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ドイツでオジサン考えた

8年ほど前、事情があって貧乏も顧みず1週間ほど、
ドイツの片田舎に滞在しました。
空いた時間に、どれ趣味の街歩きでもすべえと
近場の小都市へ足を向けたのですが、
そこで思いもしなかった文化の違いを発見。

なんですか、この賑わいは!
たかだか人口10万人ほどの地方都市なのに、
町中のショピングエリアには縦横に何本もの道が走り、
そのいずれにもにいくつもの商店が軒を並べている。

メインとなる通りはゆったりとした道幅で、
車は通行禁止のようです。
大勢の人が左右の店を冷やかしながら、
のんびりと街歩きを楽しんでいる光景はなんかいい。

東京の人なら全面歩道の麻布十番商店街を、
札幌の人ならアーケードがなく、パチンコ屋さんや土産物屋のない
狸小路商店街をイメージしてもらえればちょっと近いかもしれない。

ヨーロッパの小都市には巨大なショッピングモールなどないから
そんな商店街も生存可能なんだろう。
とのご意見もあるでしょうが、甘いです。
巨大ショッピングモールはありました。
それも商店街のすぐそばにね。

いずれにしてもその賑わいは日本でイメージする
10万人規模の小都市とはかけ離れていたのです。
主に北海道での見聞ですが、
これも数年前に訪れた苫小牧や釧路は、
とても寂れた感に満ちていました。
この差ってどこにあるの。

今挙げた両都市の6割程度の人口しかないくせに、
あの繁栄ぶり、楽しそうな様子、この違いはなんなんだ?
失礼だが旭川や小樽と比べてさえはるかに活気に満ちている。

と疑問をいだいて検索すると
「ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか:質を高めるメカニズム
(高松平蔵著)という本が見つかりました。
「クオリティ・ループ(行政と企業の連携の好循環)」を
機能させることができるか否かが都市の質を決定する。
というようなことが書いてあるそうな。
ちょっと読んでみたいかな。

都市の楽しさとは一過性のイベントなどの、
期間限定、短絡的なインパクトではないと思います。
一言で言えば道行く人が街歩きを楽しんでいるか否か。
住民が心から楽しめる毎日の環境を作れるか否か。

今、札幌や旭川をはじめとした道内の諸都市に必要なのは
花火のような町おこしではない!
とがらにもなく、オジサン断言。
さて、ボクたちは人と街の笑顔を生み出す
クオリティ・ループにたどり着くことはできるのでしょうかね。


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