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知らないと損する個人向けSNSマーケティングの基本

多くの人がSNSを活用する今の時代(詳細はこちら参照)、会社でも個人でもSNSで発信する重要性は高まっています。

ITエンジニアの業界では、フリーランスでなくサラリーマンであっても、SNSでの発信で、自分の価値を高めていくことは重要です。
また、趣味での創作活動をするにしても、SNSでの発信は重要です。

しかし、SNSアカウントを作っても、それをどうやって育てていけば良いのかよく分からない人も多いと思います。
(私も最初はどうすればいいのかよく分からず迷走しました)

そういう人にオススメなのが「SNSマーケティング」という書籍です。

この書籍は、会社としてのSNSの活用方法が書いてありますが、個人が流用できる知見もたくさん書いてありました。
私は2年前にTwitterアカウントを作りましたが、その時にこれを知っていれば!と思う事が多々ありました。
実際、この書籍を読んで、自分のSNS運用を見直しました。

ということで、本稿では、この書籍の中から、個人でSNSを活用する上で役に立つ知見を、私なりの解釈を加えて紹介します。


本稿の前提

「SNSマーケティング」の書籍で紹介されているSNSは以下です。
Facebook、Instagram、Twitter、LINE、Youtube、Tiktok
よって、本稿もその前提で、これらを総称してSNSと呼びます。
以降でこれらのSNSを活用する知見を紹介します。

理想に近い人を参考に目標を設定する

まず、何のためにSNSを運用するのか、どのような状態になれば成果が出ていると言えるのかを明確にしましょう。
そのためには、KGIとKPIを設定することが重要です。

KGIとは、SNSを活用する上での最終目標です。
KPIとは、最終目標であるKGIの達成度合い、その過程を評価する指標です。

例えば、私のSNS運用のKGIは「自分が発信した情報が延べ10万人以上のITエンジニアの役に立つこと」としました。
そうなるとKPIは「ITエンジニアの役に立ったこと」を表す指標になります。
ここでは「Qiita、Zenn、Noteなどに投稿した記事に対するいいね」≒「役に立った」と仮定します(実際には役に立ってもいいねしない人もいますし、役に立たなくてもいいねする人もいますが、傾向が近いとみなします)。
その前提で「投稿した記事に対するいいね数の合計」をKPIに設定します。
現在の私の記事のいいね数の合計が約8,000なので、最終目標の10万に対して8%の達成度合いと言えます。
これを1年後に倍の16%の達成度合いまで上げることを中間目標とすれば、その中間目標達成のために、色々な施策が検討できます。
私の場合はTwitterを利用して投稿した記事を告知しているので、Twitterのフォロワーを増やすことと、役に立つ記事を継続的に発信することが施策の中心になると思います。

なお、KPIは、どういう数字を目標とすればいいのか、悩むと思います。
そんな時は、自分がなりたい理想に近い人を参考にするのがお勧めです。
例えば、「ITエンジニアに役立つ情報を発信する」という方向性での例として、iOSエンジニアとして有名な(日本一のiOS開発者とも言われている)
「堤修一さん(@shu223)」を参考にしてみます。

堤さんは、Github、Qiita、Note、Medium、Youtubeなど、様々な方法で、ITエンジニアに役立つ情報を発信しています。
GithubのStarとQiitaのLGTMだけでも5万件近くあり、そこにNote、Medium、Youtubeなどのいいね数を全部足したら、10万件くらい(?)になるんじゃないかと思います。
ということで、私の場合は「ITエンジニアに役立つ情報を発信する」という方向性での最終目標を「いいね10万件」としました。

投稿を見てほしい対象(ペルソナ)を設定する

投稿するコンテンツの方向性を明確にするために、どのような人に情報を届けたいのかを考えて、ペルソナを設定しましょう。

ペルソナというと難しく感じますが、要は、具体的に自分の発信内容が届いて欲しい人物像をイメージするということです。
例えば、届けたい対象が「ITエンジニア」のままでは曖昧なので、どういう発信をすると喜んでもらえるのか、うまくイメージできません。もう少し具体的にする必要があります。

私の場合は「もっと楽しく、もっと生産性を高くチーム開発したいと思っているリーダーやマネージャー」をメインのペルソナとしました。
だからそういう人たちに、喜んでもらえるようなチーム開発の知見を書いた記事へのリンクをSNSで投稿しています。

