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『「古事記」にまつわるお話 その2』
【古事記で租借を阻止した逸話】
「賠償金額は同意するが、幕府の命令での戦故、支払責任は幕府にある。」
幕末、長州藩と英仏蘭米の列強四国間に馬関戦争(1864年)が勃発しました。戦闘行為そのものでは惨憺たる結果でしたが、講和に至るまでが注目に値します。
当時、投獄中だった高杉晋作氏が急遽、交渉役として登用されます。通訳を伊藤俊輔(後の伊藤博文氏)氏が担当します。賠償請求他多くの要求を呑みますが、彦島の租借要求を見事跳ね除けます。
伊藤博文氏の述懐によると、高杉晋作氏は古事記を基に滔々と捲し立てたらしいのです:
『「汝ウシハクこの国は、我が御子のシラス国ぞ」と、アマテラスが仰せである...』
国譲り神話を用いたか否か? どのように通訳・俊輔が翻訳したか? その確証は得られませんが(^^;
ただ、「神託を受けて統治する国土を他国に分け与えることはできない」と、その正当性がしっかりと伝わったのだと推測されます。
歴史評論家・倉山満氏による逸話紹介がとてつもなく痛快です! 因みに、高杉晋作氏と伊藤博文氏は共に山鹿流師範・吉田松陰氏の門下生です。