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カレーのいちばん辛い日
哲学者「これはなんだね?」
人「いや、これはどこからどう見てもカレーじゃあないですか」
哲「ふむ、では君の知っているカレーとはなにか」
人「カレーは赤いです」
哲「そうなのか、しかしこの食べ物は赤くない」
人「しかし、それはどう見てもカレーです。スパイシーな香りがする」
哲「これからスパイシーな香りはしない」
人「カレーは液体状です」
哲「ならば、いよいよもってこれはカレーではない」
人「じゃああなたのそれはカレーでなくて何なのですか?」
哲「それだよ、君」
人「なんです?」
哲「だからさっきから聞いているだろう。これはナンだね? と」
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茶番は終わりだ。
カレーを食いに行った。近所にあるインドカレー屋だ。僕はそこへ定期的に通わねば死ぬ体になっていた。
気分が良かったので、今日は辛さ増しでオーダーした。
やがて「ベリーホットね!」と笑顔でやってきた店主の手には、王者のオーラを纏ったマトンカレーがあった。
果たしてカレーは辛かった。ハヒハヒ食べる僕を心配したのか、店主は心配そうに見ていた。僕はマハラジャ・スマイルにサムズアップを添えて応えた。
僕は生まれつき胃腸が弱い。食後、結構な確率で胃腸の悲痛な叫びを聞くことがあるが、中でも食った後に被害が最も甚大な食べ物にスパイシーなインドカレーがあった。じゃあ何で食ったのかと言わないでほしい。どうせ腹を壊すならいっそ思いっきりうまいカレーを食って死ぬと決めているのだ。
じつは今日、ハヒハヒしている間に委縮するハヒハヒ脳みそが一つの仮説を導き出した。なぜ私は特にカレーに弱いのかについてである。
カレーを食べる→舌が辛さ・痛みを感じる→ロクに噛まずに早く飲み込んでしまう→不消化→ハラクダシ
そう、ハライタの原因は単にスパイシーなカレーが胃腸を刺激するからではなく、噛まずに飲み込むことにあるのではないか。
この仮説が正しければ、全私学界が震撼するだろう。新説・ハヒハヒ胃腸説、いや、ハヒハヒカミカミ説と言った方が良いだろう。
という雑記を、今私はトイレ内で書いている。カレー戦線異状無し。