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4人はアイドル、HELPがやって来た。 (BEATLES ESSAY 5)

今日は、昨日に続いて,映画、HELP,が公開された頃の事を書こうと思う.僕はHELPが日比谷の映画館で公開された時、母につれられて長蛇の列に並んだのだった.東京まで、急行列車で行った覚えがある.その頃の切符は固い紙で、2本の赤い線が入っていた.いかにも急行らしかった。しかし、映画館は次の回もその次の回も満員だという.田舎からでてきたのに、また、泣きべそをかきそうな、気配だったのかもしれない.周りはすべて、若者だった.僕の母が浮いていた.しかしそれは、父兄同伴の強みだった.母は、指定席の切符を買ってくれたのだった.映画館に詰め寄せているファン達はみんな若者だったので、真ん中の何列かの白いシートカバーの掛かった席は空いていたのだった.その席は600円だった.あの当時でも、さすがにロードショウは入れ換え制だったと思うが、一回の上映が済むとトイレに駆け込んだらしいのです.だから、回転が悪かったのかも知れません.当時、スクリーンに飛び込んで、スクリーンを壊した女の子がいましたけど、家族は大変だったでしょうね、40年前のその少女も、今では60歳位でしょう・・、どんな人生だったのでしょうね、気になる、女の子です。さて、映画が始まりました。なんという、明るさ、今回は、総天然色です。最初の4人が真っ黒のタートルのセーターに細いズボンで歌う、HELPのあの格好の良さ、あの時以降、僕はあの格好をして、まるでビートルズ気取りでした。そうして、その頃、家庭科でマスターした、アップリケの付け方でもって、HELP!と赤いアップリケをつけました。先日、小学校の同級生にあったところ、僕がいつも真っ黒な格好をしていたと言っていました。とにかく、この映画は明るくとても楽しく4人がとても美しい映画でした。一体、僕はこの映画を何回見た事でしょう、確か、40回目位までは数えていたのですが、もう解りません。4人は本当に美しかったのです。”恋のアドヴァイス”でのポールとジョージの美しさ、“I NEED YOU"のジョージの眼差し、本を持ったジョンのお茶なところ、それに、バッキンガム宮殿でのリンゴのスティックさばき、あんなにうまいドラマーは滅多に見る事はありません。そして、スキー場で、4人が、悪の手から逃れて、ロンドン行きの切符?をジョンが低い声で、“LONDON"というシーンでは、ロードショウにも関わらずジョンが言う前にキャーという声で聴こえなくなってしまうのです。思えば、映画を見て、キャーと言っているのですからなんて純粋な子供達だったのでしょう・・。この映画を見てから僕の動き(体の)までもビートルズになってしまったような気がします.きっと、今でも、びっくりするときには、リンゴ風とか、走るときは草原を走るジョンのようにと、もう、無意識に、動いているかも知れません。そう言えば,痛かった時に、思わず、”アウチ”等と言っているかも知れません。もう、僕を取り巻く空気までもビートルズになってしまったのです。

2006年12 月 21日1 時30 分 

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