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図解でわかる?化粧品の効果効能について広告可能な56項目


1 はじめに

薬機法には、医薬品のような「ザ・お薬」以外にも様々な人の健康に影響を与える物品に関する規制が含まれています。
(※実際には「ザ・お薬」以外も薬機法上の医薬品に含まれますが、今回は割愛。よく聞く「医薬品的な効果効能を謳うと健康食品やサプリメントでも~」というやつです。)。

本noteでは、そのうち「化粧品」に関して、その効果効能として広告可能な56項目についてざっくりと確認していきます。

2 法令等の定め

 (1) 薬機法66条1項

さて、法令の解説である以上、スタートは常に条文です。
薬機法66条1項では、以下のとおり化粧品に関する誇大広告が禁止されています。

何人も、……化粧品……名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない

つまり、化粧品の効果効能に関して誇大広告をしてはいけないということですね。なるほど、これだけではさっぱり分かりません。
というわけで、もう少し具体的なルールがないか見てみましょう。

 (2)「医薬品等適正広告基準」

薬機法66条1項の解釈などを示すものとして、「医薬品等適正広告基準」があります。
様々な内容が含まれていますが、化粧品の効果効能の表現については以下のとおりの記載があります。

(2)承認等を要しない医薬品等についての効能効果等の表現の範囲
……
また、承認を要しない化粧品の効能効果についての表現は、平成23年7月21日薬食発第0721第1号医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」に定める範囲をこえてはならない

上記記載は薬機法66条1項の解釈について示したものとされています。
(「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等」参照)

どうやら化粧品の効能の範囲の改正について」をみれば、化粧品の効果効能として広告可能な事項がわかるようです。
ゴールが近そうな予感がします。

 (3)「化粧品の効能の範囲の改正について」

そこで「化粧品の効能の範囲の改正について」をみてみると、「化粧品の効能の範囲について、……今般、その効能の範囲について、下記のとおり改正し、別紙のとおりとした」とされています。
そこで、別紙を確認すると…

(1) 頭皮、毛髪を清浄にする。
(2) 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3) 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4) 毛髪にはり、こしを与える。
(5) 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6) 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7) 毛髪をしなやかにする。
(8) クシどおりをよくする。
(9) 毛髪のつやを保つ。
(10) 毛髪につやを与える。
(11) フケ、カユミがとれる。
(12) フケ、カユミを抑える。
(13) 毛髪の水分、油分を補い保つ。
(14) 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(15) 髪型を整え、保持する。
(16) 毛髪の帯電を防止する。
(17) (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18) (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19) 肌を整える。
(20) 肌のキメを整える。
(21) 皮膚をすこやかに保つ。
(22) 肌荒れを防ぐ。
(23) 肌をひきしめる。
(24) 皮膚にうるおいを与える。
(25) 皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26) 皮膚の柔軟性を保つ。
(27) 皮膚を保護する。
(28) 皮膚の乾燥を防ぐ。
(29) 肌を柔らげる。
(30) 肌にはりを与える。
(31) 肌にツヤを与える。
(32) 肌を滑らかにする。
(33) ひげを剃りやすくする。
(34) ひげそり後の肌を整える。
(35) あせもを防ぐ(打粉)。
(36) 日やけを防ぐ。
(37) 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
(38) 芳香を与える。
(39) 爪を保護する。
(40) 爪をすこやかに保つ。
(41) 爪にうるおいを与える。
(42) 口唇の荒れを防ぐ。
(43) 口唇のキメを整える。
(44) 口唇にうるおいを与える。
(45) 口唇をすこやかにする。
(46) 口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47) 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(48) 口唇を滑らかにする。
(49) ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(50) 歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(51) 歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(52) 口中を浄化する(歯みがき類)。
(53) 口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(54) 歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(55) 歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(56) 乾燥による小ジワを目立たなくする。

注1) 例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2) 「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3) ( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。

……やられました。もう読む気がしません。
そう思われた方も多いのではないでしょうか。

そんなときは図解!ということで、本noteでは上記56項目の図解にチャレンジしてみます。

(※ なお、「(56) 乾燥による小ジワを目立たなくする。」については、「化粧品の効能の範囲の改正に係る取扱いについて」も要確認。所定の試験等による効果の確認が必要なことなどの記載があります。)

3 56項目を図解すると…

というわけで、56項目をよく読んでみると、ざっくり以下のようなカテゴリーに分けることができそうです。

頭皮、毛髪 →1~16
     →18、33・34、42~48、56
歯、口   →49~55
肌     →17、19~32、35~37
     →39~41
香り    →38

以上のカテゴリー分けを前提に、56項目を1つの図にまとめてみます。


拡大しないと読めませんが…

項目が多いのでどうしてもゴチャっとはしてしまいますが、多少は良くなった(やる気があるときであればなんとか読む気がするレベルにはなった)のではないでしょうか。

4 おわりに

本noteで取り扱ったテーマは、薬機法による化粧品の広告規制の重要ポイントの1つではあるものの、規制内容の一部にすぎません
その他の規制内容についても知りたいという方は、「医療品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」や「化粧品等の適正広告ガイドライン 2020年版」(日本化粧品工業連合会)なども是非チェックしてみてください。

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