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#2 ネコでもわかる輸出管理

こんにちは、新米エンジニアのしょうきちです。今日は宇宙業界では欠かせない「輸出管理」について記事を書いてみました。自分自身への忘備録として、興味がある方向けにメモします。

■輸出管理とは

ペイロードの打上場が海外の場合、日本から現地へ物品を輸出する必要がありますが、無制限に輸出することができるわけではありません。なぜなら、もし武器や兵器だった場合、世界平和を損なう恐れがあるからです。

それを防ぐ為に、武器や兵器、もしくはそれらの材料や部品になる可能性のあるモノやその技術を輸出する際は、国内の規則や国際間により輸出が制限されています。これを輸出管理と呼びます。もしこの管理を怠って、法令や規則に違反した場合、どのようなことが起きると思いますか?

なんと、最大7年の懲役や1000万円の罰金を支払わないといけないという規則があります。意図せず違反した場合も同様なので、「知らなかった」では済まない非常に重要な規則なのです。

■該非判定とは

輸出管理をするうえで欠かせないのが該非判定です。該非判定とは、輸出する貨物または技術が法令で規制されているか否かを判別することです。法令で規制されており、スペックも制限を超えているものを該当、超えていない物を非該当と判別します。また、法令で規制されていないものは輸出規制対象外と定義します。貨物は輸出貿易管理令、技術は外国為替令という政令でそれぞれ管理されています。

■該非判定は誰が行うのか

法令や輸出対象品の知識・技術に精通した人が望ましいといえます。自社で設計・開発したものであれば、開発部門が性能とスペックから該非判定を行い、輸出管理部門が確認するというのが一般的な流れです。

もし外部のメーカーから購入した製品を輸出する場合は、問い合わせることで該非判定書を頂くことが可能です。しかし、このルートで違反した場合でも、法令違反となるのはメーカーではなく購入者になるのです。輸出者は取り寄せた該非安定書の内容を正しく確認する必要があります。

■リスト規制とキャッチオール規制

この二つの言葉もしっかりと覚えておきましょう。リスト規制とは、規制する貨物が輸出令・別表第1の1~15項(※1)に該当する場合、または役務(技術)が外為令・別表第1の1~15項(※1)に該当する場合に輸出許可申請をしなければならない制度です。

これに対してキャッチオール規制とは、リスト規制に該当しない項目の輸出品であったとしても、相手国によっては武器・兵器に利用される可能性がある場合、輸出許可の申請を行う制度です。輸出貿易管理令・別表第1の16項にHSコードとして分類されております(※2)。ポイントは、キャッチオール規制は物品ではなく、使用用途と需要者を規制するという点です。

※1) 経産省のHP(Excelファイルでリストの中身を確認できます)

※2) キャッチオール規制で分類されているHSコード

■外国ユーザーリスト

「大量破壊経費などの開発に使用する恐れがある」という懸念が払拭されない外国企業や組織の情報を経産省が管理しており、これを外国ユーザーリストと呼びます。外国ユーザーリストに掲載されている組織には輸出することはできません。

■米国法に基づく輸出管理

米国での輸出管理についてもご紹介いたします。本記事では、米国の商務省が直轄の法律である米国輸出管理法(the Export Administration Act : EAA)における輸出管理規則(the Export Administration Regulations : EAR)を重点的に説明します。

EARは米国産の民生部品を規制しており、輸出規制分類番号(Export Control Classification Number : ECCN)という品目分類番号で分類されます。下記の品目はいずれも対象になります。ECCN番号も、仕入先、メーカーいずれかに確認しておく必要があります。

・米国内にある全品目
・米国原産地品目
・米国原産地品目の組み込み製品

こちらのURLでEARの全体像をつかむことができます。規制対象となるものはCCLという規制リストで分類しています。

■まとめ

本記事はいかがでしたか?専門的な話が多く難しかったかもしれません。もし該非判定を行う機会があれば是非ご参考にしてください!

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