【初心者向け】#ぼかれびゅ のススメ【全編無料】

 当記事をご覧頂き感謝申し上げます。ボカロリスナー(VOCALOID Listening Nerd)の苔氏(こけし)と申します。怪しい者ではありません。

当記事はobscure.氏主催の「#ボカロリスナーアドベントカレンダー2022」参加記事になります。
当企画には初参加であり、かつ僕自身noteへの投稿が2回目となる超・ビギナーなので、寛大な評価を頂ければ幸いです。

はじめに

 改めまして、苔氏(こけし)と申します。僕とは一体何者なのか?それは僕のTwitter(@kokeshi_0406)をご覧頂ければ一目瞭然の事と思います。

 僕の属性は言わば"ボカロ全曲チェッカー"であり、主にニコニコ動画上に投稿されたVOCALOID(広義)オリジナル曲に対して、自身の好みに少しでも引っ掛かったものに片っ端から感想を付けてツイートするという、傍から見れば割と酔狂な習慣をかれこれ1年半ほど続けております(純粋な"全曲チェック"歴は間も無く2年を迎えます)。

 このような活動が実を結び♣︎、無色透名祭の機会より始動したニコニコ半公式企画『ぼかれびゅ』の部員として当初からお声掛け頂き、個人のアカウントから発信しているものよりも手のかかったレビュー文を公式Twitterの方より公開させて頂いております。下記ツイートは個人的にお気に入りのぼかれびゅツイートです↓↓↓

 尚、ぼかれびゅはボカコレや投稿祭以外の平時にも常に動き続けております。投稿祭やプロセカの爆発的ヒットといった流れの中で、平時の動画投稿数もここ1、2年で増加傾向にあります(約2年新曲チェックを続ける僕の肌感です)。今、この記事をご覧頂いている間にも生まれ続けている新たな輝きを見逃さない為にも、是非ともフォローよろしくお願い致します!

自分だけのレビューを形にしよう

 さて、宣伝もさせて頂いた所で本編へ。

 最近、ボカロリスナーとして何かと活動を重ねる中で、
「自分の推し曲について言葉で表現するのが難しい」
とのお声を、時にはご相談のような形で頂く機会がございます。僕としては、ボカロリスナー各位がVOCALOIDに対して本当に素敵な感性を持って向き合っている姿を日々観測しておりますので、#ぼかれびゅを通して、是非ともその想いを他リスナーおよびボカロPへと発信して頂きたいのです。

 そこで、本項では、様々なボカロ曲について1年半以上に渡りぼかれびゅを数だけは発信し続けてきた僕苔氏から、
■抵抗なく進められるレビューの書き方
について、自分の持論を元に、段階的にお話していきたいと思います。推し曲について発信したい内容を、ご自身の納得のいく段階まで表現出来る状態を目標に、各々の推し曲を思い浮かべながらご覧頂けると幸いです。

(※あくまでTwitter等の文字数が限られた媒体において、可能な限り表現の幅を広げられるようアプローチしていきます)

①最初の感動を率直に伝える

 皆様がレビューを書きたいと感じる原動力は、その作品に触れたファーストインプレッションにかなり集約されています。楽曲を通じて芽生えた感情や感覚の出処を探求する事は、まさにレビューという行為の核になっていると考えています。まずは皆様の感じた「好き」「最高です」「衝撃を受けた」「白米3杯いける」といった、口から零れたような率直な言葉を発信して頂きたいです。その言葉一つにも、
「○○さんがこの曲に対して特別な感情を抱いた」
という、その言葉を観測した方々に興味を抱かせるのに十分な情報が集約されています。自身の感動を共有する、特別なコミュニケーションの一歩を踏み出して下さい。

②全体的な雰囲気に触れる

 楽曲を一聴した際に感じた雰囲気について、自身のファーストインプレッションを修飾するような形で表現してみて下さい。

例:「"穏やかな気持ちになれて"好き」「"ライブを観ているような盛り上がりが"最高です」「"重力が強まるような"衝撃を受けた」

 そこに表れる言葉には、聴き手の個性、また楽曲を聴く際のシチュエーションが色濃く反映されます。「気分を高めたい」「尖った音楽に出会いたい」「幸せになりたい」「楽して生きていたい」など、様々な需要を持するリスナーにとって、楽曲全体の雰囲気を示す事は、興味・関心を刺激する重要なアプローチとなります。

③特徴的なフレーズに着目する

 よりレビューの内容を充実させる為に、楽曲中の特徴的な要素を具体的に抜き出してみます。例えば、動画上で「ここすき」のようなコメントを残したくなったポイントについて、どのような特徴が自分の感性に引っ掛かったのか、下の項目の中から何か1つに絞って取り上げると、レビューとして言葉にする際にそれほど迷いなく書き出せると思います。

【例】
歌詞:詩的な歌詞が情景を思い起こさせるよう
メロディー:自分の肌に馴染んだ、暖かなメロディー
サウンド:突き抜けたギターの響きに撃ち抜かれる!
調声:サビ前の息を潜めるような声色が素敵
曲展開:アウトロからAメロで〆に入るのがアツい!
動画演出:楽曲との音ハメが爽快
 etc…

 ここでピックアップする内容によって、各人のレビューの個性が際立ってきます。レビューを繰り返す中で、自分自身が歌詞解釈に強いのか、音作りの分析に強いのかというような、得意分野が見えてくると思います。また、楽曲自体のジャンルによっても言語化しやすい項目が異なる為、各楽曲における拘りをより意識的に汲み取るような聴き方が定着してきます。

