大学院生コーチが再び選手を志した理由〜この街の人たちと共に、この街から〜
お久しぶりです。
2022年3月25日に筑波大学大学院、博士前期課程を修了し、この4月から富山県氷見市にて新しい生活を送っています。
プレスリリースがあったように、2024年度から始まるハンドボールプロリーグ参入を目指してここ氷見から発足された「富山ドリームス」の一員として、活動しております。
なぜまた選手を?
大学院では「コーチ」をしていた私ですが、再び選手を志した理由はいくつかあります。
1つ目:可能性を感じたから
4年間の学群時代を終えた後、10ヶ月の留学中に選手としてプレーしたわけですが、そこで自分が上手くなっているという感覚を覚えました。
松やに+体育館という最高の環境でプレーしていたということと、デンマーク流のトレーニングを通して、ハンドボールが如何にして上手くなっていくのかを肌で感じたのです。
留学から帰った後は筑波大のコーチをする、ということは始めから決めていたことだったのですぐに選手!とはならなかったのですが、コーチをしながらでもプレーできる環境を密かに探していました。
2つ目:同期の存在
現在ハンガリー1部リーグKecskemétに所属する彼はコーチをしながら選手をしているなかなかパワフルな選手です、現在は博士後期課程にも進学しており、ハンドボールをさまざまな観点から見る事ができる数少ない人材になると思います。
彼の存在は、僕の決断の後押しになっています。
3つ目:アスリートの成長曲線は一直線じゃない
私含めて多くの方のトップアスリートのイメージは小さい頃からスーパースター。そんな選手が一流の環境と一流の努力を積み重ねて成っていくものだと。
その考え方は間違いないと思います。
ただ、その他にもトップアスリートへの成長曲線はさまざま存在し、時にプラトーな状態や、落ち込んでしまう時期、情熱を失う時期、一度現役を退く時期があってもいいんじゃないかと思っています。
そのように思ったきっかけもまたいくつかありますが、筑波大の今年の卒業生である鈴木雄大の卒業ブログにそのヒントが言葉として表現されていました。
彼は高校時代無名ながらも筑波大ハンド部に入り、4年間の努力で着実に実力をつけ、今では日本リーグで活躍できる選手になりました。
貼っておくのでぜひ読んでみてください。特に中高生にはぜひ読んでもらって、感想を聞いてみたいと思います。
要するに、いろんなところで寄り道をしている僕がトップ選手として活躍する事ができたならば、想像している以上の多くの人に競技者としてプレーする勇気を感じてもらえるのではないか、いや、感じて欲しい。という気持ちがあるのです。
ハンドボールの街『氷見』で私が、チームが何をする?
私が氷見に住み始めるにあたって、市役所に手続きを行いにいきました。
すると
ちょうど氷見市で開催されていた「春の全国中学生ハンドボール選手権大会」の開催通知板が出ており、
役場の中心のテレビ画面にはハンドボールの中継が!
職員さんたちは仕事の合間に試合結果をチラリ、地元氷見十三中学校が決勝戦に進んだかどうかを気にされていたようです。
この光景を目にしたとき、改めてこの街に根付いたハンドボールに対する想いは私が想像していた以上に大きく、これから私たちはこの街の方達から応援してもらえるような選手に、またチームになっていかなければいけない、なりたい!そう思いました。
ここに出ているベンチだけじゃ人数が足りず、もっと大きな会場で大勢の方々が視線を注ぐ中でいつか私たちの試合が放送される。そんな空間を生み出したい。
そう強く思いました。
地域の皆さんと一緒にハンドボールをプレーしたい
私自身、氷見市に生活拠点を置いているため、氷見の方達との交流を深めたいと思っています。公式には何も決まっていませんが、個人的には公開練習をしたり、その後一緒に食事をしたり、ハンドボール体験教室を開いたり、ハンドボールに限らず多くの接点を持てるイベントを開ければいいなと思っています。
そして、ゆくゆくはハンドボールがそれほど活発ではない富山県内の地域の皆さんにも私たちの活動を通して理念や想いに共感していただける機会を作りたい。選手のパーソナリティが間近に感じられる機会を作りたい。そう思っています。
この富山県からハンドボールの魅力を、そして地域の魅力を全国に発信していくことで、より多くの方にこの地域の魅力を感じてもらい、人不足の課題解決に繋がるような活動もしていきたいと思っています。
まだチームのSNS運用が整っておらず、具体的な活動内容を報告できていない状況です。今後、拡充していく予定なのでそのタイミングになれば皆さんに告知したいと思います。
最後に
プロリーグ構想が発表されたことで楽しみな反面、不安なことも多いと思います。
正直、私はビジネスのことはからっきし分かりませんし、発表される情報について良し悪しを言えるほど、自分の中に価値基準を備えきれていません。
ただいつも思うことは、現在ハンドボールに関わっている方のほとんどは、腹の底ではハンドボールに魅力を感じていて、ダイナミックなプレーを見るのが大好きで、もっとハンドボールを取り巻く環境が改善されることは心の底から願っている同士だということです。
未来のハンドボーラーに最高の環境をプレゼントする。
そのために今を生きてもいいのではないか、そう思っているところです。
これからの富山ドリームスの活動にぜひご注目ください!!!