マーケティングは4Pから4Sへ~Amazon1位の裏側にあるもの〜

私が執筆させて頂いた新刊『THE TEAM ~5つの法則~』(NewsPicksBook)が3月21日(木)からAmazon予約を開始しました。(発売は4月3日(水)です。)

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そして、予約開始から1日も経たないうちに、Amazon総合ランキング1位を獲得することができました。

ビジネス書ランキングならまだしも、マンガやアイドル写真集を抑えての総合ランキング1位は正直、驚きました…。

『THE TEAM』の担当編集は天才編集者、ヒットメーカーと言われる幻冬舎 箕輪厚介さんなのですが、著者の私はこれまで箕輪さんが手がけてこられた堀江貴文さんや落合陽一さん、前田裕二さんのような著者の方々に比べれば無名の存在です。

『THE TEAM』はチームづくりを科学的に解き明かした本です。

※『THE TEAM』の内容はこちらからhttps://www.businessinsider.jp/post-187653

本の内容には手前味噌ながら『ビジョナリーカンパニー』や『7つの習慣』といった「時代と国境を超える本」にも決してひけをとらないという自負があるので、発売開始以後なら上位にランキングされることもあるかもしれないと思っていました。

しかし、発売前、かつ予約開始直後にこんな展開が待っているとは、この本を書き始めた時には予想だにしていませんでした。

折角の機会ですので、一体何が起こって私のような無名の著者の本が、まだ本が発売される前のタイミングでAmazon総合1位になったのかを私なりに書いてみたいと思います。

結論から言うと、私が考えるAmazon総合1位になれた理由は「マーケティングの4Sを実践したから」だと考えています。

4Sとは箕輪さんのアドバイスも踏まえて私が考えたマーケティングのフレームワークで、Story(物語)・Schedule(時間)・Share(顧客のクチコミ)・Special(パーソナルな対応)です。

これからのマーケティングは4P(Product、Promotion、Place、Price)から4Sへとポイントが移り変わっていくのではないか、と考えています。

本記事では、『THE TEAM』のマーケティングにおいて、いかに4Sを実践したかを共有させて頂きます。


①Product(商品)からStory(物語)へ

箕輪さんと本をつくる際に最初に言われたのが、

「まずはとにかく良い本をつくること。それがなければプロモーションしても意味がない。」

ということ。

本をつくり終えるまではほとんどプロモーションについては話してきませんでした。

※箕輪さんからのアドバイスによる本づくりのストーリーはこちらhttps://note.mu/kojiasano1103/n/nd26d8a0963cf

プロモーションに関して箕輪さんから言われていたことはたった一点だけ。

「発売直前に今からやりましょうと言っても間に合わないのはTwitter での空気づくりなので、本づくりについて投稿していきましょう。」

Twitterで本づくりのプロセスを共有していくことによって、多くの方々に『THE TEAM』をつくる物語を共有し、その物語に参加してもらうということです。

本づくりの中で起こることを次々にツイートしていきました。

ある時には、箕輪さんが私の書いた原稿に赤字を入れていく様子を実況中継のように次々とTwitterにアップしていくこともありました。

こうしたツイートによって、多くの方々に予約開始前から本に興味を持って頂くことができました。

そして、Amazon予約開始直後にはTwitter で本づくりの様子をご覧になられていた方々が次々と予約して下さいました。

また、『THE TEAM』のことをお話する最初のイベントとなった箕輪編集室(箕輪さんが運営するコミュニティ)の定例会では、本の内容は勿論ですが、それ以上に私と箕輪さんがどうやってチームになっていったかというストーリーをお話しました。

※箕輪さんとのチームづくりのストーリーはこちら 
https://minohen.com/n/n1b9436c35a07

結果として、多くの箕輪編集室の方々が『THE TEAM』のチームに加わって下さり、その後のAmazonの予約開始を大いに盛り上げて下さいました。

本そのものへの興味は勿論ですが、本をつくり、届ける物語に共感してもらうことが大変重要だと改めて感じる機会になりました。

世の中には様々な商品が溢れています。かつては良い商品をつくることが重要でしたが、これからの時代はそれだけではなく、物語を紡ぎ、伝えていけるかがマーケティングの成否を分かつでしょう。

