![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26444109/rectangle_large_type_2_7a93dd986ae70588b02257a5071a033c.jpg?width=1200)
finaleを使った楽譜浄書の個人的やりかた (1/3) 準備編
せっかくnoteのアカウントを作ったので何か書いてみよう。そう思いましたので、あまり他の人が書いていなさそうな、すなわち需要がなさそうなテーマ…楽譜浄書の個人的なやりかたを書いてみることにします。
楽譜づくりはいくつか原則があるものの、楽典のように確定した決まりで割り切れない部分も多くありますから、今回は私の個人的なやり方の紹介になります。
サンプル曲
シューマンのトロイメライの楽譜を作ってみます。ごちゃごちゃと込み入っているので、浄書的にはなかなか手ごわい一品であります。
この曲は楽譜の版によってけっこう内容が違いますけれど、今回は初版(↓)をそのまま写します。古いクラシック曲なのでもちろん著作権は切れています。
あとの作業がやりやすくなるので、元になる楽譜に小節番号が書かれていない場合は↑のように小節番号を書き込んでおきます。
使用ソフト
タイトルにも書いていますが、浄書用ソフトとしてはよく使われるfinaleで楽譜を作る手順を書いていきます。
楽譜を作るソフトは色々と出ていまして、有名所では finale、Sibelius、Dorico、無料だと Musescore などがありますが、何を使うかはそれぞれ求めるものや好みに応じて選択すればいいと思います。
ファイルの準備
まずファイルの準備をします。
私の場合、テンプレートは既存の曲のファイルをコピーして使い回します。各種設定やマクロ、ショートカットなどを完全に引き継ぐためです。
「準備編」でやることは次のとおりです。
・内容の消去
・タイトルなどのテキストを書き換え
・レイアウトや五線の設定
・編成の設定
・小節の追加
内容の消去
ファイルを開いたら前の曲が残っているので、中身をぜんぶ消します。選択ツールで全選択してBackspaceキーを押して中身を全消しし、さらにDeleteキーで小節そのものも消してしまいます。
タイトルなどのテキストを書き換え
中身をすべて消去したらタイトルや作曲者名などのテキストも書き換えましょう。今回はタイトルがTräumerei、作曲者はR.Schumannとしておきます。
レイアウトや五線の設定
必要があれば用紙サイズや余白、五線の幅などレイアウトの設定もします。今回は国産ピアノ譜としてポピュラーな菊倍版(304mm×227mm)で、五線の幅は7mmにします。
なおA4版(297mm×210mm)の場合は横幅が狭いので、楽譜の密度によっては6.5mm五線などすこし細めの五線にするのも実用的な選択肢です。ものによっては7mm五線でむりやり詰め込んだものより読みやすいと思います。
編成の設定
楽器編成などの設定もここでやっておきます。今回はピアノだけです。
ここまででファイルの中身はスッカラカンになりまして、新しい曲を入力していく準備が整いました。
小節の追加
全部消した状態ではなにもないので、小節を追加します。ctrlキーを押しながら小節ツールのアイコンをクリックするとスムーズです。今回はアウフタクトも含めて25小節とわかっているのでそうします。
小節数はあとで増やしたり減らしたりできるので、追加する数はざっくりでもかまいません。
以上で準備はOKです。次回の入力編で音符や記号などの要素を入力していきます。
★次回 → finaleを使った楽譜浄書の個人的やりかた (2/3) 入力編