頭皮冷却「PAXMAN」について

これから抗がん剤治療を行なう方、病院に頭皮冷却システムがあって検討している方へ、参考までに私の経過を書いておきたいと思います。

まずはじめに、頭皮冷却って何?というところからですが、乳がんで抗がん剤を使用する場合ほとんどの人が髪がほぼ全て抜けてしまいます。

でも、頭皮冷却システムで点滴と同時に頭を冷やし続けると、抜け毛を予防することができるのです。

いいことだらけのこの頭皮冷却システムですが、全ての病院で受けられる訳ではありません。設備投資や看護師さんの負担もあり、なかなか広がっていないのが現状だと思います。

でも辛い治療をしてる上、外見が大きく変わってしまうストレスは大変なものです。

将来的にどの病院でも受けられて、その上保険適用になるといいなと感じています。

私が病院で使用している機械はPAXMANという名前です。専用の帽子を被りPAXMANとその帽子を繋げると、冷たい液が帽子の中を循環して常時頭を冷やしてくれるというものです。

頭皮冷却は抗がん剤の投与30分前から始まり、抗がん剤投与終了90分後まで続けます。

この治療のメリットとデメリットですが、

メリット
①脱毛を防ぐことができる(個人差あり)
②発毛が早い
③発毛時の癖毛を防ぐことができる

デメリット
①自由診療のためお金がかかる
②冷却中は頭痛がある人もいる
③時間がかかる

メリットの①は完全に個人差なので断言はできませんが、私と同じ治療を半年間して、ウィッグをつけずに終了した方もちらほらいると看護師さんから聞いています。ちなみに現在の私は後半のAC療法が残り1回で終了の段階ですが、分け目と後頭部の脱毛がそれなりにあるため、外出時は帽子がポイントウィッグは必須です。でもフルウィッグは必要ありません。

②③は私自身まだ分からないため、今後報告したいと思いますが、看護師さんの話によると、中には抗がん剤中に髪が生えてくる方もいらっしゃるそうです。

デメリット①ですが、頭皮冷却するか悩む1番のハードルがこの費用面だと思います。私が治療を受けている病院では、まず9万円強する帽子を購入し、抗がん剤の度に15000円かかり、総額としては約36万ほどとなります。

それを高いか安いかと議論するのは難しいと思いますが、一つアドバイスとして言えることとしては、例えば人毛MIX以上のフルウィッグを購入すると約10万円ほどかかり、またスペアも必要です。ウィッグを何個も揃えるのであれば総額はあまり変わらないのかも知れません。

デメリットの②と③ですが、長時間頭を冷やし続けることで生じる頭痛がありますが、私の場合は事前に痛み止めを飲むことで何とかなっています。

また、帽子と頭皮の隙間をできるだけなくす為に顎のゴムをギュウギュウに締めるのですが、これがなかなか苦しくて、それを緩和するために治療を受けるリクライニングチェアと顎紐をスーツケースのベルトを利用してひっぱり、隙間を作ります。そのため治療中は身動きが取れないことも大変です。

トイレの際は8分のみ冷却を外すことができます。

以上がメリットとデメリットですが、実際にこの治療をしてみて、私個人としてはやってよかったなと感じています。

髪が抜けることは覚悟していたけど、生えて来なくなる方が一定数いること。それを防ぐことができるというのは気持ち的に大きいです。

また、髪が抜けることで家族にショックを与えたくなかったので、それもありがたかったです。

また髪が生えて来たらレポートしたいと思います。

※ラストケモから1ヶ月後
今日からカットもカラーもOKと聞いていたけれどまだまだ髪が抜ける。生えてきた実感はない。