上記のように、ペルソナを決めることで、「どんな人たちに対して、どういうメリットのある投稿をしていくのか」が決まってきます。

利用するSNSを利用者視点で決める

どのSNSを利用するのか決めるために、まず各SNSの利用状況を大まかに把握することをお勧めします。
こちらの記事で各SNSの利用状況が分かるので、詳しくはそちらを参照ください。

利用するSNSを決めるポイントは、ペルソナとして設定した人たちが、最もよく利用していると思われるSNSを利用することです。

例えば、私がペルソナとするITエンジニアは、おそらくInstagramやFacebookよりもTwitterの方が利用率が高いと考えられます。

また、その辺りがよく分からない場合は、同じ方向性の有名な人のSNSの利用状況を参考にするといいです。
(成功している人と同じにすれば、失敗する可能性は低いため)

例えば、ITエンジニア向けに発信している人たちが利用しているSNSは、Twitterをメインとする人が多く、Facebookもそこそこ活用されているように見えます。
だから、私もTwitterをメインで利用しています。

ポジティブな感情にさせる投稿をする

ここからは、投稿内容についての知見を紹介します。

まずSNSでの前提として、私がどれだけ「凄く良い記事が書けた!」と思ってSNSに投稿したとしても、多くの人はその投稿よりも、友人のランチ写真の投稿の方に興味を持ちます。

SNSは、自分のアウトプットを多くの人たちに届けるために有効なツールですが、興味をもってもらえないと、ユーザーのタイムラインなどに表示されても、ほぼ読まれることはありません。

だから、自分が発信したい情報のみを投稿するのでなく、他の人にとって価値や興味のある投稿をすることで、興味を持ってもらうことが必要です。
(ここでいう「他の人」とは、ペルソナを意味します)

他の人から「嬉しい」「ありがたい」「好き」「楽しい」「役に立つ」などのポジティブな感情をもってもらえるような投稿が必要です。

例えば私の場合、ペルソナである「もっと楽しく、もっと生産性を高くチーム開発したいと思っているリーダーやマネージャー」に対して、ポジティブな感情を持ってもらえるような投稿をする必要があります。
以下の「生産性が倍増して成長し続けるチームになった施策」の投稿がそれに当たると思います。

逆に、以下の「投資の始め方」は、ITエンジニアにあまり役立たないかもしれません(私の知り合いのITエンジニア数十人に聞いた所、90%がすでに投資をしていたため)。

同様に、「書籍(もしくは有料記事や有料アプリ)を出したので、買ってください」という「自分が告知したい」という想いを全面に出した宣伝の投稿ばかりでは、他の人にポジティブな感情をもってもらうことはできません。

たとえ宣伝目的で投稿するとしても、その内容が相手にとってメリットになることを分かりやすく説明するなど、どうしたらポジティブな気持ちになってもらえるかを考えて投稿した方が良いと思います。

そして、自分の投稿をたまたま見た人に、その後、定着してもらうためには、「嬉しい」「ありがたい」「好き」「楽しい」「役に立つ」などのポジティブな感情をもってもらえる投稿を継続することが必要です。

反響を得やすい特徴を含めて投稿する

大きな反響を得ている投稿には、以下の特徴のいずれか(もしくは複数)があります。

- タイムリーである
- 親しみやすい
- 共感できる
- 役に立つ
- ユーザー参加型である

以降で上記5つについて補足します。

「タイムリーである」
例えば、その時期に盛り上がっている技術に対しての解説記事を投稿するなど、ユーザーがその時に関心の高い内容を投稿することが重要です。

「親しみやすい」
ユーザーと近い側面も持っていることを示すことが重要です。
例えば、成功した話ばかりを投稿するのでなく、失敗した話や、泥臭く試行錯誤した話など、不完全な側面を見せることで親しみやすくなります。

「共感できる」
投稿を読んだユーザーの感情を動かすことが重要です。
「嬉しい」「すごい」などの感情は、いいねやコメントなどのアクティブな反応に繋がります

「役に立つ」
ユーザーに有意義な情報は、受け入れられやすく、シェアされやすい傾向があります
例えば、困りごとを解消する情報などは、受け入れられやすいです。

「ユーザー参加型である」
気軽に回答できる問いかけを活用することで、ユーザーにアクティブなリアクションをしてもらいやすくなります
注意点として、深く考えずに、短いレスポンスで回答できる内容にすることが重要です。

