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《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.44

課題5:
気軽に、楽しく、カウンセリングを受けたくなるコピー
・なんとなく、来ていいよ。
 何度となく、来ていいよ。

人は見た目が肝心。第一印象では、その人のイメージの9割が決まるとも言われますが、果たしてコピーではどうなのか?!

確かに、私も「コトバの佇まい」ということをお伝えしてきました。平仮名、片仮名、漢字、アルファベット、句読点、など。日本語を構成する文字や記号の組み合わせによって、読みやすさや意図した意味の読み込みやすさを計算に入れたとき、この佇まいによる誘導は効果を発揮します。

「今日は、雨ですね。」を「今日は雨、ですね。」と読点の位置をズラしただけで、どこか意味深な「間」が演出されてくる。

作者の込めた思いを表現する佇まい。今回は、この効果が有効かどうかをチェックしてみたいと思います。ちなみに、作者は知り合いなので、厳しめに評価したいと思います。(笑

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2行を使い、文字数をきっちり揃えたコピーになっている。
だが、平仮名と漢字による意味の重さで考えたとしたら、「なんと」と「何度」を漢字と平仮名で書き分けることは好ましくない。「なんと」と「何度」がコピーの肝であるとするならば、そこは両方とも漢字で押さえたい。

何となく、来ていいよ。
何度となく、来ていいよ。

文字数はずれたとしても、こちらの方が意図は伝わりやすくなる。だが、こうなると「来ていいよ」という同じコトバが2回でてくる必要性が疑わしくなる。言いたいことよりも読まれる回数が多いということは、「来ていいよ」の方が覚えられやすくなる。

何となく、何度となく、来ていいよ。

と一行で完結した方が、濃縮されたメッセージの強さがあり、圧倒的に覚えやすくなる。

だが、今回は「カウンセリングを受けたくなる」という動機付けが目的だ。そこを改めて注視してみると、「来ていいよ」という気軽な呼びかけを反芻した方が心のハードルを下げ、カウンセリングに足を運びやすくなるとも考えられる。

では、どう書くのか。
つまり、「何と」「何度と」はあくまでも脇役と考えつつも、食いつきと咀嚼のしやすさも考慮した上で「来ていいよ」を反芻させるようにする、

何となく、来ていいよ。
何どとなく、来ていいよ。

という佇まいの方がベターではないかと思いますが、いかがでしょうか。

人もコトバも見た目は大切ですが、見た目のどこに気を使うのかが大きな問題なのだと思います。メッセージを伝えきるため、いろいろな角度から磨きをかけて最良の輝きを纏わせる。では、どのように輝かせるのか!? 比較検討の数と時間を増やして、第11回では入賞まで駆け上がってほしいと思います。


※コピーの版権・著作権等の使用に関する権利は、静岡コピーライターズクラブに帰属します。
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