見出し画像

仏検2級二次試験の対策について

筆者は2024年秋季のフランス語検定2級に合格しましたので、ここに二次試験の面接試験対策について記載します。なお、一次試験対策については、筆者の過去記事をご参照ください。

(1)合格へのアプローチ
仏検2級は、一次試験こそ例年合格率3.5割程度であるものの、二次試験は例年8割程度が合格する試験です。ですから、二次試験についてはあまり気負わず定石的な対策をして、本番ではとにかく、①面接官の質問を正しく理解して、ずれた答えをしないこと、②聞かれていることが分からなければ、"Pouvez-vous répéter votre question?"のように面接官に質問の反復をお願いするなどして、黙ってしまわないようにすることが重要です。

(2)試験対策
さて、具体的な試験対策に移りましょう。
(a)事前の準備
事前準備は以下の項目をこなすことになります。
①以下の本の二次試験対策のページに記載された、「よく出題されるテーマ」について、事前に各問5-6センテンスくらいの文章を作成して、ある程度内容を暗記しておく。
・「徹底攻略 仏検2級」(駿河台出版社)
・「仏検2級 スピード合格」(三修社)
「よく出題されるテーマ」をご覧いただければわかりますが、「好きな季節な何ですか?」など身近なテーマばかりです。用意する文章の構造は適宜ご自身の言いやすいものでもちろん構いませんが、上記のような問題では以下のようなテンプレートを持つと準備がしやすいです。
(結論)J'aime 〜.
(理由)Parce que tout d'abord 〜.  En second 〜.
②可能であれば①の文章を、ネイティブに添削してもらい、文法や活用の誤りを修正しておく。
③仮に準備していないテーマを出題された時でも何か言えるように、オンラインフランス語レッスンなどを活用し、会話の練習をしておく。
④フランス語ネイティブの面接官の質問を聞き取れるようにリスニング力を強化する。上記本のCDなどにある音源で、「よく出題されるテーマ」の質問のネイティブ発音を押さえておくことから始めましょう。但し、二次試験では上記の通り、質問がわからなければ聞きなおしてOKですので、ウェイトはやはり上記文章の準備に置きたいところです。
(b)本番の対応
次にいよいよ本番の対応です。面接官はフランス人1、日本人1の合計2名ですが、質問してくるのはフランス人で、日本人は黙って聞いていることが多いようです。事前に準備した文章が使える質問であれば、どんどん使っていきましょう。筆者の場合、Pourriez-vous vous présenter?と自己紹介を求めるものが最初の質問でしたので、職業や、ニースに何度も訪問していて、フランスが大好きであることなどを答えたところ、最初にニースに行くときには誰に相談したのか、なぜフランス語を学ぶのか、今年はニースに行くのか、など面接官がそこからどんどん質問を発展されてくれましたので非常に答えやすかったです。というわけで、筆者自身は非常に満足いく内容で自信はありましたが、結局、合格基準点19点のところ22点での合格でした(笑)。文法や活用ミスが影響したのかもしれませんが、ミスが怖くて黙ってしまう方がダメですから、しっかり事前準備をして、本番は攻めの姿勢で行きたいところです。

(3)雑感ー仏検2級に合格してみて
仏検はやはり知識が問われる試験で、実際にフランス語をフルに使いこなすことができなくても合格します。この点は英検と似ています。これに対しフランス政府が認定したフランス語試験であるDELFはこのあたりが全く違っていて、問題の作り方からして実際に使えるフランス語が身についていないと受からないものと思われます(現在筆者は今年6月のDELF B1受験に向けて準備中です)。例えばDELFのリスニングは仏検より格段にスピードが速い、実際に近いネイティブ同士の日常会話などが内容になります。

もちろん語学を勉強する上で知識は重要ですが、知識の偏重は語学の面白さを削いでしまうというのが筆者の考え方です。現在、業務上ほぼ100%英語でやりとりしている筆者ですが、ネイティブに比べればもちろんボキャブラリーも少ないかもしれません。しかし、限られた道具を最大限的確に使いながら、自分の伝えたいこと理解してもらいネイティブと渡り合うこと、この「サバイバル」こそが語学の瑞々しさ、ワイルドさであり、最高にワクワクする部分であると筆者は考えています。そして、これをするためには自身の言いたいことを本質的に理解・整理できていること、言語の文法のストラクチャーに適切に乗せて話ができることが必要になります。

知識偏重であることは、この語学のワイルドさ、瑞々しさを奪ってしまう。それでは面白くない。実際に使える語学は辞書を片手に持ち歩いてウロウロするような人のためのものではありません。道具を持たず、空手で動き回って、人と出会い、自らを伝えていこうとする人、speak outする人のためのものです。

そんなわけで、最高に楽しい語学を、これからも勉強していきたいですね!それでは皆様、ご健闘をお祈りいたします。Bonne chance!!

いいなと思ったら応援しよう!