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ゲノム編集iPSが2023提供開始に向けて順調に進行

関係者にとっては朗報が舞い降りてきました。

山中伸弥氏は、2022年3月に京都大学のiPS細胞研究所所長を退任して、現在はiPS細胞研究財団理事長として活動してます。引き続きiPSに関わっているのを知って安心している方もおおいのではないでしょうか?

この「ゲノム編集iPS」ですが、1つ1つ区切るとおなじみですが合成するとよく分からないと思います。

ざっくりいうと、iPS細胞は再生医療に使われる細胞の原材料のようなものですが誰にでも合うわけでなく相性があります。(記事内では日本人4割のみが適合) それをゲノム編集でその人に合わせる加工を行うイメージです。
両者がタッグを組むことで、よりiPS細胞を通じて多くの人に必要な細胞を移植することが出来るということです。

同じく読売新聞に分かりやすい説明図があったので引用しておきます。

やっと動物実験にめどがついたのでこれから臨床実験に進みたい、という力強いコメントがありました。

ちなみに、これは当財団だけでなく、世界中で近い研究は進んでいます。

1つの例として、最近の日本での研究グループ成果を紹介しておきます。

これは、患者適合度を高めるとは別の切り口です。

iPS細胞で作製した神経幹細胞(NSCと呼称)が特定の細胞に移動することを解明し、その運び屋を通じてゲノム編集で搭載した必要な治療遺伝子を送る、という研究です。

さらに、NSC自身も悪さをする可能性があるため、自滅する仕掛けも工夫して実装しています。
と、簡単に書きましたが、とても高度な技術を要するように感じました。
プレスリリース内に、一連の図解があったので引用しておきます。

出所:プレスリリース記載の図

治療する対象は、グリオーマと呼ばれる脳腫瘍の一種で、なかなか手術や放射線療法では根治が困難と言われてきたようです。

この発表記事で知ったのですが、どうもiPS細胞はゲノム編集で導入された遺伝子発現が残りやすい(弱まりにくい)性質をもっているとのことで、それがこのタッグを強固にしているのかもしれません。

同じ細胞なのになぜiPS細胞が遺伝子編集効果が持続しやすいのかは好奇心が湧きたつところですが、それ以上に「自滅させる遺伝子」に関心が寄ってしまいました。

これは記事内では、融合自殺遺伝子と表現されており、 yCD-UPRT(yeast cytosine deaminase – uracil phosphoribosyl transferase)が正式な用語です。
やっていることは、一旦体内に入ると代謝、つまり別のエネルギー源に変換されて、そこで初めて薬理効果(今回だと悪性腫瘍を胎児)を生むことを手助けしているようです。自身も邪魔にならないように滅しつつ。。。

骨を切らして肉を断つ、ではないですが、素朴にこの自己犠牲的な役割を持つ新しいNSC細胞には擬人的に尊敬さえ感じてしまいます。

こちらの研究も動物実験でこれから臨床準備とのことで、ぜひこれからiPSとゲノム編集という最強タッグの活躍を楽しみに待ちましょう!

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