メタバースの今後とVTUBER業界/ホロライブの未来
今回の記事は僕自身もまだ勉強不足な面も多く、事実と解釈が相違している点も多くあるかもしれません。また、普段はホロライブのさくらみこさんや大空スバルさんなどVTUBERの記事ばかり書いているのでメタバース検索などから来た人は随分偏った内容に感じるかもしれません(特に後半)。
■メタバースって結局何なの?
何となく「仮想空間」というイメージが先行している印象が個人的にはあります。そこから何となくサマーウォーズの世界みたいなものなのかな、という連想に繋がっている人も多いのかなと思ったりします。
それも誤ってないと思いますが、わかりやすい言い方をすると「もうひとつの世界」というのが僕の持っているイメージです。
VTUBER、ホロライブ、にじさんじ等のコンテンツを普段から楽しんでいる人にとって一番わかりやすいのはマインクラフトやARKかなと思います。
マインクラフトは自身であるプレイヤーをデザインして、その広いフィールドに家を建てたり、アイテムを集めたり、同じサーバーに居る人とコミュニケーションを取ったりして、現実とは違う”もうひとつの世界”としてマインクラフト内で活動をします。
この「もうひとつの世界」というのがメタバースなのかなと思います。そういう意味で言えばオンラインゲームなどは全てメタバースと言える様なコンテンツだと言えるでしょう。例えばFF11や14、ファイナルファンタジーの世界の中でプレイヤーはリアルとは別の姿で様々な活動を多くの人と絡みながら行っていきます。
メタバースというのはこういった世界の延長線上の発展形と捉えるとイメージしやすいかもしれません。
■現実と同じ需要と供給
CGや3D技術、インターネットが進化していった事でこういったオンラインの、普段の僕たちのリアルな生活とは切り離されたもうひとつの世界は既に多く登場しています。そういった世界の中ではまるで現実世界の様に需要に対して対価を得ながら供給するという関係性が生まれています。例えばマインクラフトでは公式の許可の可否の曖昧さがあるので、事例の明確なリンク先などは避けてキャプチャのみ載せますが
こういったオンライン内での仕事依頼が様々な形で存在します。メタバースの進んでいった世界では、こういった現実世界に近いようなビジネスがもうひとつの世界の中で当たり前の様に繰り広げられる形になっているのかなと思います。
例えば思いつくままに例を挙げていくと
・建築依頼
上記の様なものですね。ホロライブでは昨年ホロメンが多数参加する大運動会が開催されました。その会場は非常に大がかりなもので、例えばこういった会場を建設するなどの仕事であったり、材料を収集する仕事であったり、複数人が集まってそれを行う際に現場指揮を取る仕事だったり、様々です。
・アイテムや物品の販売
このあたりに関してはオンラインゲームの世界ではもう当たり前に行われているかもしれません。時間をかけてレアアイテムを入手して、それを高額で販売する等です。
・不動産の売買
例えばホロライブ大運動会が行われたあの場所を幾つかの区画に区切って、そこの権利を販売したとすると〇〇円までなら出す、という人が現れるかもしれません。また、既にある建築物を競売形式で販売する等もできるようになるかもしれません。そういった事が可能になってくると、優れた建築物を作成できる人はそっちの方が稼ぎが良くなり、それが仕事になるかもしれません。
・ライブチケットの販売
現在オンラインライブやライブビューイングなどのチケットは基本的にはS席やA席といった席ランクの概念はありません。しかし今後の可能性としてよりリアルなVR技術が搭載されていった際に、通常視点は1万円、よりステージに近い席は1.5万円といった販売方法が主流になるかもしれません。
・レンタル業
上記の様なライブの際の会場を売るのではなくレンタルするような事も起きてくるかもしれません。優れた視覚効果やエフェクトのあるステージに価値があるのはホロライブ等のVTUBERコンテンツを楽しむ人であれば分かりやすいと思います。
FF14の様な世界では武器のレンタルという形で購入するよりも安く済ませられる様なサービスも出るかもしれません。
書いていくとキリがないのでこのあたりにしますが、需要と供給があればお金が介在し始めます。お金の集まる所には人が集まり、人が集まる所にお金も集中していく循環が生まれると、様々な活動が広がっていきます。過去の歴史の中で人々が集まってそこから国が生まれていったように、メタバースの中でも国の様な概念が生まれる可能性もあり得るかもしれません。法整備などもお金に合わせて動いていくものなので時間と共に順応していくのかなと思います。
僕がイメージするメタバースはこういった、「現実に近いもうひとつの世界」という感じです。
■予想されるデメリットを上回る依存性
