グリーンズは灯台だよね
「グリーンズは灯台だよね」
という言葉が、その場から出てきた。
グリーンズが始めた採用支援事業、「グリーンズジョブ(当時はグリーンズ求人)」について、読者からヒアリングする会をひらいたときのことだ。
僕がいったような気もするし、誰かがいったような気もする。今となってはわからないのだけれど、僕はやけに「グリーンズは灯台」というたとえがしっくりきたので、今でもこの言葉をよく覚えている。
「灯台」って、どんな存在だろう。
その歴史をしらべてみると、「岬や島の上に石などで塔を建てて、たき火をしたり、煙をあげたりして、舟の目標とすることを考え出した」のがはじまりらしい。
今みたいにGPSがない時代、航海のみちしるべとしたのが灯台だった。まっくらな海のなか、とおくかなたにポツンと光る灯りを見つけたときの、航海者の安堵感はとんでもないものだったはず。そして、たどり着いた灯台のもとで酒をくみかわすこともあったんじゃないだろうか。
つまり、灯台は道標となり、安心のよりどころとなり、人がつながる場所になる。
僕にとってグリーンズは、そんな灯台のような場所だ。
所属していた会社で、社会課題解決とじぶんのやりがいの両立に悩んでいたころ。greenz.jpを読むことで、楽しそうに、すてきな未来をつくっている人々の姿に触れたことは、自分のゆく先を示してくれたようで希望だった。
フリーランスとなってすぐ、現代表の植原正太郎(当時はスタッフだった)から声をかけてもらって、グリーンズ求人の事業に関わることになり、いち読者だった自分がグリーンズの仲間になった。独立してやっていく、ということは簡単ではなく、お金や人との付き合いで悩むこともあったが、不思議とグリーンズの打ち合わせはたのしみにしている自分がいた。グリーンズのみんなと話していると、自分がありのままの自分として、受け止めてもらえているような気がした。
そして、グリーンズの仲間を始め、取材で出会った方、イベントで出会った方など、今の僕のまわりにいて、支えてくれている人たちは、その多くがグリーンズの活動の中で出会った人たちだ。
そんなふうに、グリーンズとかかわることで、どんどん自分らしくなっていった気がする。グリーンズっぽくいうと、自分がいかされていると思えるようになった気がする。
そう考えると、グリーンズという灯台がさししめしているのは、「一人ひとりがいかしあって生きること」なんだなぁ、ということを実感する。
そして、よく考えたら自分もその一員として、誰かにとっての灯台になっているっていうことか! そうかんがえると、なんだか誇らしい気持ちも湧いてくる。すてきな灯台の灯台守をやってるんだぜ、と、ちょっと自慢したくなる。
と、同時に、その責任も感じる。灯台がまちがった方向を示してしまったらどうなるだろう。航海者たちがやばい。みんな遭難してしまう。そうならないために、よき方向をさししめし続けられるよう、「なんかいい感じのことをやってる」じゃなくて、すこやかな問いを持って、ちゃんと探究を続けていきたい(僕の場合はかぞくというテーマで)。
探究は孤独な作業になってしまうと、続かないと思うので、グリーンズのみんなと一緒に探究を続けていけたらな、と思います。よき灯台であり続けるためにも。