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ずっとむかし西表島にいったときのこと2
空港から港方面行きのバスの乗客は、なぜかボクひとり。
いやなぜじゃないって。あとからわかったことなんだけど、そもそもあの頃は西表島に行こうって人、ましてや観光客なんてそうはいない時代だったんだ。
ボクにしてからが、アルバイト先の先輩や同じくアルバイト先の女の子たちの「西表島サイコー」といった話を聞いてじゃぁおいらもとなったわけだからね。そんな理由でバスの乗客はオンリーワン、貸し切り。
乗客0状態を回避したことがうれしかったのか、運転手さんはとても熱心に周辺をガイドしてくれた。このバスは空港と港を結ぶ直行便だったらしく、途中から乗車するお客さんもいなかった。
もう覚えてはいないけど港までの数十分ほどの間、運転手さんは左に見えるのが◯◯、右の奥にあるのは以前なんとかだったところ、とまだまだ話したいもてなしたいといった感じで石垣島ガイドをしてくれた。
とにかく身振り手振り入りのガイドは楽しかったけど、時々ハンドルから手を話して大きなフリをいれたりするのが、ちょっと怖かった。スピードは結構出ていたし、道も細かったからね。
あぁそうだ、そういえばあの時は対向車なんてほとんどいなかったな。
まっそんなわけで港について、さぁ西表島へ・・・のはずが。無常にも船は欠航。何があったのかは未だにわからない。なにしろ天気は良かったわけだし。というわけで旅の初日は石垣島泊。夜はオリオンビールで更けていった。
さて、カラスカーで夜が明けまして。お日柄もよろしく無事西表島への船もでるとの報を聞き、やれ嬉しやと港へ向かいます。
で、その西表島行きの船なんだけど、イメージ的にはフェリーっぽいのを想像してました、あたいは。でも、これがなんというか水中翼船というやつなのね。そうね、お若い方にはわかりますまい。水中翼船というのはその名の通り翼というかヒレみたいなのが船腹の下に付いてるわけだが、どういう理屈かはわからないけど、これが水の抵抗を減らすとかで、要するに高速で走れる船なんだな。
今ではほとんどというか、日本では1999年を最期に国内定期航路から姿を消したということです。
もっとも姿を消したのはオリジナルの水中翼船で、その進化系のジェットフォイルはまだまだ活躍しいるのだとか。
それはともかく、この水中翼船ってやつ、速いのね。でもって座席と水面が近いのよ。東京湾内の観光船も近いけど、あっちは湾内、こっちは一応太平洋だからね。正直怖かったわ。それにしても昨日の欠航は何があったんだろう。まさか・・・。