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愛してるからハグする?ハグするから愛してる?
愛ってなんなんでしょうねぇ。
以前付き合っていた彼女と別れたとき、「俺には人を愛する能力が絶望的に欠けているんじゃないか」と思って、けっこう落ち込んだことがありました。
エーリッヒ・フロムさんは名著『愛するということ』のなかで、「愛とは技術やで。ガチで頑張んないと愛する技術は身につかないんやで」って言っています(関西弁ではないですが)。その本をずっと前に読んでいた僕は、フラれて落ち込んだことをきっかけに「これはいっちょ気合い入れて、愛するという技術を探求しよう!」と思ったというわけ。
(ちなみに、「愛の技術」といってもどうしたらモテるか、といった方法論じゃないです。フロムさんも「それはちゃうで」と言っています。詳しくはぜひ『愛するということ』を読んでみてください。)
それで、仲間とヒカリエで開催している生き方見本市TOKYOっていうイベントで、「愛し方」をテーマにセッションを担当させていただいたり、「愛」についての本を読んだり、焚き火を囲んで愛を語るというわけのわからん会を開いたりしてきました。
「愛」についての探求は今も続いています。正直答えなんてないけど、だからこそおもしろいのです。
最近思っているのは、人が「愛」っていう言葉で語るものは、
「状態としての愛(あなたが愛おしい!という気持ちを持っている)」
「行為としての愛(相手に対してなにかを与える)」
「関係性としての愛(相手と親密なつながりを持っている)」
の3つのレイヤーがあるんじゃないかな、と。
これをごっちゃにしていると、「愛」について語ろうとしてもなんか話が噛み合わないんですよね。
なんて思っていたら、CRAZYさんの新拠点「IWAI」(超素敵な空間です)で開催された『3倍のパフォーマンスを実現するフロー状態 魔法の集中術』の著者、世羅侑未さんを囲んだトークイベント(なんと朝7:30から開催!)で新しい視点をいただくことができました。
僕の解釈ですが、世羅さんは、人に限らず、仕事や物事といった対象に没入(集中)する、ポジティブ心理学的に言えばフロー状態に入ることを、広い意味での「愛」と呼んでいました(違ってたらスミマセン)。
で、面白かったのは世羅さんが冒頭でお話ししてくださった、「フロー=対象に没入してる=愛してる」状態があるから「愛する」という行動が生まれる、というよりも、「愛する」という行動から「愛してる」状態が生まれ、また「愛する」行動につながるっていうサイクルがまわる、って話。
先ほどの3つのレイヤーと照らし合わせると、「行動としての愛」を実践することによって「状態としての愛」が生まれ、そこから「関係としての愛」が育まれ、「行動としての愛」に還っていく…というサイクルです。
ポイントは、行動によって状態を変えることができるということ。
というのも、「状態としての愛」は自らなろうと思ってもなかなかなれるものじゃない。自分の感情はそう簡単にコントロールできません。
でも、行動なら比較的簡単に変えることができる。たとえば、パートナーに「愛してる」と言うとか、めっちゃハグするとか。そうした行動は、「状態としての愛」があるからするという以上に、そうすることによって「状態としての愛」を生み出すんじゃないかと、僕の周りの仲睦まじいカップルや夫婦を見ていると思いますし、僕自身もそうだなぁと思う。
世羅さんは、フローという超集中して最高に生産性の高い状態への入り方を本で紹介しています(とても実践に活かしやすい内容で、フローの概念は知りつつどう日常に落とし込むかで悩んでいた僕としては、とても参考になる本でした)。
ある意味「誰かを愛している」という状態も、フローの状態なのではないでしょうか。だとしたら、フロムの言った「愛の技術」にも、世羅さんが提案するフローへの入り方(集中の仕方)は応用できそうです。
ちなみに愛のフロー状態の極値は林家ペー&パー子さんなんじゃないかと思いますが、どうなんでしょう。
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