たねの輪 初めての小麦精麦(小麦から小麦粉を作る)
小麦の脱穀がひと段落し、米袋に麦粒を入れてしばらく放置しといたら大変なことに! 夏は気温も高くて虫たちも真っ盛りな季節。小麦に混じって入っていた虫たちが大量発生。まずは、ざるを使って脱穀した後のおおまかな選別作業をスタート。大きめの藁やふすま、テントウムシやほかの虫たちも一緒に手で取り除いくという地道な作業。
だいたい100kgの収穫だったから、20kgの米袋で5袋分の選別作業に丸一日かかったかな。これはほんとに大まかな選別でこれから先がまだまだ長い。
↑ ざるに分けてふるうと、虫やら小さなゴミは下に落ちて、大きなゴミが上に残る。残った大きなゴミは手で拾って選別。
おそらく、これを初めて見たひとは二度と小麦を口にできなくなるだろうなっていうくらいの量のコバエのような虫がいっぱい。たぶん、小麦に卵を産み付けて新たに生まれてなきゃあんなにたくさんにはならない。虫も生きて、子孫を残すのに必死なのだ。
輸入小麦に虫が一匹でもはいっていようものなら全量廃棄しなくてはならないということを聞いたことがある。虫が出ない。それってとっても不自然なことだ。虫が出ないように、大量の薬品を麦に散布しない限りそんなことはできないだろう。
小麦が美味しいから虫もつく。小麦も虫も生きてる証だ。その小麦を食べれるようにする工程が ”精麦”。この精麦という工程が、これほどまでに大変なものだったとは、やってみて初めてその大変さが分かった。何万粒とある小麦の粒と一緒に混在している食べれないものを取り除く作業。ふすまについてるひげ、小石、虫、ごみ、藁くず、などなど。一粒一粒確認しながら麦粒を選別していく作業。
この作業をして思った。あ~これが、生き物の原点だ。生きるために食べる。どんな生き物も、生きるために食べる。食べるために本能が動く。虫たちだって一緒。麦粒を選別するのは、まさに食べるための本能に他ならない。この単純な作業をしていると、生きる力が湧き出てくるのを感じる。この小麦をなんとかして食べてやるぞってね!でも、それには相当の忍耐力がいるのだ。
↑ 取り除いた、小石、藁くず、ひげ、などなど。
ゴミを取り除いた麦粒たちはほんとうに綺麗で感動的。ここまで取り除くのに要した時間は測ってないけど、ひとりで100kgやるのは無理!ほんとに無理!1か月ず~とやってても終わらないかも(笑)
小麦の精麦の洗礼を受けました。手作業でやっていた先祖代々の人々の暮らしぶりを考えてみると家族が食べていけるだけ、村の仲間たちが食べていけるだけの量を植えて収穫していたことが想像できる。必要な分だけを収穫して、食べて暮らしていく、そんな暮らしぶりだったのではないだろうか。
↑ 選別が終わった麦粒
さあ、小麦の粒だけになった麦をいよいよ、製粉してみよう!
さすがに、石臼で製粉は諦め、家庭用の製粉機で3回製粉してみた。
そして、全粒粉の完成!ふすまが残ってて、これぞ全粒粉っていう感じ!
去年の種まきからほぼ10か月たって、ようやく食べれる一歩手前まできたぞ~。 あとは、何にして食べようかな~、ピザもいいけど、全粒粉だけのパンもいいなぁ~、クッキーとかもできたら美味しいだろうな~ 畑づくりから一緒にやってきたたねの輪メンバーたちと一緒に食べたら最高に美味いだろうな~
なんて、あれこれ思案中。
この小麦粉がどんな風に変身するのかお楽しみに~!