ラプラス・ダークネスの中の人の活動とホロライブに生じそうなリスク/VTUBER
最近というか7月後半くらいから仕事が忙しくなり最近あまり更新できていません。こういう記事を書こうかなという下書きばかりが溜まっていって、時期的にもう書いても仕方ないかなというものも増えました。
今回他の下書き記事を差し置いてタイトルの記事を書き始めたのはこちらの記事を見たからです。
■中の人の活動
決定的な証拠等がある訳ではないのですがリンク記事内の中岡しゆうさんはラプラス・ダークネスさんの中の人と言われていて、まとめサイトや掲示板などでは周知の事実的に扱われています。あくまでもそうだろうという憶測の範囲は出ませんが、本記事でもその前提で書いています。
その中岡さんがFantiaというサイトで9月から最大月額50,000円のファン向けプランを開始しました。
僕のブログでもVTUBERの中の人の活動については下記の記事で書いてきました。
僕自身は中の人の活動については大賛成という感じではないですが、契約で制限しているのでなければ常識の範囲内であれば良いんじゃないかという考えです。
この「常識の範囲内」というのは今回の記事の一つの鍵になる部分かもしれません。
今回の中岡さんの月額プランは内容から鑑みた一般的な相場観からすると非常に割高な値段設定という事もあり、かなり目立っています。まとめサイトなどでも開き直って集金に本気を出し始めたといった取り上げられ方をしています。
似たような内容のサービスを提供している人のプランはざっと見で、月額500円~3,000円くらいが相場な感じです。
値段設定は販売する側に価格決定権があるので、それ自体が良い悪いという事ではないですが月額5万だと100人加入すると毎月500万円の売上です。500人加入すると毎月2500万円の売上です。Fantiaの手数料が10%なので90%が本人の売上となるので500人加入していると毎月2250万円が入って来て、年間で2億7千万円が入る計算になります。
実際にどの程度の人数が加入するかはわかりませんが、5万円で〇〇人、1万円プランで〇〇〇人、5000円プランで〇〇〇人、500円プランで〇千人、と各プランのものを合計すると月に1000万~2000万円程度は入る感じになるのかもしれません。
こういったC向け、コンシューマー、一般ユーザーを対象にしたサブスク、月額課金制のサービスは集客と認知、加入見込みさえ立てられれば驚くほど簡単に大金を稼ぐ事が実現できたりします。
これ自体も良い悪いはありません。
ただ、2点気になる事があります。
1:提供するサービス内容に対して月額1万、5万というのが一般的な”常識の範囲内”から逸脱している感が強い点。
2:いわゆる表での活動が著しく低下している状態で、ホロライブ加入によって得た知名度から増えた中の人のFantiaで上記1の様な儲けに特化した活動が”常識の範囲内”から逸脱している感が強い点。
もちろん、常識の範囲というのは各個人ごとで異なりますのでルールとしてある訳ではありません。その事象に対してある程度多数の割合の人が「これはおかしいのでは」「これは違うのでは」と感じると事であったりします。常識の範囲の怖い点は、自身の認識が相手もそうであって共通認識であると思いやすい点にあります。つまり自身の常識と異なる事を他者が行った際に、他者の常識と敵対関係に陥りやすくなる性質がある感じです。
こうした要素も絡んだ上でプラスして下記の様な要素も加わります。
大金を稼ぐ事自体が嫉妬や妬みや憎悪の対象にはなりやすくなります。嫌儲という言葉があるように、他人が儲かっているのを目にするのは嫌だという感覚があります。そういった人の目に触れて苛々を誘発させる可能性が出てくるという感じです。
特にこの嫌儲に関しては、楽して儲けてる、ズルして儲けてる、的なものには嫌悪感に拍車をかけてしまう側面があります。
■配信回数と貢献度とアンチの熱量
8月のラプラス・ダークネスさんの配信時間集計です。
上から51番目にラプラス・ダークネスさんが居ます。
配信時間は1カ月で7.9時間、JP勢で最も多い博衣こよりさんの158時間と比べると20倍の差があります。
この配信時間を皮肉ったこんなツイートがアンチスレまとめで取り上げられていました。
配信時間に関するラプラスさんに対するまとめサイトでの反応はざっくり以下の感じでした。
・本業をサボって裏で楽して稼いでいる
・ホロライブの看板を利用して知名度を得た後に中の人の活動にシフトした
