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テニスのプロに打ち方を聞いてはダメなんだよ、きっと。

やっぱり、「プロのレッスン」とか「プロが開催するイベント」とかに行きたくなる。

僕もできれば、実績のあるプロに、ダメでも現役時代にそこそこ日本ランキングで行った人に教えてもらいたいと思っていた。

それで実際、教わってみたり、打ち合ってもらったりした。

でも、色々そこを通ってきて、よく考えれば、プロに打ち方を聞いてはいけないんだよね、ということを実感した。


そもそもプロはどういう人間か?

プロになるような人って、どういう人間か?と考えてみれば、

  1. 幼少期にテニスを始め

  2. そこで頭角を表し、

  3. 学生時代もインターハイの上位に入り、

  4. 結果が見込めるので、プロに進むことを決意する

  5. そして、周りからは常に「すごい!すごい!」と言われてきた

というような人。

僕のような「あれっ、サーブって、どうやって打つんだっけ?」というような疑問を持つような才能のない人はいないし、試合の連続でそんな暇はないし、ほぼ毎日練習できる環境にあるから、なにか躓いても、コーチも練習環境も整っているので、すぐに改善するよう練習することができる。

だから、プロに「フォアはどうやって打っていますか?」なんていう質問をYoutubeなどでしているのを見かけるけど、だいたい、

「あー、あまり意識していませんね。」とかや、
「体重を前に移動する」とかの「自分が気をつけているワンポイント」だけしか出てこなかったりする。

そりゃ、幼少期に身につけ、毎日テニスをしていれば、「フォアの打ち方教えて」なんてならないだろう。

幼少期に苦も無く身につけたことを、「教えて」と言われても、困ってしまうだろう。

だから、プロに打ち方を聞いても、

「えっ、あなたが、どこにつまづいているのか、分からない」

というような状態になる。

「分からないことが分からない」から、「もっと足を動かせ」とか「下半身」とか、そういったアドバイスになったりし、それを心がけたオジサンの僕らが怪我をしたりする。

選手として実績を残した人は、それだけでコーチをしている人もいる。
そういう人は、僕らの「おじさんおばさんテニス」について理解をできないだろうし、してくれようともしないから、レッスンを受けても意味がなかったり、逆に害になったりする。

ずっとジュニア時代からそういうふうに育ったからか分からないけど、アドバイスを求めると、自分だけにしか通用しないことに固執したり、答えられないことには、すぐに怒ったりする人もいる。

まあ、プロになる人というのは、周りからずっと「すごいねー」と言われてきた人ばかり。
だから、「お金をもらってレッスンをしている」ということが分かっていないような人も多い。

そうではなく、「ちゃんとレッスンをしよう」という元プロもいる。
ただ、そういう人は、「分からない人たちのことを類推しながらレッスンをする」ことになるので、ちょっとズレていたりする。

僕もずっと「自分より弱い人に教わりたくない」と思っていたけど、今となっては、「コーチ」と「選手」はまったく別物なんだな・・・とやっと理解した。

プロのレッスンが役立つこと

とはいえ、僕がプロのレッスンに行って、役立ったことはいくつもある。

プロの球を体験できる

プロの球を最初に受けた時、びっくりした。

アマチュアの強い人のボールのもっと強いバージョンかな・・・と思っていたら、ちょっと異質だった。

ボールの伸びがすごいというか、ある地点からある地点までワープしているような錯覚を受けてしまった。

特に、ボレーのとき、「ああ、一応、早めに準備しておくか」と面を用意していたら、ボールがワープして、準備したと同時に当たる・・・なんてことに衝撃を受けた。

これを経験できるだけでも、高いレッスン代を払う価値はあったと思う。

だけど、疲れるからか、「どうせ取れないだろ」と思うからか、プロって、少ししか、そういう球を打ってくれないんだよね。

試合でどうするか?については、ものすごく役立つ

試合前アップでどうするか?
試合中、こういうときはどうするか?
などについては、逆に驚くほど、知識が豊富。

どこに、どんなショットを打ち、
ポイントごとにどんなプレーをすべきか、
などなど、「へえー」と思うことばかり。

こういうことを聞くべきなんだよね、きっと。


僕が出会うテニス仲間の中に、すごくテニスに熱心で、スクールにも週何回も通っていて、

「今、教わっているコーチは、選手時代の実績がすごかったから」

とイキイキと話している人が何人もいた。

だけど、そのほとんどが、しばらくすると、

「元からできる人は、できない人のことがわからないんだよ」

といって、去っていく。

今、テニス人口が減り始めているらしく、テニススクールも厳しいと聞くけど、こういうところをケアしてあげれば違うんじゃないかなと思ったりする。

まあ、でも、誰でも最初は「強い人、強かった人に教わりたい」と思っているだろうから、無理だろうなあ。



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