こういった世界が広がる際に懸念されるのが、時間の喪失です。MMORPGなどのオンラインゲームにどっぷりとハマった事がある人であれば非常によくわかると思います。朝起きて仕事や学校に行く、帰宅してからゲームにアクセスする、そこからもうひとつの生活の様にオンラインでの知り合いと会話をしながらミッションをクリアしていく、気が付いたら深夜2時3時になっていた。という様な経験が僕も過去にありました。そこから寝る準備をして4時に寝て7時に起きる、寝不足の日が続くけれどもやめられない。そんな感じです。
そこに時間を取られていくと現実世界でのコミュニケーションが少なくったり億劫になったりといった部分に繋がるかもしれません。
けれどそれを差し置いても依存性の高さや心地よさ、幸福度が上回ったからこその各種オンラインゲームの旺盛があるのだと思います。メタバースはそれを更に上回る可能性もあるでしょう。
■VTUBERとメタバース
こういった世界の中で3D技術に長ける点、3Dをビジネスに活かしているという点、これらの部分でVTUBERを要する企業は将来的にメタバースが活発化していけば技術やノウハウで優位性を持てます。ホロライブのカバー社などは既に以下のようなプロジェクトを開始しています。
説明文を見るとどうも漠然としていて実態が掴みづらい印象がありますが、僕個人の主観で言えばホロライブが提供するマインクラフトやARKやFF14といった感じでしょうか。
その中でプレイヤーとホロメンが同じ場所に立てるという様なイメージですかね。普段VTUBERのファンはモニター越しに視聴するだけです。その際の僕たちはリアルに属していて、VTUBERは3Dの世界に属しています。
カバー社の事業計画などはわかりませんが、オンラインゲームとして課金コンテンツありで成功した場合、巨額な利益を得る事が可能です。ウマ娘を要するサイバーエージェントは直近発表のゲーム事業の売上が2627億円でした。これは今の時点では桁外れですがオンラインゲームでヒットすると年間数十億~数百億は軽く到達する世界です。
上記はスマホゲームの2022年2月度の売上ランキングです。
この金額×12か月が年間の売上になります。
こういった事業のポイントはコンテンツのクオリティと、集客能力と、リピート課金です。ホロライブの場合、コンテンツは人気のあるホロメンが居るだけでクオリティのある程度の高さは担保されると思います。プラス世界観を構築するクオリティが高ければ鬼に金棒というイメージです。集客に関しては既存のホロライブファンやVTUBERファンが日本だけでなく世界中に多く存在しますのでこの部分もクリアできる能力を既に持っていると考える事が出来ます。課金集金の仕組みもこれまでに実施してきたホロメンによるマネタイズの仕組みと、メタバースの世界の中でプラスαでいくつでもコンテンツを追加していく事ができると考えられます。
そういう意味では僕個人の意見ですが、サイバーエージェントのウマ娘どころではない規模間のビジネスチャンスをカバー社は保有していると考えます。全てのマネタイズポイントの売上を合計していくと順調に行けば年間1兆円の売上もこの3~5年で難しくはないのではないでしょうか。
ちなみに売上1兆円規模の企業を例に挙げると
博報堂、Zホールディング(Yahoo!等)、明治、サントリー、味の素、セコム、山崎製パン、電通、住友不動産、資生堂など、名だたる企業が名前を連ねます。
■身近な例で想像してみる
ホロライブが提供するメタバースの世界の中で、RPG的なコンテンツがあったとしてみこちやスバちゃんのメンバーシップに登録しているユーザー限定で抽選で一緒にパーティーを組んでミッションに挑めるとしたらどうでしょうか。自分の推しと一緒に冒険ができる、僕的にはメンバーシップに登録もしたくなりますし、その媒体となるコンテンツの料金も払ってしまうかもしれません。例えばホロライブのファンが300万人いたとして、その内200万人が10,000円のDLコンテンツを購入したとします。金額ではそれで200億円になります。
その200万人のユーザーが毎月課金コンテンツで平均5000円を使用したとすると毎月100億円の売上となります。それでも年間では1200億ですが、既存事業とも親和性が高いですし、お金があれば様々な分野で事業を展開する事ができます。海外にも手を広げている事からユーザーのパイはかなり大きいでしょう。あくまでも電卓を叩いただけの計算なのでどの程度のコストがかかっていて、純利益が幾らでキャッシュが幾らあるのか等は不明ですが。
■未来はどうなるかわからない
いずれも可能性の話です。メタバースが今後どういった進み方をしていくのかはわかりません。
もしかすると10年後Yagooがスティーブ・ジョブズの様に世界を代表するビジネスマンとしてTIME紙の表紙を飾っていたりするかもしれません。
VTUBERが表紙なんて事もあるかもしれません。