クラブの評価
十数年前から「いいクラブってなんだろう?」という疑問を抱えてきました。適切にクラブを評価する方法がないか?
勝ち負けを競うスポーツにとって「勝つ」ということは、とても大切で、それを生み出せる「組織」は、理屈じゃなく称賛に値するし、大きな魅力があります。また、そういった「組織」には、多くの人が集まり、またそのためにより「勝つための選択肢」が増えて、勝てる組織として発展して行きます。
日本の多くの強豪と言われるスポーツチーム(クラブ)は、「勝つ」「たくさんの人がいる」という条件を満たす、または満たすように活動します。
そういったチーム(クラブ)を保護者の方々や指導者が、進路先として「評価」します。そのため、地域(都道府県など)で、生徒集めがうまく行き、いわゆる市場占有率が一定のシェアを占有した時点で、安定して「勝ち続ける」ことができるようになります。しかし、それだけが「いいクラブ」ということでしょうか?
消費者である子供、保護者は、「選択肢」を失うという弊害も出始めます。特に日本のスポーツ活動は、部活動が主流であり、子供の学力、保護者の経済状況などでさらに選択肢は狭まって行きます。
また、これは、スポーツの世界だけではありませんが、寡占化、独占化が進み「選ぶ側」である学校やクラブなどでのチーム代表である教員や指導者が過度な力を持ちすぎると、パワーハラスメントのような「圧力」の行使が多く見られるようになります。これは、一人一人のモラルに任せていい問題ではありません。
では、このようなメガティブな要因を取り除けが、「いいクラブ」と言えるのでしょうか?
海外のスポーツクラブの「評価」を調べてみると「法人化されているか」「財政状況はどうか」など、どちらかというと「クラブ経営」の評価が見られます。ある意味それも「いいクラブ」の評価基準だと思います。
数年前から「クラブの評価を外形的に見えるような基準作りができるのではないか?」と思い始めました。
「外から見ていたのと中に入って見たからだと、違った」ということは、よくありうることです。街クラブの場合だと他に選択肢があれば、移ることはできます。しかし、学校教育などの義務教育や公的な教育を受ける場合、ある一定の年齢までは、「教育を受ける側の選択」する権利は基本的に保障されるべきですが、実際に「先生を選ぶ」、「学校を変える」ということは、なかなか難しいです。それは、日本のスポーツが学校の部活動に大きく依存しているとスポーツ活動にも大きく影響してしまいます。
そこで「クラブの外形的評価基準」を作る必要があるんです。
例えば、指導者、指導体制の質。指導者の選手キャリアだけでなく、指導歴、指導者資格の有無、定期的に指導者としての学習環境があるかなど。また指導体制として、何人あたりに何人の指導者が配置されているか、その指導者の指導者資格の有無、レベルなど。
指導体制、施設、活動、リスクマネジメントの体制、様々な角度から「クラブ」を見渡すことができると考えています。当然、そこには、クラブ傘下のチーム、所属プレーヤー、選手の競技結果も反映されます。
次回は、もう少し詳しくお話しできればと思います。また、多方面の方々のご意見も聞かせてください。