【いるかプロジェクト始動3】近未来コミュニティ構想(小説風)「たっくんの決意」
これまでのあらすじ。ぼく(たっくん)は、偶然大都会の名古屋で出会った元会社の先輩のミカさんに出会う。そして、八ヶ岳へ行くことに。そこでのミカさんは生き生きしていてキラキラ。彼女の夢を語ってくれたミカさんに引き込まれていく。
ぼくは、いつもと全くちがう、いや、想像を大きく越える世界をここ八ヶ岳で体験した。その後名古屋に戻り再びいつもの生活に戻った。
「渡辺くん、あの書類は今日の夕方までにできるかな?」
「もちろんです。3時くらいにはお持ちします」
ぼくは、名古屋にある情報システム会社に就職して5年ほどになる。あの八ヶ岳へ行くことがなければ、こんな日常の会社での会話になんの違和感も感じなかったのに。。。
家にかえると、なんだかいてもたってもいられなくなっているぼくは、ネットサーフィンではいつも八ヶ岳の中古物件を探すようになった。なぜ、八ヶ岳なのかも自分でもはっきりしないまま、ただただ八ヶ岳にもう一度行ってみたいと。たまたまミカさんにお呼ばれして別段期待もせずに行った八ヶ岳の2日間は、ぼくにとって人生の衝撃とでもいった出来事だったようだ。
中古物件 850万円
土地 325坪 1200万円
・・・・・
給与も10分の1になってしまったぼくにとっては、手が出る金額じゃない。ローンだって、あの金融崩壊、日本デフォルトをきっかけにほぼできない状態だ。
ふと、調べていくと
シェアハウス 賃貸料2万円
わ、これだ!!と直感的にぼくは思った。思ったのはいいが、で自分は何がしたいのか。。。でも、こころの奥でムズムズしている。
(着信音・・・・)
「はい、渡辺です」
「たっくん!元気?」
「あ、ミカさん。元気です。先日はありがとうございました」
「でね、早速なんだけど、今度の週末また八ヶ岳に来れる??」
「ええっと・・大丈夫ですけど、何かあったんですか?」
「ちょっと、紹介したい人がいてね。あの、無理じゃなくて、興味あればなんだけど。ちょうど今プロジェクトが立ち上がろうとしていてね。人が足りないの。あとね、私の入っているコミュニティがあるんだけど、自然農についての勉強会があるんだ。興味ないかなって思って」
「行きます!!」
ぼくは、一つ返事で即答した。それも考える前に言葉が先に出てきた。
ずっと心のムズムズが取れない。また、あの八ヶ岳に行けばはっきりすると思った。きっと自分の中で、既に八ヶ岳で生活すると決まっているのかもしれない。
ミカさんから電話があったその日の夕方、珍しくぼくのメンターだったヒロシ先輩がぼくの部署に現れた。彼はぼくの5つ先輩で新卒のぼくを可愛がってくれ、今でも気にかけてくれる。
ヒロシ先輩とぼくは、行きつけだった手羽先のお店で合流した。
「どうだ、仕事の方は?」
「お陰様で、楽しくやってます。」
「それは良かった。でさ、お前にはやく言っておこうと思ってさ、今日はさっそったんだけど、俺、北海道に行くコトになったね。もともと全く興味もなかったんだけど、北海道の牧場経営をしないかって大学の同期に声をかけられて。」
「えええ、本当ですか〜、さみしくなります」
「タクさ、シンクロ二シティーって言葉聞いたことがあるか?」
「もちろんです、意味はよく分からないですけど、意味のある偶然のことですよね」
「そうさ、もともと大学の時から独立心のあった俺は会社で仕事をしているこの10年間消えることはなかった。で、そんな時にたまたま自然農と酪農をテーマとしたセミナーに誘われてね。その時に大学の同期にばったりね。そしたらトントン拍子に話が進んで、牧場経営をすることにしたんだ」
「へー、そんな偶然ってあるんですね。実はぼくもちょうどミカさんから電話をもらって、週末に八ヶ岳に行くコトになったんです。これもシンクロ二シティですかね。。」
「おお、あのミカさんか。八ヶ岳にいったのは知っている。お前の心が落ち着かないなら、それはシンクロ二シティかもしれないな。とにかく行ってみることだ。そしてその1つ1つの偶然を紡いでいってみるといい。きっと次の道、自分のやりたいことが見えてくるかもしれないぞ。」
そして、ぼくはこの週末、大きく人生を変える転機を迎えることになる。
つづく
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