異世界の剣士~とあるオリジナル小説をもとに並行して行われた話~第二話

【初めての村】

美穂の訓練が一段落した頃、彼女はこの広大な森を抜け、初めての人間の集落へ向かう道を見つけた。彼女は剣を腰に吊るし、心地よい緊張感を抱えながら歩を進めた。途中、彼女は小川で水を補給し、食べられる野草を見つけて口にするなど、生存のための知識も少しずつ身につけていた。

村に到着すると、そこは中世ヨーロッパ風の小さな集落だった。木造の家々が立ち並び、村人たちは彼女のような服装をした者を見たことがないかのように、驚いた表情で見つめてきた。美穂は少し緊張しながらも、村の中心部へ向かい、そこで老人と出会った。

「お前は何者だ?こんな格好で森から来るとは…」老人は訝しげに言った。
美穂はその老人に、自分がこの世界に召喚された剣士であること、そして魔物と戦うためにここに来たことを説明した。老人は驚いたが、彼女の持つ剣を見て、信じるしかないと納得した。

村は魔物の襲撃に悩まされており、特に夜になると村の外側に現れる怪物たちが問題だった。村人たちの間では、勇者が現れて救ってくれると噂されていた。

美穂は、村の長老から正式に歓迎され、村の守護者として扱われるようになった。彼女は村の人々から食事や宿を提供され、感謝の意を示された。

村の日常: 美穂は村の生活に触れ、農業や手工業を見学したり、子供たちと遊んだりする時間も過ごした。これにより、彼女は守るべき人々の尊さを再認識し、自分の役割を強く感じた。

村の長老は、美穂に最初の任務を与えた。それは、村の近くにある洞窟から出てくる魔物を倒すことだった。村人たちはその洞窟から出てくる怪物に苦しめられており、美穂の力でそれを取り除くことを期待していた。

美穂は剣を持ち、村人から提供されたランプと食料を持って洞窟へ向かった。洞窟内は暗く、湿度が高く、異様な音が響いていた。彼女は慎重に進み、初めての任務ではあるが、訓練の成果を発揮すべく、気を引き締めた。

洞窟の深部で、彼女は複数の小型魔物と遭遇した。訓練で得た技を駆使し、次々と魔物を倒していく。しかし、洞窟の奥にはさらに大きな魔物が待ち受けていた。それは洞窟の王とも言える巨大な蝙蝠のような怪物だった。

戦いの展開: 美穂は剣の技だけでなく、洞窟の狭い空間を利用した戦術も駆使し、怪物と戦った。最終的に、美穂はその巨大な蝙蝠を倒し、洞窟を解放した。

美穂は傷つきながらも村に戻り、村人たちから英雄として迎えられた。彼女は村の人々から感謝の言葉と、治療のための薬草や食事を提供され、心地よい疲れと共に一夜を過ごした。

この冒険を通じて、美穂は自分がこの世界で何をすべきかをより明確に理解し、村の人々との絆も深めた。次なる冒険は、彼女をさらに広い世界へと導くことだろう。

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