 以上の3点を意識する事で、楽曲の概要から具体的な特徴まで、限られた文字数の中でまとめ上げられた、メリハリのあるレビューを書きやすくなると思います。僕の普段の聴き方としては、これら①~③の過程の中で想起される感想や言葉を1回の視聴の中で脳内に駆け巡らせているのですが…皆様は是非、特に楽曲に出逢った瞬間のファーストインプレッションを大切に聴かれる事を願っています。

#れびゅれびゅ のお時間

「語彙力が足りない」

 レビューについて話題に挙がった際、必ずと言っていいほど付き纏うこの問題…かく言う僕自身も絶えずレビューを続ける中で、語彙の捻出に時間が掛かる事は多々あります。解決策の1つとして、前項で述べたようなプロセスを踏む事で、自身の語彙をコントロールし、納得のいく表現を見出せるようになると考えています。しかし、これでは根本的な解決とはいきませんので…やはり他の方の#ぼかれびゅを眺めてみる事が、新たな語彙との出会いにも繋がるのではないかと思います。

 既に多くの方々に投稿頂いている#ぼかれびゅからは、楽曲に対する視点や音楽ジャンルに対する知見など、レビューを書く側として学べる事も多いはず。そこで、今回はお二方のレビューを引用させて頂き、誠に勝手ながらそれらの文章について#れびゅれびゅという形で紹介させて頂きたく存じます。

(※今回#れびゅれびゅさせて頂いたお二方には事前に了承頂いております!この場をお借りして感謝申し上げます。)

①推世 / AsLeepさん : 烏有さんのレビュー

 1つ目にご紹介するのは、烏有(@cznth)さんによるレビュー。烏有さんもまたボカロPのお一人であり、主に可不をボーカルに据えて、衝動に満ちたロックを中心に投稿されています。
 こちらのレビューは、本楽曲にオルタナたる熱量を根付かせる変拍子と、その憧憬を揺らす特異性を表すカットアップを強調すると共に、それらのアプローチによって紡ぎ出される慟哭を、『秋の曇天』という言葉に集約させている点が素晴らしいです。
 加えて、楽曲の中に散りばめられた文脈的な要素を、今後本楽曲を受け取る方々に委ねるような絶妙な言葉選びにも、楽曲に対する解像度の高さが現れており、まさに感服の作品です。

②化異物 / 春浅葱さん:ボカロp全員の金玉潰すさんのレビュー

 2つ目にご紹介するのは、ボカロp全員の金玉潰す(@kintama_tsubusu)さんによるレビュー。色々な意味で怪しい様相をされていますが、楽曲の味を引き出す絶妙なレビューを書かれるボカロリスナーです。
 こちらのレビューは、ロック・ピアノを絡めたキャッチーなバンドサウンドの中で、憎しみから生まれた化け物の悲痛さを歌っているという、本楽曲の持つ温度差を的確な描写で表した作品です。
 また、物語の前書きのように、"彼"の顛末を匂わせるような文面で、巧く楽曲の方へ誘導しているのも素敵です。

さいごに:『実践編』

 ここまでご覧頂きありがとうございます。僕自身の考え方、そして実際のレビューにおける拘りに触れた事で、自分の推し曲もぼかれびゅしたい、そう思って頂けたら幸いです。
 僕自身、ぼかれびゅをする事は一種のコミュニケーションだと考えております。#ぼかれびゅという専用のハッシュタグを利用する事で、皆様のレビューは一方通行で無く、コミュニティの一部として目に留まる機会が生まれます。皆様の好きを共有出来る場が生まれ、僕自身もその一部として参加出来るのならば、いちリスナーとしては幸甚です。


 …と、一旦まとめに入った所で、当記事の〆として
■ぼかれびゅ実践編:2022年1選のぼかれびゅを書こう
を、お届けしていきます。
 今回のnoteについて、個人的には今僕自身がレビューを書くにあたってそれとなく意識しているフォーマットを、自分の中で整理する意味も込めて書いた部分が大きいです。そういった訳で、12月も未だ半ばというタイミングではありますが、最後は現状僕が心に留めている2022年のVOCALOID1選について、ここに書ける限りぼかれびゅを綴っていこうと思います。

『かみのふね』/ごーぶすさん

 本楽曲は、マジカルミライ2022で頒布されたコンピレーションアルバム『MAGICAL MIRAI SONG CONTEST CHAMPIONS』収録曲です。
 マジカルミライ2020楽曲コンテストグランプリ作品「まるいうなばら」に続く楽曲として公開された「かみのふね」、僕自身はマジミラ文脈には疎く、当初2曲の繋がりをそれほど意識していなかったのですが、文脈抜きにこの楽曲におけるピアノ&ストリングスの柔らかさと、3拍子に乗せて呟きのように紡ぐ言葉の温もりにあてられて、初見時には自然とボロ泣きしていました…(因みに、今年10月に出演させて頂いたボカクロでも、B,Fさんが流したタイミングでボロ泣きし、その後全てがおしまいになりました。アタイ許せへん)。

不器用な手で出来た紙の船はとても変でさ
部屋の隅にそのまま飾ったまだ海は怖くて
https://www.youtube.com/watch?v=tRzr9nhx5sU
誰かの手で浮かべられた船はとても綺麗で
混ざりたくて海に飛び出した
まだ不安だけどさ
https://www.youtube.com/watch?v=tRzr9nhx5sU

 孤独に埋もれていた小さな世界が、人の温もりを知って少しずつ動き出す。まだ"不安"という暗がりの中でも、僅かに差し込む希望に向かって、最後は自らの力でその『うなばら』を広げていくのです。現代を生きる我々にとって、まさに生命線となるような、無くしてはならないものが携えられた至極のバラードです。是非ともご一聴頂き、皆様のぼかれびゅもお聞かせ願いたく存じます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?