初めて飛行機に乗った話 ④
手荷物を預ける
帰りの飛行機ではお土産を買った分荷物が増えています。重量は超過していませんが荷物が2つになってしまったので預けることにしました。当然人生で初めての荷物の預け入れです。うわぁどうすんだこれ…と思ってたら手荷物の重量を測ってその場で預けますか?と訊かれました。なんて親切…!普通のファスナー付きエコバックだったので大丈夫かな?と思ったらあっさり預かってもらえました。少なくとも今回は鞄の頑丈さよりも重量が大事なようです。荷物と引き換える用の手書きの札を貰いました。
それから保安検査。またトレーに金属物やら何やらを載せてパン屋さんの会計方式で待ちます。そういえばペットボトルのお茶は何か機械のようなもので測定をしているようでした。
搭乗待合室でまた救命胴衣付け方を聞きながら待ち、それからまたみんなで歩いて飛行機に向かいます。ドルニエ君が待機中の家電のような声で鳴きながらやる気を表明していました。
再び離陸
帰りのドルニエ君は行きとは違う個体のようです。お名前はJA34CA。朝乗ったJA33CA君はプロペラの枚数が4枚でしたが、この子はプロペラの枚数が5枚。内装の色も少し違います。
しかし名前を呼ばれて順番に搭乗するのも、扉を開ければ小さなタラップになるのも一緒。そして離陸までのお作法も一緒です。私の座席も似たような右側後方に配置されました。
ブーーーーーーーーン
プロペラが回り始め、ドルニエ君のやる気がエンジンと共に高まっていきます。僕はやるぞ僕はやるぞ僕はやるぞ。
グオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
ドルニエ君のやる気が最高潮に達すると猛加速。空気を上手に捕まえて離陸しました。羽伏浦海岸を見ながら次はあそこに行こうかなあと考えているうちに窓の外に見えていたドルニエ君の脚が早々に仕舞われます。ばちん!と音がしてカバーが閉じました。
船達を見下ろしながら
そういえばさっき見送ったさるびあ丸はどこでしょう。あちらが竹芝に到着するより先にドルニエ君が調布に到着することになっているので、見えるかは別としてどこかで追い抜くはずです。海の上の船たちを眺めながら探していると不自然に長い航跡を引いた小さな船を発見!出た!伊豆諸島のカラフル暴走族!!ジェットフォイル!!
スピードも、派手な航跡も見事に不自然。船なのに飛んでますからね。
普段は洋上で異様に速い彼等を抜かすことはありませんが、今回は別です。ジェットフォイルをぶっちぎったドルニエ君は調布を目指して突き進みます。
またしばらく海と船を眺めていると大きな陸地を通過。伊豆大島です。行きとは反対側の風景、島の大部分を空から眺めることができました。やはり一番目立つのは三原山と裏砂漠!新島の白とは対照的な黒い地面が島の中央付近を覆っています。裏砂漠から三原山エリアは上空から見るとほとんど単色に見えますが、明日葉など強い草は生えているとも聞きました。今後少しずつ砂漠から草原、そして森へと遷移していくのかもしれません。
伊豆大島を過ぎていよいよ東京湾の入口、三浦半島が見えてきました。その少し手前には大きなONEの貨物船がいます。可愛らしいピンクの塗装に、逞しく担いだたくさんのコンテナ!大きな航跡を引きながら堂々と進む姿は威厳すら感じます。三浦半島越しには浦賀水道が見えました。沢山の船がひしめき合っている海の混雑地帯です。その船の多くは東京湾をで出入りする方向に航行していますが、横断している船を発見。東京湾フェリーです。お手軽に船旅が楽しめるお気に入りの船なのですが…いや大変なとこ横断してるなぁ…1日に一体何隻の船を避けているんでしょう。
ドルニエ君は逗子のあたりから本土に上陸。横浜ランドマークタワーが見え、その少し内陸側に異様に速く移動する異様に長い白い線を発見!東海道新幹線です。地上に見える交通機関の中では群を抜いた速度でスルスルと走っていきます。そういえば東海道新幹線も乗ったことがありません。いつか乗ってみたいなあ。
トビウオの帰還
それから中央線たちに空からただいまの挨拶をして、ドルニエ君はいよいよ着陸態勢に入ります。畳んでいた脚をバチンと出して、飛行場に狙いを定めてぐるりと旋回。ぐんぐん高度を下げていきます。
ドンッ ぐおおおおおおおおおおおおおおお!!
着陸すると早々に滑走路を離れるドルニエ君。そこにもう一匹別のドルニエ君が着陸!忙しい…!
ドルニエ君が落ち着いた頃、また小さな扉のタラップから降りました。今日の仕事を終えたドルニエ君に別れを告げ、そのまま歩いて建物に向かいます。カウンター越しに荷物を受け取りました。
荷物を受け取って待合室に行くと外のバス停にバスが停まっているのが見えます。おお!?ナイスタイミング。ちょっと急いでバスに乗りました。
そんなわけで初めて飛行機に乗った話はおしまいです。事前に忠告されてたような怖さもあまりなく…というか全て『飛行機ってこんな感じなんだなぁ』と思いながら楽しんできました。
…飛行機ヘビーユーザーの皆さんの「普通はちょっと違うんだよなぁ…」という言葉が聞こえたような気もしますが、しばらく聞こえないふりでもしておこうかな。
初めて飛行機に乗った話 〜完〜