【絵本】月の紳士 :カエルの紳士「マイク」編 第003話
大きな船。大きな音。大きな港街。
小さなクマのパウロはついに「観覧車のある港街」に到着しました。月の紳士がいることを証明するために、パウロは石造りの街並みの中をどんどん進んでいきます。初めて見るものばかり。
銀行、法律事務所、設計会社、大きな郵便局などなど。建物のガラスに反射した光で目がチカチカしてしまうパウロでした。
ふと目を向けると、そこには、美味しそうなパン屋さんがありました。
そのパン屋さんには、なんと「月のクロワッサン」が売っていたのです。これは素敵な偶然だと思うパウロ。クロワッサンを一つ購入しました。
店主に話を聞こうと試みますが、どうやら長い間、不在している様子でした。
パクッ、もぐもぐ。
船でのビュッフェであんなに食べたのに。美味しくクロワッサンを食べるパウロ。サクサクで大満足でした。
さっそく、魔法のカバンを開いて、中から「手帳」を取り出したパウロ。そこに月のクロワッサンのことを書き込みます。
道ばたで、そんなことに夢中になっているパウロでしたが
「ちょっと失礼!」
と声をかけられます。その人物はなんとも陽気なカエルの紳士「マイク」でした。彼はこの街では有名人。こおどりしてから電柱を軸にくるくるとダンスをしています。とても背が高くて、すらりと長い足。片手にはステッキを持っています。
「おやおや、君はこの街のモノではない感じだね!はじめまして、私はマイクだ。」
ちょっとおっかない雰囲気のあるマイクに話しかけられて、戸惑うパウロ。マイクはそんなのお構いなし。パウロに興味津々。どうやらシルクハットが気になったようで。
結局、何を話したかはよく覚えていないパウロ。でもなぜだかマイクは月の紳士を探す旅へついてくる事になりました。
まずは、壊れた懐中時計を直すために「時計の修理屋さん」へ行こうと言うマイク。この懐中時計には不思議な力がやどっているだろうともマイクは言います。
「不思議な力なんて、信じないね。」
突然、マイクのシルクハットから飛び出してきたのはイモムシの「ジョニー」でした。
「もし、その不思議な力が本当だったら賞金を渡そう。」
とまで言ってきました。結局、彼もパウロに興味津々らしく、月の紳士を探す旅についてくる事になりました。
こうして始まった3人の冒険。
どんなワクワク・ドキドキが待ち受けているのでしょうか?乞うご期待。
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