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「旧氏併記で名義変更手続きが楽になる」と期待したけど、そうでもなかった話

前置き

自分の姓が変わることについて、私個人として自分の姓が変わることへの気持ちの面での抵抗は特になく、なんとなく帰属感を得たかったのでやっとくくらいの感じでした。(相手の名字によってはもしかしたら抵抗していたかもw)
ただ、アナログな諸手続きにはとてつもない強い抵抗感がありました。できるだけ楽をして手続きを済ませる方法はないか、当事者になったこの機会にはじめて調べてみました。

さっそく結論ですが、名義変更の諸手続きを楽に終わらせられる方法は
見つかりませんでした!ドーン(2024年私調べ)

なのでこの後に書く内容は実際には役に立たない内容が大半だと思いますが、せっかくなので記録として残しておきたいと思います。

名義変更が必要なサービスの整理

ざっと緊急度高めなサービスをあげてみます。

  • 住民票・戸籍謄本・マイナンバーカード

    • これは入籍届を出してその場で手続してもらえたので楽でした

    • ただし、土日など曜日や時間帯によってはその場で手続きできない場合があるそうです

  • 銀行口座 ×もってるぶん

    • 銀行によって対応方法が異なるため、これが1番面倒でした。Webだけで完結すれば楽だけど、電話したり店舗に行ったり。

    • 追記:別記事にしました

  • クレジットカード ×もってるぶん

    • 引き落とし口座の名義とクレジット名義が違うと引き落としエラーになる可能性があります

    • 基本的に名義変更してもクレジット番号は変わりませんが、楽天銀行カードのようにキャッシュカード一体型タイプの場合は、名義変更するとクレジット番号も変わるため、連携サービスすべて設定しなおす必要があります(三井住友Oliveは番号変わりませんでした)

    • 番号は変わらなくても名義は変わるので、クレジット引き落とし設定しているサービスもすべて名義変更するのが理想ですが、ほとんどの場合名義違いで引き落としエラーになることはないそうなので、後で余裕のあるときに変えるでもいいと思います

  • 証券口座 ×もってるぶん

  • 保険 ×もってるぶん

  • 運転免許証

  • パスポート

    • 旧姓併記できるようになったそうですが、実際現場が対応できていないケースが多々あるそう

    • 直近海外渡航の予定はないのでまだやっていない 😇

  • 口座引き落とししてる各種サービス

    • 家賃や公共料金など

私は個人事業主なので会社とのやりとりはありませんが、勤め先がある方は他にも手続きがあると思います。ちなみに、個人事業主の税務署への手続きは必要ありません。

全部終えるのに丸丸2日くらい潰れたし(何をすればいいか調べたり間があいたことを含めるともっと)、(役所銀行が近所にあっても)10000歩以上歩きました。。
ちょうど時期的に確定申告も被っていたのですが、そちらの方が遥かに楽に感じました\(^o^)/

旧氏併記制度で手続きが楽になることはなかった


『旧氏併記制度』 
をご存知でしょうか?
住民票とマイナンバーカードに旧姓併記ができるという2019年にはじまった新しい制度です。例えば、山田さんが鈴木さんになったら、マイナンバーカードの表記は

鈴木 [山田] 花子

になります。
総務省のページではこのように説明されています。

旧氏を契約など様々な場面で活用することや、就職や職場等での身分証明に資することができるものと考えています。

各種の契約や銀行口座の名義に旧姓が使われる場面で、その証明に使えます。

これを見て、「身分証明できれば名義変更しなくて済むかも?!」という希望を見出しました。
たしかに選択的夫婦別姓について議題があがったとき、政治家さんも、「旧姓で証明できるようにしました!」っておっしゃっていたな。やるやん。

しかし実際やってみて分かったのは、「名義変更手続きを楽にしたい」という目的で利用できる制度ではなかったということです。

旧姓名義で利用できる銀行もあるにはあったのですが、「※ただし、一部のサービスはご利用できません」という但し書き付でした。(例えば、証券取引やペイジー払いは利用できない)AT限定免許みたいなものです。しかも楽天銀行の場合、旧姓口座利用したい場合は、まず新姓へ名義変更した後に、旧姓利用手続きが必要です(思ってたんとちゃう)。旧姓でお勤めをされている方が振込用の口座として使いたいという限定的な用途を想定されているのだと思います。

窓口ではそもそも「旧氏併記?なにそれ?いいから名義変更して!」という対応がデフォで、心が折れそうでした。実際マネーロンダリングのようなセキュリティ上のリスクを考えると、身分証明できるものがあったとしてもなかなか対応が厳しいようです。

マイナンバーカードへの旧氏併記手続き

旧氏併記制度自体に民間への強制力はなく、今のところ役立つ場面には遭遇していないのですが、持っていて損することはないので一応旧氏併記の手続きについても触れておきます。(旧姓で
申請すると、住民票・マイナンバーカードに旧氏が記載されます。

まず、必要なものは

  • 本人確認書類

  • マイナンバーカード

  • 旧氏が記載されている戸籍謄本

です。窓口の方に「旧氏併記にしたいです!」と言ったら(物珍しい顔はされたものの)案内していただけました。
ここで問題なのが、婚姻届が受理されてから戸籍謄本ができるまで、通常 1 週間程の時間がかかるということです。
なので、本来同日に併記手続きは完了できないのだと思います。

ただ私のときは、謎の強大な力を使ってもらえたのか(?)4 時間後に来てくださいと言われ、無事に同日発行までたどり着きました。自治体の職員さんの丁寧な対応にはいつも感謝しかない。。旧氏併記の住民票は直後から発行できるようになったので、その間に銀行の名義変更手続きなどを行いました。

今自治体の Web を確認したら、「ただし、婚姻届と同時に申請する場合は、婚姻届に添付するものとは別に戸籍謄本を 1 通ご用意ください。」と書いてあるので、もしかしたら今は新しい戸籍謄本ができる前に申請できるようになってるかもしれません。詳しくは各自治体にご確認ください。

運転免許証の旧氏表記

住民票に旧氏記載ができたら、運転免許証にも旧氏併記ができるようになります。
マンナンバーカードでもやってるのに何が便利なのかは正直謎ですが、手間は変わらないのでやっておきました。
よかったことは自賠責保険の名義変更をするときに、バイク屋のおじちゃんにドヤ顔ができたことくらいです。

まとめ

名義変更については、聞いてはいたものの実際にやってみると想像以上に面倒でした。このような煩雑なフローが年間約50万人分発生しているであろう事実にびっくりです。(みなさまお疲れ様です)

また、旧氏併記に関する情報が非常に少ないことも気になりました。そもそも名義変更についても、暗黙のグレーゾーンが存在するためか、Web上で必要な情報を見つけることが思いのほか困難でした。

個人的にははやく全ての手続きがマイナンバーと紐づく世の中になってくれないかなあと思う次第でした。


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