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《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.29
課題3:社会貢献したくなるコピー
・できることだけ、やればいい。
そうきたか・・・。
「コピーの学校」教頭としては、これも批評の対象外に留めたいと思います。
もう、「安い」と同じくらい使い込まれ、使い古された言い回しだ。それでもファイナリストに選ばれる。この寛容さがしずおかコピー大賞の良い点であり、悪い点なのかもしれない。
例えば、こんなタイトルの本もある。
読んだことはありませんが、タイトルも『できることだけやればいい!』だけだと印象が薄いため、『うまい逃げ方』『人生』というコトバを付加しています。せめて、このようなコトバの練り方は検討して欲しかったように思いますが・・・。
私がこのアイデアをコピーにしたいと考えたならば、『できること』について考察していくのではないかと。
社会貢献は人それぞれの「得意分野」を生かすことで、高い効率と成果が期待できる。ただし、その人の得意分野が何であるのか? 当の本人がわかっていないことが、案外多いものです。
広告・宣伝の仕事、特に私みたいに直接クライアントにヒアリング(インタビューではなく)しながら、強み・弱み・根本的な問題などを炙り出していく方法をとる方ならご存知と思いますが、強み・弱み・根本的な問題というのは、灯台下暗しでクライアントの暗黙知みたいなものになっていて、組織内では認識できず、言語化もされていないことがあります。
謙遜ではなく、ネガティブな本音として『○○○しかできないけど・・・』と仰る方もいますが、その『○○○』こそ、私からすると超強みに見えたりすることもしばしば。
他よりも高いレベルのノウハウをお持ちでも、それが日常化してしまうと「あたり前」の「普通」になってしまう。そのため、当事者の方々にはじぶん達の「普通」が、世の中で高く評価されていることすらよくわからなくなっています。
それを「普通」になっていない外部のクリエイターが、フラットな視点で評価し、『できること』が持つ価値の再確認に導いていく。こういう流れが、本当に多いんです。
つまり、『できること』というキーワードでは届かない「普通」化した社会的価値への気づきに誘導するように考えると思います。そして、『やればいい』なんて上から物申さずに済む締め方も一緒にね。
昨年、ファイナリストを逃した人、勇気を持ってください。意外なコピーも選ばれる可能性大です。
ただし、既に周知されているようなコピーをそのまま使うのは、ファイナリストへの確率を下げてしまうので、独自のアイデアでぜひ勝負してみてください。
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