キノの旅の面白さ

先日発売されていたキノの旅の最新刊を読了した。
昔から好きなシリーズだけど、なんで俺はこんなにこのシリーズを読み続けているんだっけってことを言語化するためにも、このシリーズの面白さを記録しておきたい。

初めて読んでからもう23冊目だとか。最初に読んだのは、確か小学校の6年生か中学校の一年生ごろだった気がする。中学一年生の時に友達とキノの旅について会話したことを覚えている。(キノの旅っていう面白い小説があって、っていう話をしたら、たまたまその本がZ会の国語の練習問題で登場していたらしい)

一年に一冊程度のペースで刊行されているこのシリーズ、大人になった今でも楽しく読めている。この本の良さはなんなんだろう。

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一つには、やはり世界観が面白いということがある。
だいたいいつも、主人公が訪れた国は思わぬ欠点を抱えていて、その欠点が噴出する様を読者は主人公の目を通して眺めることになる。その欠点がどのような結末を登場人物にもたらすのか、それを追っていくうちに、ページをめくる手が止まらず、一冊読み終えてしまう。

それから、構成という点でも素晴らしい。
あまり本を読み慣れていない人、子供が集中力を保って小説を読み続けられるということは、幅広い読者を獲得するための一つの鍵であると思う。
その意味で、まず短編集という構成が良い。
次に、短編の中でも軽いものから冒頭に起き、重いものは後ろに置いてあるという構成も良い。
それから、各短編において、上述した訪問先の国の欠点が早々に示される=謎が早期に提示されるというのも良い。いったん謎が提示されてしまえば、そのあと読者はスリルを感じながら本を読み進めることができる。

語りという点も素晴らしい。
この本のナレーションは淡々とした記述にとどめており、また、心理描写が少ない。淡々と出来事を追体験させるような展開になっているが、そのことがまた、上述した世界観を楽しませる。エンターテイメントとして良い。


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