アンバサダーを育てる

これは少し上級編の施策です。
自分の作ったサービスやアプリや創作物など(以降、総称して「サービス」と呼びます)に対して、ある程度の人達がファンになってくれた場合、その人達にアンバサダーになってもらい、SNSを使った口コミで、自分のサービスの良さを広めてもらうという方法があります。

「平成28年度 消費生活に関する意識調査」によると、SNSをきっかけに商品やサービスを購入した人のうち、友達がシェアした情報をきっかけにした割合が15歳~29歳では30%もあるようです。

つまり、友達からの口コミというのは、すごく効果が高いと言えます。
だから、アンバサダーを育てることは有効なのです。

アンバサダーに、どんどん口コミで広めてもらえるように、アンバサダーに対しては「サービスの愛着度が高まること」と「アンバサダーであることのメリットが教授できること」を行う必要があります。

例えば、Webサービスであれば、アンバサダーになることで、利用できる機能が増えたり、アンバサダー限定での交流イベントで新機能の紹介と要望のヒアリングを行ったりなどが考えられます。

ちなみに、私は翔泳社のブックアンバサダーなので、今までに書籍を無料で2冊もらいました。

最後に大切な補足

書籍の中で、個人でSNSを活用する上で役に立つ知見は、ここまでです。
様々な知見がありましたが、投稿内容について、どんな知見があったのか、ポイントとなる部分を、もう一度確認してみましょう。

- 具体的に自分の発信内容が届いて欲しい人物像をイメージする
- 自分が発信したい情報でなく、他の人に価値や興味のある投稿をする
- 他の人にポジティブな感情をもってもらえるような投稿をする
- ユーザーがその時に関心の高い内容を投稿する
- 失敗した話など、親しみやすい投稿をする

一部を挙げただけでもこれだけありますが、こういう知見は、これ以外にも世の中には、たくさんあります。
それらの知見を全部覚えて全部実践するのは、とても大変そうです。

ただ、上記に挙げた内容をよくよく考えてみると1つの共通点があります。
それは相手の気持ちになってしっかり自分で考えてみれば、似たような結論に辿り着けた可能性があるということです。

だから、SNSを活用する上で一番大事なのは、相手の気持ちになって考えることだと思います。
そうすれば、この書籍で紹介された知見以外にも、様々なシーンで応用を効かせた施策ができるのではないでしょうか。

と言っても、相手の気持ちになるのは難しいと思います。
そういう人にお勧めなのが「過去の自分の気持ちになってみること」です。

前提として、個人で運用するSNSにおいて、ペルソナとして設定した人物像というのは、過去の自分のような人であることが多いと思います。
私の場合も、「もっと楽しく、もっと生産性を高くチーム開発したいと思っているリーダーやマネージャー」というペルソナは過去の自分です。

他人がどういう気持ちになるのか想像するのは難しいですが、過去の自分がどういう気持ちになるかであれば、想像しやすいはずです。

だから、過去の自分に「嬉しい」「ありがたい」「好き」「楽しい」「役に立つ」などのポジティブな感情になってもらえるような投稿を継続していけば、きっと素敵なSNSの繋がりができるんじゃないかなと思います

まとめ

個人でSNSを活用する上で役に立つ知見として以下を紹介しました。

- 理想に近い人を参考に目標を設定する
- 投稿を見てほしい対象(ペルソナ)を設定する
- 利用するSNSを利用者視点で決める
- ポジティブな感情にさせる投稿をする
- 反響を得やすい特徴を含めて投稿する
- アンバサダーを育てる
- 過去の自分にポジティブな感情をもってもらえる投稿をする

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
少しでも、SNS運用の参考になれば幸いです。

私自身、こちらの書籍を読むことで、自分のSNS運用を見直すことができたので、この書籍と著者にとても感謝しています。


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小島優介
読んでいただき感謝です!何か参考になる事があれば、スキを押していただけると励みになります。毎月チームビルディングの記事を投稿してます。 Twitterもフォローしていただけると嬉しいです。 https://twitter.com/kojimadev