・これをこれまでホロライブを築き上げてきた1期生2期生3期生とかがやるならまだしも一番の新人がやっている
これまで掲示板などでも以前は目立ちはするものの、そこまでアンチ意見ばかりが大半を占めるという程ではなく、ちょっとしたネタ的な空気もありました。ですがここ最近はそういうネタ的な雰囲気は潜まっていわゆるガチで嫌悪している空気の割合が強くなってきている印象です。
その要因のひとつはラプラスさんの発信内容や中岡さんの発信内容等がこういった人たちの気分を逆撫でするような内容が多いかと思われます。
例えばこのあたりはわかりやすい部分かもしれません。
記事を見れば幾つか載っていますが、引用すると
「洋服とかオシャレめっちゃ好きだから!めっちゃお金使ってる気がする!君たちの課金額くらいかな!^^」というものだったり、敢えてわかるように数十万のブランドバッグ、十数万のブランド品に身を包んだ自撮りをアップしていたりという内容ですね。
アンチ視点でどういう風に見えるかを想像すると下記の様な感じでしょう。
1:ホロライブに加入
2:段々配信が減り始める
3:中の人の活動が目立ち始める
4:更に配信が減り始める
5:更に中の人の活動が目立ち始め誘導が増える
6:アンチを煽るような発信が増える
7:配信が更に減少しやっている事が珍しいレベルまで下がる
8:中の人が「活動本気だします」と発信する
9:中の人が高額プランをFantiaで開始する
この流れを見ると徐々に多くの人に嫌われ始めるというのは、個人的にはわかるような気がします。
このブログの初期の記事で書きましたが、対人関係で重要な要素に「信頼」「誠実さ」というものがあります。これは世間の常識でいうところの良い人、悪い人限らず当てはまります。例えばヤクザであってもその組織の中や関係性のある人達から信頼や誠実さがなければ良好な関係を築けません。
ラプラスさんは今この「良好な関係」というのをファンやホロライブリスナーと築けていなくなってしまっている状態にあるように見えてしまいます。
■捕まっていないだけの詐欺師
ファンからお金を直接得るモデルで芸能人のサロン運営というものがあります。その中でも有名なもののひとつは西野亮廣さんのオンラインサロンでしょう。千鳥に「捕まっていないだけの詐欺師」と言われていて、例えば〇〇する権利というものを〇万円などで販売する様な感じです。
こういったお金集めとその後の結果で騒がれて目立つ形で表に出てしまった感じですね。
FANTIAも基本的な仕組みは同じです。提供者はリターン的なものを提供しそれの対価として金銭を貰うという形です。
ちなみにこれが中岡さんの5万円プランの内容です。
前述の西野さんや、その他にもクラウドファンディングなどでも、トラブルになったり炎上する際の共通点は”当初言われていたリターンや提供物が提供されなかった時”という感じです。
例えば④の週1でボイス日記投稿とありますが、これが滞った時やASMRが配信されなかった時、自撮りが投稿されなかった時などには
「お金を払ったのに約束と違う!」
と騒がれる可能性があります。そしてこれは詐欺とか犯罪だとか炎上しやすいワードと共に表に出てきます。
そしてこれは金額が高額である程に購入者側の期待感は高まる為、その期待とのギャップが大きいと「騙された!」「悪質だ!」と騒ぐ人も出やすくなります。何かのサービスや商品を売る際に高額な金額設定に慎重になるのはこういった期待感とのギャップによるリスクを避ける為です。
ホロメンのメンバーシップが多くは月に1回の壁紙やメン限配信でも炎上しないのは基本的には数百円という低価格な設定だからでしょう。もし貴方がメンバーシップに登録している人の月額が5万円で月に1回しかメン限配信がなかったら「騙された~」と思うかもしれません。
・ラプラス・ダークネスの熱心なファンが加入している可能性が高い
僕が見ていて怖いなと思うのはホロライブのファン層の幅広さとその人数の多さです。小学生から中高年まで、かなり幅広いです。
例えば上記の中岡さんの月額5万円のプランに、ラプラスさんの熱心なファンの小中学生が入ったとします。
中には親に頼み込んで登録する人や、親のクレジットカードを使って内緒で登録する人、無理なお金の用意の仕方で登録する人、というのも居ないとは限りません。若い熱心なファンであるほど熱量の高さと比べて後先を考えずに行動する可能性は拭えません。
そういったところから何か問題が起きて、騒がれ始めてしまうと今の社会ではあっという間に炎上にまで発展する可能性があります。
