経営チームに求められるもの
時々複数の社内のメンバーから「私も経営チームに参画していきたいのですが、どのようにステップアップをしていけば良いですか?」と聞かれる。
僕自身、これからまだまだ経営者として成長していかなければいけないので、「そんなの俺が聞きたいよ」と言いたい気持ちがないわけではない(笑)
ただ、「自分が経営チームに迎えたいメンバーに期待すること」という観点だと言語化できそうな気がしたので書いてみたい。
結論から言うと、僕が経営チームに求めるものはスキルよりも圧倒的にマインドだ。
セールスができるとか、マーケティングスキルがあるとか、ファイナンスが分かるとか、そういうものは極論言うと二の次だ。
経営チームにとって最も大切な役割は「意思決定」であり、「意思決定」にはスキルよりもマインドが重要だと思っている。
どんな心持ちで会社に向き合っているかで、意思決定というのは大きく変わっていくはずだ。
では、どんなマインドが経営チームに必要なのか?
そんなことを考えている時に、サイバーエージェント藤田社長の「経営引継書」に関する記事を読んだ。
その中に後任の経営陣に対して求めたいマインドとして、「一貫性」「献身性」「責任感」の3つをあげられていた。
その言葉は僕自身が経営チームに求めたいものとも凄く重なる部分があるので、この言葉で説明してみたい。
(予め断っておきますが、僕はこの記事に書いてある以上のことを何も知らないので、そもそも藤田さんがお考えのこととは完全にズレている可能性があるのでご了承下さい。言葉はお借りしていますが、全く別物とお考え下さい。)
①一貫性
経営で成果を出すために大事なことはつくづく一貫性だと感じる。
経営に絶対解はない。
「これをやればどんな時でも必ずうまくいく」という施策はない。
もしそんなのがあれば、誰でも経営できる。
経営は最適解しかない。
外部環境に内部業務をどのように適応させるか。
事業戦略と財務戦略と組織戦略をどう組み合わせるか。
戦略と実行をどう統合するか。
こうした複数の要素を明確なストーリーを持って連携させられた時に大きな成果が生まれる。
そのためには、それらを連携させる経営者チームに一貫性がなければならない。
違うシチュエーションや違うタイミングで、同じ判断軸を持って意思決定をするから様々なことに繋がりが生まれていくのだ。
経営者自身、そして経営チーム同士で意思決定に一貫性を持たせるための指針となるのが、ミッション(社会的使命)やスタイル(行動指針)だ。
だから経営チームに迎えるべきなのは、社内でもミッションへの共感度合いやスタイルの体現度合いが高いメンバーだと思う。
仕事はデキるがそこがズレているタイプのメンバーを経営に迎えてしまうと、経営の一貫性が損なわれていってしまう可能性が高い。
②献身性
経営者になると、会社の中に自分のことを評価してくれる人はいなくなる。
会社に貢献するために何かをしても、最終的な結果以外はあまり光はあたらない。
社員向けのSOの発行に際して、自腹で数百万払っても、誰も知りもしなかったりする(笑)
だからこそ、誰も見ていなかったとしても「みんなのために一肌脱げる」といった精神性がとても大事になる。
自分の感情(褒められたら嬉しいからやる)や自分の合理(評価されて給料が上がるからやる)といったものを超えて、組織の合理(みんなの為になるからやる)を元に意思決定できなければならない。
自分の評価や給料、出世ばかり気にしているタイプが経営チームになると会社は歪んでいく。
③責任感
当たり前のことだが、経営者も経営チームも、ステークホルダーに大きな責任を追っている。
顧客に対しては、商品の提供、商品の品質、その先の満足に責任を負っている。
株主や投資家に対しては、投資した資金を株式価値の向上という形で報いていく責任を負っている。
そして社員に対しては、給料の支払いから始まり、成長の機会の提供まで、特に重い責任を負っている。
それらに対して、自分の責任と捉えて向き合う覚悟が必要だ。
逆に言うと、事業や組織、仕事がうまく行かない時に自分以外に理由を求めるタイプは経営に不向きだ。
また、経営チームというのは、長い時間軸の中でそれらの責任を果たしていく役割だ。
メンバーレイヤーなら2-3年、マネジャーレイヤーなら3-5年で責任を果たせるかもしれないが、経営レイヤーは少なくとも5-10年のスパンで責任を果たしていく必要がある。
うまく行かないことがあるとすぐに諦めて投げ出してしまったり、簡単に他のことに目移りしてしまうタイプには怖くて経営チームは任せられない。
ここに書いたことはあくまで経営チームに求められるものであり、すべてのメンバーにこうしたレベルの一貫性・献身性・責任感が求められるわけではない。
ただ、経営チームへの参画をしたいメンバーたちには、日頃の仕事の成果だけでなく、こうした姿勢をしっかりと求めていきたい。
僕自身まだまだ経営者としてまだまだ駆け出しなので、経営者に求められるものも、経営チームに求められるものも、まだまだこれから学び、深めていきたい。
※大前提として、ナレッジワークでは経営チームが他のメンバーより偉いというような考えは持っていません。単なる役割の違いと捉えています。現にCEOの僕よりも給与の高いプレイヤーやマネージャーが沢山います。
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