
知られざるアニメーション「ノエミ・マルシリ」
ノエミ・マルシリ | Noémie Marsily
1983年ベルギー生まれ。サン=リュック・ブリュッセルでイラストレーションを学んだ後、集団Nos restesで最初の本を出版後、『Fétiche』(2013, Les Requins Marteaux)、『Memet』(2019, l'Employé du Moi)などのコミックを出版。現在多分野で活躍する作家・アーティスト。
カール・ルーセンス(Carl Roosens)と共同監督で、「プードル」(2009)、「湖のまわりで」(2013)、「もう何も感じない」(2016)などの短編アニメーションを制作。
単独監督アニメーション作品は2022年の「なんであれ動いているものは生きている」。
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なんであれ動いているものは生きている | Whatever Moves Is Alive
2022, ベルギー, 11:05
ひろしまアニメーションシーズン2024の「虚構世界」コンペで上映、コンペ全体の中で一番印象に残った作品。
速度は相対的だ。子育てをしているときは、社会の動きからズレを感じる。
アニメーションの速度も相対的なものだ。映像は一定の速度で進むが、駒と駒の比率の違いで、速度の違いが表現でき、駒数の比率の違いで動きの質感が変わる。
シングルマザーの心の揺れ、木々のざわめき、風呂に浮かぶ、崩壊する自画像、ゆっくり動くナメクジ、倒れた樹木、なんであれ動いているものは生きている。例え崩壊に向かっているとしても。
もう何も感じない | I don't feel anything anymore
2016, 9:31, カナダ, 共同監督:カール・ルーセンス, 製作:NFB
消防士と看護師の設定で、シンプルなドローイングで男女の関係を描く。
湖のまわりで | Around the Lake
2013, 5:06, 共同監督:カール・ルーセンス
2012年5月フランスのフォンテヴロー修道院での滞在中に、カールとノエミ共同で脚本・監督、鉛筆とインクで描いた作品。アルバム 「La Paroi de ton Ventre(お腹の壁)」のクリップ・シリーズ最初の作品。イメージと音楽の結びつきを強めたいという根強い願望を証明している。
"Around the Lake"のリフレインと、不思議な表情で前に前にと歩いてくる男のリズムのズレが心地よく、ラフでカラフルなイラストによって楽しくなる。「なんであれ動いているものは生きている」に共通する、それぞれの動きの相対化が映画をビビットにしている。
プードル | Caniche
2009, 15:00, ベルギー, 共同監督:カール・ルーセンス
未見
