ブラジル音楽と転調について
小学生、中学生、高校生などのお子さんにギター、ウクレレを教えることが多くなっています。
ジャンルは、当然日本の流行りの音楽になるわけで、割合最近は、日本の音楽も良く聞くようになりました。
私が思春期の頃は、日本の音楽が嫌いで、というか、当時日本で流行っている曲が嫌いで、というべきかな。それで、ブラジル音楽にたどり着いたような形だけど、こうして今日本の音楽を聴くと、本当に魅力的な素敵な曲が多いのに驚かされます。浦島太郎の私。
多分、舶来のものは良くて、日本のものはダメ、という悪しき精神風土にかつての私は侵されていたのかもしれないね。
私が教室で、ギターなりウクレレを教える時に、こちらから素材を渡す場合は、余りなく、
「どんなスタイルの事がやりたいんですか?
好きなアーティストとか、います?」って、始終聞いているような気がします。
そうやって、生徒さんと相談して課題曲を決めて、採譜してみると、このところ意外な転調というものが、実に当たり前に使われているなぁと感じています。
流行っている「鬼滅の刃」映画のタイトルソング、「炎(ほむら)」
は、Bmで始まり、「僕たちは、燃え盛る〜」のところに向かってジャンプ台のような繋ぎから、C#m=Eに転調して、盛り上がる。C7で溜めて、ベース半音上のC#mに上がった時は、次の地平。山頂を上り詰めたら、反対側が見える、みたいな。
後半Aメロの世界観に戻りながら、そのキーの中でイントロを示唆するフレーズを差し込み、平行移動するように元のキーに戻る。
のは、ちょっと強引のような気がしたが、鮮やかな転調ということで、すぐ思い出すのは、嵐の「Love so sweet」。
嵐の楽曲は、どれも凄い凝っていて楽しい。
生徒さんに「これ、どうですか?」と言われて聞いてみて、冒頭、いけるかな、と思って聴き進めていくと、めくるめく展開が、ってなことに。大野君が怪物くんをやってた時の歌「Monster」とかも、「この曲は、もうちょっと上手くなってからにしようか?」になったりした。
もとい、「Love so sweet」は、キーはBで始まる。だから、シャープ5つ、かな。晴明なAメロから、Bメロへと繋ぎ、コード一個ジャーンと鳴らして、サビは、半音上に転調してキーは、Cになり、その4度のコードは、Fへと繋ぐ!
えっ、これってかなり、アクロバティックじゃないですか?!
ここくる度に、身悶えする。
そしてサビの多幸感!
AメロBメロ、サビ、と何回も繰り返して、でも最後、もうちょっと欲しいよね、で、ドラムベース休んで白玉にしてからの半音、あるいは全音上にサビ転調、ではない。
ぬるっと転調。
アクロバティック、と言えば、「YOASOBI」の「夜に駆ける」だ。もうだいぶ曲も後半でそろそろなんか仕掛るか、という時にまさかの半音下の、Bmに転調。からの、原キーCmの飛び越えてのDmに転調。
パソコン操作一発でやっているんじゃないか?と思われるほど鮮やかに!
J-POPではない、ブラジルの楽曲、「começar de novo 」も大変転調が魅力的な曲ですが、これは転調ありき、というか、どんどん移ろっていく。
歌手の人に「これメモリーて行ける?」って聞かれたら、「譜面あったら、欲しいっすね」って言ってしまいそう。
イバン・リンスの曲ですが、椎名林檎さんは、イバン・リンスのことが好きらしい。なんかのテレビで「どうして、こんな音の積みかたをしてるの!?」と驚いたらしい。
ブラジル音楽は、ハーモニー豊かですよ。
全般的に。
次回は瑛人の「香水」とかけまして
Djavanの「Siina」と説きます、その心はの予定です。
毎週末の更新を目標にして。