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【絵本】月の紳士 :アヒルの刑事「ポール」編 第005話

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ちょっと物語は、過去に戻ります。3人の冒険はひと休み。

むかしむかし、まだカエルの紳士「マイク」が小さかった頃のお話です。実はマイクは少し「悪(ワル)」でした。改心して紳士になるまでのお話です。

アヒルの悪ガキ「ポール」とつるんでいたマイク。ただただ悪かったわけではありません。彼はギャングストリートボーイズを結成して街の悪い権力者と戦っていたのです。

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ウサギは「トム」。ハリネズミは「フラッシュ」。ブタは「ベン」。ウマは「トニー」と呼ばれていました。皆、とても足が速く運動神経が抜群です。

しかしブタの「ベン」は違っていました。足が遅く、マイペース。でも、ピアノを弾くのが得意でした。なのでギャングストリートボーイズの秘密基地ではベンのピアノの音が楽しく響いていたのです。

普段、彼らは街の権力者から食べ物やお菓子をかっぱらっては、お腹を空かせた子供達に配っていました。

そんなマイクを外から見ていたポールは、やがてマイクとつるまなくなりました。彼は法という名の正義に魅せられたのです。刑事を目指して学校に通い、大学を首席で卒業。立派な刑事になりました。

昼は紳士。夜はまれに「悪(ワル)」に戻る。そんなマイクの素性を知るポールは現在も、巧みに彼を追い詰めてきます。しかし、何度かマイクを逃すこともあるとか、ないとか...

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そうして現在は、追う追われるのイタチごっことなったのでした。当時のギャングストリートボーイズたちは弁護士になったり建築士になったりと、しっかり街に貢献しています。そう、あのブタの「ベン」は素敵なピアニストになりました。ご心配なく。

さあ、物語はまた現在に戻ります。

昼間はカエルの紳士のマイク。パウロの前から姿をくらますマイクですが。実はそれは、ベンのピアノのリサイタルを聴きに行っていたからなんです。

ギャングストリートボーイズとは名ばかりで、みんな心優しく育っていったんですね。

3人の冒険はまだまだ続きます。乞うご期待!

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