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読み終えた瞬間は



歴史が好きなので、読む本は専ら時代小説なのですが、国や時代は拘りないので、割合に幅広く。

しかし2冊連続で日本が舞台の、そして真逆ともいえる世界観を楽しみましたので、記録を。

ただの個人的な記録です、本当に。



「村上海賊の娘」は、
数年前に電車の広告で発見してから、ずっと読みたかったのですが、やっと!


とにかく人物の描き分けが見事で。
会話を垣間見ている内に、その人物達をもう昔からずっと知っているような感覚になり、愛おしく、
心の中でツッコミを入れたり、ニヤニヤしたり、虜でした。

いよいよの合戦は、その臨場感とスピード感たるや。
読み終えた時は、一緒に夜通し戦い、朝を迎えたようでした。

実際、流れを止めたくなくて、夜中まで読み倒しましたので、疲労感たっぷりでした。

「業平」は、
こちらも以前から読みたかった古典の「伊勢物語」を、読みやすい小説にした物がある、ということで飛びつきました。

平安時代特有の時間の流れ方。
ずっとそこに漂っていたいと思う感覚が堪らなくて。

もうとにかく言葉の運びが美しく、声に出してみたくなり、
途中から、黙読した後に音読するという行動を。
音にするとその美しさが直接脳に入ってきて、何度も身悶えました。

側から見たら相当に変な人でしたね。


ページをめくるのが煩わしい程の勢いが楽しい海賊物と、
ページをめくってしまうのがもったいないとさえ感じる程の奥深さがたゆたう、平安貴族物。

こちらが紙上の文字を読んでいるというのは同じなのに、
こんなにも感じる時間や色が違うことに、改めて驚き、感動しました。


恍惚の時です。
物語を読み終えた瞬間は。


因みに物語以外も読みます。
が、読むのが遅いのです。笑

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