那須川天心vs上田竜也、重岡大毅、オードリー春日のボクシング対決
東京ドーム超満員、PPV50万件、興行収益50憶円以上を叩き出した「THE MATCH 2022」世紀の決戦、那須川天心vs武尊から2か月。
無敗を守った「神童」那須川天心が復帰戦の舞台に選んだのは、なんとTBS系「炎の体育会TV」のボクシング対決でした。
偶然、番組の告知で見た時はあまりに意外すぎて声が出ましたけど、彼のこれまでの軌跡をたどると「誰もやったことのない挑戦なら、必ず『ヤル!』」(これはヴァンダレイ・シウバか)の連続。そう考えると、天心らしいといえば天心らしい選択でした。
KATU-TUNの上田竜也さんはボクシングジムに通っていることが有名ですし、ジャニーズWESTの重岡大毅さんは格闘技歴7年という。ちゃんと経験者を選ぶところが体育会TVらしいです。
(自分でも経験がありますが、実際にやってみると2分間は長いです。素人だと「最初の1分間でスタミナ切れして、後半の1分間は地獄」と言われます。上田さんと重岡さんがしっかりと2分2ラウンド、天心相手にパンチを打ってクリーンヒットを奪いにいったのはさすがです)
ルールは「天心の顔面に3発クリーンヒットさせたらジャニーズチームの勝ち」「天心は利き手の左は使えずに右手のみ」で1人に与えられるのは2分×2R。天心は計4Rを戦う。
結果は、重岡さんが1Rに1つクリーンヒットを奪い、これでギアを上げた天心が残り3Rは完封。さらに「泣きの延長戦」で、番組のラストに1分ずつ、オードリー春日、重岡さん、上田さんで1分ずつ、3分間の延長をしたものの、ここでもクリーンヒットなし。
体格が大きく体重も重く、売れる前にK-1モンスターチャレンジに参加してK-1ファイターノブ・ハヤシさんから直々に指導を受けて、K-1の試合をした経験もある春日さんに対しては、さすがの天心も「まずい」と思ったのか、封印したはずの左まで使って倒したのは笑ってしまった。
アドリブ力が凄いな、さすがバラエティー慣れしてるな、と。
しかし、このボクシング対決、日頃からトレーニングしている重岡さんと上田さんが懸命に食い下がったことで「ガチのボクサー・那須川天心」が見られて、とても興味深かったです。
最初のラウンドで重岡さんが1発クリーンヒット(2発目は審議の末に取り消しでしたが、当たってはいました)を奪ったことで、天心は「ノーガードで、ボディワークとステップワークですべてのパンチをかわそう」という余裕しゃくしゃくの作戦の変更を余儀なくされます。
とにかくコーナーに詰まらない。相手のパンチをかいくぐり、サイドに回り込む「忍者モード」を発動。ガードを高くして、ジャブを使い、時に相手に何発か打たせてブロックしながらスタミナを消耗させつつ、タイミングを見て、パンチかいくぐる→体を入れ替えて背後に回り込む。
「那須川天心の武器はスピード」ですが、このスピードには、踏み込みの速さ、ハンドスピードの速さ、そして判断力の速さが含まれます。初めて対峙した相手のプレッシャーやパンチのクセを瞬時に見抜いてしまう。
今回は背が高く、腕の長さを活かして右ストレートを打ってくる重岡さんが特にやりにくそうでしたね。
一足早くボクシングに転向した武居由樹(大橋ボクシングジム)は、K-1時代からさらに磨きを掛けた「鉄の拳」を武器に、ボクシングデビューから4連続KO勝利をマーク。8月26日(金)には初のタイトルマッチ、OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者、ペテ・アポリアル(フィリピン)に挑戦します。
天心がボクシングに転向したら、どういうボクサーになるのだろうとあれこれと想像をしていましたが、「体育会TV」を見て、武居由樹とはまったく違うタイプになるのだな、と思いました。
「忍者モード」で相手のパンチは一発も当てさせず、すべてかわして、死角に回り込んでハイスピードのパンチを打ち込んでKO、という姿が浮かびます。
まだTVerで見られるので、ぜひ「ボクサー・那須川天心」を見ておくことをオススメします。
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