#4 McKinseyTechnology TrendsOutlook 2022の要約
こんにちは、新米エンジニアのしょうきちです。今日は2022年8月にあの有名企業マッキンゼーの宇宙ビジネス市場に関してまとめているレポートMcKinseyTechnology TrendsOutlook 2022を要約しようと思います。
■打ち上げと通信コスト
5~10年間で、低軌道(LEO)への打上コスト、そして静止軌道(GEO)通信衛星の通信コストが大幅に削減されていることがお分かりになるかと思います。この大きな要因の一つとして、衛星のサイズ/重量/電力/コスト/打上便の縮小化が挙げられます。
■なぜグローバルリーダーは宇宙に注目するのか
5つの理由が書かれておりました。
①2030年までに100兆円市場になるから
②2030年までに1000以上の企業が宇宙へ参入するから
③大幅なコスト削減が行われているから
④新たな付加価値を生むビジネスモデルを作り出すから
⑤ソフトウェアへの注目が増えると想定されるから
■宇宙トレンドが今後可能にすること
6つ書かれていました。
①森林/洪水/農業/開拓地/地学/海洋/氷河のリモートセンシング※1
※1)リモートセンシングとは、衛星から地球を観測することを指します。
②宇宙探査
③軌道上での組立や製造
④軌道上での電源供給
⑤地球-月間の活動
⑥商業宇宙旅行
■マッキンゼーが考える他産業への応用
6つの案がありましたね。
A)農業地の観測と適切な収穫タイミングの通知や環境条件の調整
B)野菜の収穫時期の通達
C)商品のトラッキングと供給の調整
D)消費財企業のトラッキング
E)建築物立地の推定化
F)石油・ガスのモニタリング
■宇宙業界の課題
①コスト効率性
まだ改善の余地がある。
②統治
爆発的に衛星数や打ち上げ数が増えて管理できなくなってしまうと他への干渉や物理的接触が生まれてしまう可能性がある。
③サイバーリスク
増大に向けてサイバーリスクの影響も考えていく必要がある。
■関連するトピック
①宇宙の軍事化
②法律の衝突
③スペースデブリとトラフィック管理
■最後に
打上・開発コストが削減されたことにより、2030年までの打上衛星数の爆発的な増加が予想されます。リモートセンシングなど地球上での恩恵は想像できますが、宇宙は未開拓でほとんどルールの無いフィールドです。最後の課題と関連トピックで書いた通り、指数関数的な成長産業であることから、デブリ問題だけでなく他国との争いも発生することがあるかもしれません。複雑な問題が絡みながらも発展していく宇宙産業、見逃せないですね。
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