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日記 0707〜0715

0707(日)
 朝、近くの小学校へと投票をしてきた。朝食を食べに、フライパンを見に、浅草まで足を伸ばす。昨日買った新品のスラックスをおろした。同居人は早起きの代償で少し疲労している。
 浅草、雷門すぐ横の定食屋で朝食。メカジキの照焼定食、ネギトロ丼。相席になったお爺さんに話しかけられる。90歳になる浪曲師だそうで、芸名を教えてくれた。浪曲師は食事の殆どを残して、フラフラと立ち上がって出ていった。こちらは他の相席の人が来て暫くしてから食べ終わり、お腹を壊さないように工夫して過ごした。かっぱ橋道具街の道は七夕祭りで、本当に賑やかで(騒がしく)、暑くて、厳しかった。同居人はコーヒーサーバーやドリッパーなどを新調していた。中華鍋を1つ買った。帰り道も照り返しが凄くて、熱いということばかり話した。アイスを買って帰宅して、シャワーを浴びても2時前で、嬉しい休日。
 昼寝の後、新しい中華鍋で同居人が炒飯を作る。これから、料理した後はすぐに、水とたわしで洗う。軽く水気を拭いてから、火にかけて乾かす。最後に油を薄く広げて終わり。炒飯が本当に美味しいもので、同居人は料理人にもなれると思う。あひるの小さい箸置きを浅草で買った。水色のマニキュア、足袋靴下も届いた。夕方前に買い物担当になり、帰っておやつを食べながら、AKAIのキーボードで遊ぶ。かぎ針編みに移る時に、見慣れない色のかぎ針がある。昨日友人Cと7号針を交換したのだったことを思い出す。色々な十字架を作ってみる。
 夕飯、手羽元の辛酢煮、豚汁など。気がついたら眠っていた。

0708(月)
 開票結果のニュース。遠い気持ちになる。夫婦別姓が通れば、すんなり結婚しようと思えそうな人生なのを思い出した。
 退勤して走ったが、電車をほんの10秒ほどの所で乗り遅れた。15分ほど座って待ってホームに電車が入る。立ち上がった時に日傘を落としたのを拾う右手、耳に引っ掛けたマスクをつけようとした左手が滑り、バネのように引っ張られたゴムが緩む力で宙を浮き、電車とホームの隙間に吸い込まれたような気がした。薄桃色の蝶みたいになって消えた。顎にニキビが膨らんでいるのを触る。

0709(火)
 風呂に早く入れると、すぐに眠れた。昨夜は互いの仕事のことを話した。おぼろげに、キラー・クイーンをカバーしたいと言っていたのを思い出した。そういえば昨日の夢は顔が右を向きがちな男と話す夢で、今日は同居人が出てきていたような気がする。よく眠ったので、2つ目の夢では職場の先輩が出てきた。

0710(水)
 起きると、部屋がたいそう涼しくなっている。人や自転車が一斉に横断するのにつられて横断しながら、赤信号だと気付く。この街は、美しいショートカットの女性が沢山いる(出勤の道で2人ほど見かけたから)。
 メールが届く、数年先の異動希望を出しているところの先生から。今年いっぱいはここで働くつもりでいて、そのことを話したはずの所属長からも、今朝には異動の件をよく考えるように言葉をかけられている。気軽な食事会ほど重たいものもないよう。しかし、私のようなものでさえ、一人の社会で働く人間なんだと、突然宙に浮いたような気持ちになる。私は私の人生のために、好きに働くことは良いのだろうかと。
 夜は豚こま小松菜炒飯、和風中華スープ。三穴の陶器のドリッパーでコーヒーを煎れてもらい、プリンジャンボモナカを半分にした。HELLSINGの何話かを眺める。

0711(木)
 明日は半休で、夕方にthe band apartというバンドのライブを観に行く予定にしているので、今日は明日に響かないような仕事をするという勇んだ気持ちである。高田みどりを聴きながら、木琴も鉄琴も、琴ではないのに琴というのは何故かと思う。
 メールを返したい。人と会うこと、人にあげるもののことに、真摯になるために。

0712(金)
 退勤した、14:46ホームで待っている。夕方にはZepp新宿に向う必要がある。身体のことや、消化不良なことで、気分は色々と落ち込んでいるが、今夜本物になるアルバムを聴き返している。このバンドを以前、それも初めて、見たのは大学1年か、2年の頃で、新代田FEVERへと、下北沢から歩いて、高校時代の友人と行ったのだった。高校生の頃には齧りついて聴いていて、真似して作曲したやつが1番聞き返せる程度のものになったので、自画自賛できる。
 空き地がやがて、原っぱになるのが好きなんだと思う。1人でライブに行くのも久しぶりで、少し緊張する。

0713(土)
 昨日、本当に楽しい時間だった。言葉にならなかった、数々の感激。同居人にペラペラと話して、晩酌して、眠った。
 朝、起きると冷たい。隣の工事現場では、高い声で怒っているような人がいて、何を言っているのか分からない。

0714(日)
 昨日は、昼から神保町〜押上で過ごした。夕はナスとズッキーニのレモン炒め、鶏つくね蒸し焼き、しめじと厚揚げの味噌汁を作る。同居人はマグトロユッケ風丼を担当する。夜になって、生活のための生活に、ならないようにしたいことを話した。いくつかの決まり事を決めたいことを話し合った。他の誰かのようにはなれない私達が、私が、生きたい人生は一体。
 教会に向かっている。説教中、意識を手放したりになっていた。青年会の集まりで、牧師先生の語りについて批評の場になっていたのが新鮮だった。お世話になった方が天に召されたことを聞いていたので、教会の中にいるうちは、緊張した、神妙な、気持ちだった。それなのに、瞼は重たい自分が恐ろしい。その方は、いつも温かく話しかけてくれた、微笑みが優しかった。私の成長を、見守ってくれていた。
 母と話合うと疲れるけれど、今日も今日として新しい言葉を話し合えたのは良かった。しかし、自分勝手だったとも思う。こちらの最寄り駅まで、1時間半ほど、母はその一駅向こうで仕事のために、帰路はほぼ一緒だった。
 同居人が、家のことを細々とやってくれていた。夕飯は近所の中華からテイクアウト、酒屋でクラフトビールを買った。少し喋って食べて、後は好きな時間を過ごした。スマイリーを探して、をカバーしてみてsoundcloudに上げた。同居人は、次回作のプロットを書き出していた。
 昨日、一昨日、何をやっていたのか思い出せない。いつも振り返ると、今日よりも昔のことが、今日のことであっても今朝から昼が、ひどく遠くに感じる。この数日、躁気味に、隙間なく考えたり手を動かしたりと、忙しなすぎたのだろうか。

0715(月)
 朝はレタス菜、サラミ、3種のチーズをサンドイッチ、ハニートースト。コーヒーを淹れてもらった。刺繍を久しぶりにした。編み物と違って、非可逆的なところがある。布に穴が空いて、糸は複雑に出入りする。刺繍の糸を布から解く時は、縫う時と同じくらい時間が掛かる。編み物は、一瞬で解けるのに。昼は蕎麦屋まで行ったが、既に客が5、6組は待っていたので、諦めてコンビニで麺類を買う。塩っぱい昼ご飯を食べてから、昼寝をする。夕までまた刺繍をして、生春巻きを作る。同居人は具だくさんのつゆと、ざる蕎麦担当。すっかりと食べた。感情が穏やかに戻ってきたような気がする日だった。しばらく飲んでいた薬を止めてみようと思う。

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