西野さんの場合そういった若い学生、特に小中学生といった層はキャラ的にファン数が少ないと思われますが、ホロメンとなるとそういった層は圧倒的に割合として多くなります。
加えてラプラスさんのチャンネル登録者数は80万人を超えていますので既にそういった中に居る熱心なファンが加入していてその中には上記の問題に発展し得る可能性を秘めた人も加入しているかもしれません。
あくまでも可能性の話ですが、リスクは可能性をどこまで排除できるかという事が重要で、可能性を考慮せずに排除していない計画というのは得られるもの以上のダメージを受ける場合があります。
■メディアに取り上げられる可能性とアンチ熱量、嫌われている程燃える
ここからは良くないケースでの想定です。
ラプラスさんと中岡さんが同一であるという確証があるなしではなく、「恐らくそうだろう」というだけでメディアとしては取り上げる可能性が出てきます。そしてアンチが多ければ多い程にちょっとした事や、炎上に繋がる可能性の出来事を知った際にそれを表に出す人が出る可能性は高くなります。そういう意味では潜在的な敵が多い状態でしょう。
一度炎上や話題になってしまえば後の祭りで、ここまでアンチが多いとその拡大は鎮める事が難しいレベルに達するのではないかと思います。
HIKAKINさんが炎上しにくいのは好感度が高く敵が少ないからです。
香川照之さんが炎上したのは明確に彼を敵対視している存在や層があったからです。ちなみに香川さんは今回の件で5億円くらいの損害金を支払わなくてはいけない可能性があるそうです。ホロライブの契約がどうなっているかはわかりませんが多大な影響や損失を与えた場合ホロメンに損害賠償が行く可能性はあるのかもしれません。
■ブランドイメージの失墜、他ホロメンへの案件減少
万が一、僕が前述している杞憂気味の問題が起きたとして、それが悪い形で大事になるとホロライブというブランドそのものやホロライブ全体への影響に発展する可能性もあるかもしれません。
例えば不適切な発言での炎上などは瞬間的には影響はあっても中長期で影響を及ぼすという事は中々ないでしょう。
ただ今回取り上げた様な関連の場合、金銭関連のものであったりする場合は企業がホロライブから距離を置き始めるという事が起きます。
先ほど例で取り上げた香川照之さん等も、直接的な度を越えたセクハラ、暴力行為という明確な「被害者が存在する」ようなケースの場合は広告の契約解除や出演映像の放映停止など企業側がサーっと引いていきます。
これがラプラスさんが組織に属していなくて個人活動者であれば本人だけのダメージで済みますが、そうなった場合ホロライブ全体、ホロメン全てに影響が出ます。他のホロメンで決まっていた案件の停止や、叩かれ方がひどい場合はホロライブの一時活動停止、カバー社に出資している企業が離れる、など様々なケースが考えられます。
■前例として浸透
最後に、こういうのは前例として存在し続けてしまう事もリスクがあります。例えばホロメンの〇〇さんが同様に中の人で月額5万円のプランを開始したとしても前例がある為に留めておくことが難しくなるかもしれません。また、今後に関して最初から中の人で稼ぐことも念頭に置いたオーディション希望者が増えるという事も想定されます。
これは通常中々起こりにくそうではありますが、7期生8期生として入ってくる人の中に毎回同じように1年経つ前に活動が減少して中の人が活発化して、ホロライブで得た知名度でファン心理を利用する形でお金を稼ぐ人が現れないとは言い切れなくなります。
僕個人としてはルールで縛られていなければ何をしてもOKというのは違うと考えています。例えば契約で禁止されていないから、契約以外の部分では何をしても良いというのは怖さを感じます。
結果として影響が出ると「じゃあもう契約を厳しくするしかない」という判断に会社としてはなってしまいます。そうするとホロメンが活動する際に控えめに今後のリスクヘッジ程度で中の人の存在を残していた人が出来なくなったり、節度を守って活動を並行している人がホロライブを辞めるか続けるかという判断を迫られたりという事になります。
それで結果としてホロライブを卒業しますという人が出るのは嫌だなと思います。にじさんじと比べて恐らくホロライブの方が契約上での縛りは緩さがあると思います憶測ですが。それがホロライブの卒業者の少なさでもあり、伸び伸びと活動できる良さの源泉でもあるでしょう。そこに水をさすような事が起きないと良いなと思います。