②Place(場所)からSchedule(時間)の占拠へ

3月21日(木)22時にAmazon予約開始するということが決まって、箕輪編集室の皆さんがわずか1週間ほどで電光石火でプロモーションの準備をして下さいました。

プロモーションは3月21日(木)の夜から22日(金)の朝にかけて、いかにTwitter上でクリエイティブを集中的に展開するか、ということにフォーカスされていました。

当日は22時になっても、Amazonの予約が開始されなかったり、Amazon の画面に本の表紙が反映されなかったりして、ヒリヒリする状況が続きました。予約開始直前は、まるで漫画キングダムで全軍突撃する前のようでした(笑)

22時半から一斉に記事、動画などがTwitter上に展開され、多くの方々のタイムラインを埋め尽くすことになりました。

多くの方々に数分の時間を『THE TEAM』の様々なクリエイティブを見ることに使って頂けたのではないかと思います。

(勿論、沢山Twitterに投稿すれば良いというわけではなく、箕輪編集室の方々のクオリティの高いクリエイティブが実を結んだのだと思います。)

かつては、良い立地に大きな店舗を出すことが人々に購買のきっかけを与えるためにとても重要でした。それに加えて、これからの時代のマーケティングはスマホの中のSNSでいかにして時間を使ってもらえるかがとても大切になってくるでしょう。

③Promotion(自社のプロモーション)からShare(顧客のクチコミ)へ

Amazon予約開始後は、事前のStory(物語)の共有の甲斐もあり、『THE TEAM』の取り組みに共感して下さった多くの方々がAmazon予約をしたことをTwitter上に投稿して下さいました。(皆さま、応援ありがとうございます!)

その投稿をご覧になられた方々が、またAmazonで予約して下さり、投稿するという良いサイクルができていたように思います。

沢山の情報が私たちに届く時代。これからのマーケティングは商品をつくっている人の素晴らしい宣伝文句よりも、身近な人の率直な言葉の方が説得力を持って伝わっていくのだと思います。

④Price(マスの対応)からSpecial(パーソナルな対応)へ

箕輪さんから言われていたのが、

「Amazon予約開始後は、著者はとにかく一つ一つのTwitter上の投稿に丁寧に『いいね!』や『リツイート』『コメント』をして下さい!」

ということでした。

平日の日中は私の通常業務が詰まっているので、すぐに反応できるように21日(当日は祝日で翌々日から土日)をAmazon予約開始に選んだくらいです。

Amazon予約開始後は#THETEAM で投稿して下さる方々に、精一杯の感謝の気持ちを込めて「いいね!」を押させて頂いたり、「リツイート」させて頂きました。(恐らくすべて目を通しています。)

それにより、『THE TEAM』との個人的な繋がりを感じて下さった方々が、また投稿して下さるという流れもあったように思います。

価値観が多様化する現代のマーケティング。価格が高い、低いといった一様な価値基準だけでは人の心を動かすことができなくなってきています。ユーザーが商品や企業とどのような特別な関係を築けているのかが、大切になってくるはずです。


そして、そして、予約開始翌日の昼にとうとうAmazon総合ランキング1位になることができました!

幻冬舎の皆さん、箕輪編集室の皆さん、リンクアンドモチベーションのみんなと掴み取った1位でした。

以上が、Amazon予約開始後に『THE TEAM』が総合ランキング1位になった私なりの分析です。


勿論、『THE TEAM』の真価が問われるのはこれからです。

実際に読んで頂いた方々にStoryを感じて頂けるか。
読者の方々にとってのSpecialな本になれるか。
そして、読んだ後にShareして頂いて、多くの方々の目に触れるScheduleを増やせるか。

最後はやっぱり、シンプルに「良い本かどうか」が大切だと思います。

発売後の皆さまの反応を、ドキドキしながら待ちたいと思います。


そして。

実は総合ランキング1位になれたのは、マーケティングの戦略以上に、チームの力が大きかったです。

上記の4Sに基づく取り組みを読まれて、「そんなこと分かってるよ。」と思われた方も、実際にやり切れるかというと、必ずしもそうではないと思います。

アイデアやプランを思いつくことよりも、やり切ることに遥かに価値があります。


『THE TEAM』発売後に、そこで紹介している「チームの法則ABCDE」を使いながら「私たちのチームに何が起こったのか」を書きたいと思います。(多分)


『THE TEAM』、読んで頂ければ嬉しいです!

※『THE TEAM 〜5つの法則』のAmazon 予約はこちらから
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