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都バス06系統四ノ橋下車4

 高校生活はいきなりのエキサイティングだ。ボクの鋼の肉体に目を付けるやつ。(残念ながら女の子じゃないよ。けんか自慢の同級生だ)。いきなり映画の話を無痛ガンのような勢いで話し始める奴。(残念ながらこいつも男。もっともこんな話題が好きな女の子なんてちょっと考えてしまうけどさ)。パソコンおたくに、フィギュアフリーク(萌え~って奴だね。ちなみにその反対は萎え~だ。これ五十嵐って奴の受け売り)二流校は二流校なりに東京中からいろんな奴らが集まっている。

ただ、我が母校の名誉のために言わせてもらうなら決してみんな頭が悪いって訳じゃない。勉強の適性に欠けるというかテクニックに不慣れなだけ。それで親が不必要な心配をしたがるという事実はあるけれど。

 女の子とおしゃべりしたり、好きな子と二人だけでどこかに出かけるのも楽しそうだけど、残念ながらボクはそっちの方じゃない。それに彼女たちの前では、いつもの調子も出てこない。(男同士なら気軽に、しかも楽しく話せるのにどうして?)まぁ、そんなわけでどうしても遊ぶのも話すのも男同士。やっぱりオタクかだって。余計なお世話だ。

 あなたは知らないかもしれないけど、学校の女子たちが話しているところに出会ったら、俺の気持ちも少しは分かると思う。とにかく彼女たちはスゴイんだ。内容のほぼ99%は愛や恋。いや愛や恋ならまだいい。はっきり言っちゃえば、男の品定め。ここで「あいつはダメ」と決められてしまえば、その男に敗者復活戦のチャンスはほぼない。

 しかもこのグルーピングは、クラスの中だけじゃない。彼女たちのネットワークは学校を超えて広がっている。“ひとりの女には嫌われても良い。だが3人の女に嫌われたら絶望と思え”言ってしまえば、inかoutの2者択一。日本風に言うならば“清く明るき心と濁った暗い心の対決”(ちょっと違うかな。)適合・不適合のマーキングみたいなモノだね。多分、女にしか分からないマーキングの仕方があって、そのマーキングは男には見えなくても女同士には見えるんだ。

 そんなわけでout組に分類された男子たち(ボクだけじゃないんだ)は、いつかくるだろうチャンスをじっと待つか、新しい自分を手に入れてアピールするしかない。

 面白くって、優しくって、女の子を飽きさせない意外性があって、そこそこ運動ができて、顔がいい。この5つのスコアがあるとしよう。仮にそれぞれに5つのポイントが割り当てられているとしたら、5・1・1・1・1というのは×。5・5・5・5・5も別の意味で厳しい。3・3・5・4・3くらいのバランスがいいみたいだ。そんなわけで不器用な身としてはモテ男子への道をとりあえずは保留しているってこと。

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