浦島太郎状態で挑んだYCSJでした。
私を助けてくれたのは前日にリハビリにつきあってくださった友人たちが、環境上位それぞれのデッキのツボを教えてくださり、それを本番に再現できたことが非常に大きいと思います。
付け焼き刃のような状態ではありましたが、直前のおさらいの重要さに気付かされた調整会でした。
構築への反省
実際に大会を終え、構築に対して抱いた所感を書き記して終わろうかと思います。
・クシャトリラギミックの採用
『暗黒ピュアリィ』ではサブギミックとして暗黒界カードを採用していますが、トリガーがメモリーカードに依存してしまっているなと感じました。
そんなかクシャトリラギミックの採用を行うことによって、自発的かつ単体でも仕事をしてくれるのではないかと思い、ぜひとも採用したいと思っています。
出すだけでセンサー万別等の解決や妨害につながるのが強力ですが、グラファと比較した際のデメリットは「スキルドレイン」の解決につながらないということです。
・「ピュアリィープ!?」の採用枚数増
このデッキを使用していて感じたのは「スキルドレイン」「バグースカ」に対しての有効札が少ないことでした。
「勇者ギミック」であれば対応しやすいものの、本デッキでは「グラファ」「アザレア」「レッド・リブート」に限られてしまい手段が少ないと感じます。
「ピュアリィープ!?」の真価は、進化することのみならず退化することにもあります。場の「ノアール」の効果を発動したあとに「ピュアリィープ!?」で退化させることにより、「スキルドレイン」「バグースカ」の干渉範囲外に落とし、効果を通すことができます。
また本デッキはメインモンスターのリソース管理が重要になるため、「ピュアリィープ!?」の複数枚採用によってそれを楽にしてくれること点が優秀です。
・「メモリー」の発動タイミング
「ドロール&ロックバード」ケアにより、ドローフェイズにプレイをすることが多いですが、正直それよりもしっかりとスタンバイフェイズに投げられた「増殖するG」に対して被せてあげる方が強いと感じました。
ただし「ドロール&ロックバード」をもらってしまうと何もできない手札の場合は別です。
・「空牙団の懐剣ドナ」がアザレア枠になる
二枚目のアザレア枠として「空牙団の懐剣ドナ」が優秀と感じました。
「アザレア」と違って「サクリファイス・アニマ」を経由することなく「ドロール&ロックバード」をそのまま素材にできるため、「増殖するG」や「原始生命体ニビル」へのケアとして有力です。
「ピュアリィ」「ピュアリィ・リリィ」2体で出せる「代行者の近衛ムーン」も優秀ですが、「センサー万別」下ではプレイできないため、ドナのほうが優先順位は高そうです。
総括
「ピュアリィ」デッキはメインギミックが優秀なこととデッキコンセプトがしっかりしているため、サブギミックやエクストラデッキのスロットの柔軟性が評価されるデッキと感じていました。
なによりかわいいかわいいピュアリィに、思い出を重ねることで成長をさせるというテーマが非常にエモいですので、あなたもピュアリィ沼にぜひともハマってみてください。